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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「目先反発も、慎重姿勢は続く」

株式評論家 富田隆弥

◆9月21日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で決定される利上げ幅が注目を集めている。本稿執筆段階では結果は不明だが、今回もインフレ抑制を優先して大幅利上げに動いたことだろう。株式市場にとって「金利上昇」は難敵であり、景気への影響や秋のヘッジファンドの決算などを踏まえれば慎重姿勢を崩す訳にはいかない。

◆ただ、NYダウは既にそれらを織り込むように下落しており、8月16日高値の3万4281ドルから9月20日の安値3万0465ドルまで11.1%調整を入れている。日足チャートは7月安値の3万0143ドルや6月安値の2万9653ドルに迫り、「二番底模索」の水準に入った。日足RCI(順位相関指数)も底値圏にあり、目先的には一旦下げ止まることも想定され、そうなれば買い戻しが入りリバウンドを試す可能性も出てくる。

◆とはいえ、NYダウの週足チャートは1月に付けた高値3万6952ドルから調整入りを鮮明にしており、それを好転させるには上に控える多くの節を突破しなければならず、時間も必要だ。目先、リバウンドに転じたとしても、25日移動平均線や75日移動平均線、週足の26週移動平均線などが集まる3万2000ドル近辺が節目になりやすい。

日経平均株価は9月21日に節目の200日移動平均線と75日移動平均線を割り込んだ。チャートは注意すべき流れだが、節目の2万7000円に迫り、9月末の配当取り(28日まで)も意識されることから、目先反発に転じる可能性もある。

◆日本では9月21-22日に行われる日銀金融政策決定会合が一つポイントで、145円に迫った為替(円安)の動向も気になる。ただ、いずれにせよ日本株はNYダウ次第であり、米国株を横目にしばらく乱高下する展開を想定しておきたい。個別株投資ではそれらを踏まえ、無理せずに行動することが望まれる。

(9月21日 記、毎週土曜日に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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