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【市況】【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─時価総額上位の有望銘柄に狙いを定める!

株式アドバイザー 北浜流一郎

「時価総額上位の有望銘柄に狙いを定める!」

●会議は終わった! 市場は正常化へ

 米ワイオミング州ジャクソンホールで開催されていたシンポジウムが終わった。ジャクソンホールはアメリカ西部、ロッキー山脈を一望できる高原リゾート地。そのホテルに米国各地の地区連銀総裁が集合、加えて世界各国の金融関係者などが参集し、世界情勢や金融政策について語り合う。

 こうした会議は正直大ざっぱなものになりやすく、目先の金融政策に直接影響するような材料とはならないのが普通だ。ところが、市場関係者たちはとんでもない悪材料が飛び出すのではないかと警戒し、前週の前半に株を売り、後半はパウエル連邦準備理事会(FRB)議長の講演を待ちきれずに見切り発車的な買いを入れてきた。

 正直、実にあわただしい売買をしていることになり、とてもついていけないし、ついていく必要もないのだが、私に言わせると会議は終わったことに意味があるのだ。

 そして実際、会議は終わった。その結果、今週から市場は正常化する。

 正常化とはどんな意味か。ジャクソンホール会議の開催を警戒していたのは、機関投資家たち。そのため、彼らはこのところ売買を手控えていたが、今週からは買いを増やしてくると見てよい。

 その対象となるのは、もちろん主力株になる。具体的には時価総額の大きな企業。こういうことになるため、時価総額上位100位以内の銘柄が物色対象になりやすい。

 世界の時価総額100位となると、日本企業は30位台のトヨタ自動車 <7203> [東証P]、80位台のソニーグループ <6758> [東証P]の2社だけだ。

 なんとも寂しい限りだが、世界市場における日本企業の存在感の薄さはもはや挽回困難と諦めて、国内市場で存在感を発揮する企業への投資で成果をあげることに専念したい。機関投資家たちの場合、投資対象とするのは前述したように上位100銘柄ということになろうが、個人投資家ならもっと対象を拡大して、200~300位であっても魅力的な銘柄はいくらでもある。

●復活する機関投資家たちの買いに乗る

 今回は以上のような観点から、機関投資家たちが選ぶであろう銘柄の中から、有望度の高いものを紹介したい。

 まずは日立製作所 <6501> [東証P]になる。同社が行った事業構造の大転換はよく知られているが、いまのところそれは成功に向かっていると見てよく、機関投資家たちの評価も高い。

  半導体不足から生産抑制が続いていた自動車業界は、徐々に半導体の供給が回復しているため、生産の正常化が見込めるようになっている。当然、それはタイヤ需要の拡大を促すため、ブリヂストン <5108> [東証P]だ。

 インバウンド特需がはげ落ちたことで、株価も低迷を続けていた花王 <4452> [東証P]の復調が鮮明になってきた。得意とする洗剤の値上げに加え、化粧品も厳しさを脱しつつあり、株価も息を吹き返す方向だ。

 これから飲食店は、年末に向けた準備に入る。日本食に不可欠なのが醤油であり、業界首位のキッコーマン <2801> [東証P]の株価もすでに上昇中ながら、年末までまだ十分時間があることを考えると、株価の上昇余地も十分と見てよい。

 値動きがやや粗いものの、テルモ <4543> [東証P]の株価も一服、もしくは小反落での投資なら成功確率が高い。血管関連の手術が正常化しつつあり、カテーテル需要が上向いている。

 最後にJT <2914> [東証P]を。この株は高配当狙いの投資家たちの間で、非常に人気が高い。決算期は12月。それに向けて株価は着実高する可能性が高い。

2022年8月26日 記

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