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ドーン Research Memo(2):受託開発からクラウド型サービスにシフト中

特集
2018年8月7日 17時24分

■会社概要

1. 会社概要

ドーン<2303>は、地理情報システム(GIS)を活用したシステムの開発・販売を行う企業である。中央省庁や地方自治体、電力会社などでの採用実績が多く、信頼性の要求されるシステムに定評がある。GISエンジンソフトのライセンス販売や受託開発を長年にわたり事業の柱としてきたが、近年は防災関連のクラウド型サービスで業績を伸ばしている。

2. 沿革

同社は、1991年に兵庫県神戸市でソフトウェア開発会社として設立された。その後一貫して地理情報システム(GIS)及びその周辺領域で技術力を磨いてきた。警察や消防などを始めとする中央省庁や地方自治体、電力会社や通信会社などでの採用実績が多く、信頼性の要求されるシステムの開発に定評がある。2002年に株式上場(現東証JASDAQ)。クラウド型サービス「NET119緊急通報システム」が全国の消防で採用され、業績に貢献している。

3. 事業内容

事業は1)ライセンス販売、2)受託開発、3)クラウド型サービス、4)商品売上の4つに分類される。1)ライセンス販売は、GIS構築用基本ソフトウェアGeoBase(ジオベース)の開発 ・ 販売を行う事業である。創業当時のメイン事業だったが、現在は全社売上高の8.9%(2018年5月期通期構成比)に下がっている。2)受託開発は、電力会社向けや通信会社向けに特化した用途のGISシステムを受託開発・コンサルティングする。全社売上高の54.2%(同)を占める事業の柱である。3)クラウド型サービスは、地図情報・空間情報技術(Spatial-IT)などの情報配信サービスであり、同社がサーバーの運用も担う。ストック型ビジネスであり、中長期的(3年~10年)にわたり安定収入を得ることができる。2005 年以降に開始され、現在では34.8%(同)を占め、受託開発に並ぶ規模に成長した。今後も自治体向けを中心に飛躍が期待される事業である。4)商品売上は、受託開発事業に付随して販売されるデジタル地図などの売上である。

■事業概要

1. 中核商品の紹介

ドーン<2303>の代名詞ともなっているのが2010年※に開始された「NET119緊急通報システム」である。このシステムは、聴覚や発話に障がいのある人のための緊急通報システムであり、スマートフォン・携帯電話のインターネット接続機能を利用して、簡単に素早く119番通報することができる。急病やけが、地震や風水害、火災などの緊急時に、自宅からの通報はもちろん、GPS機能を利用しているため外出先からも通報でき、受信側はすぐに居場所を特定できる。操作性の良さやシステムとしての信頼性の高さが評価され、現在では全国の自治体・消防団体で広く普及している。兵庫県神戸市や埼玉県川口市などの自治体を皮切りに導入が進み、2015年12 月には東京消防庁、2016年10月には大阪市消防局で稼働が開始し、全国の自治体への横展開に弾みがついた。2018年5月期にも埼玉県南西部消防本部(朝霞市、志木市、和光市及び新座市の4市が共同で構成する消防組織)などが加入。同システムが導入されている消防本部の管轄人口は約3,961万人(2018年5月末現在)、人口カバー率は約31%である。同社では2020年5月期に人口カバー率を50%まで高め、東京五輪・パラリンピックを控え同システムの全国的な普及推進を加速するという政府の方針にも応えたい考えだ。2018年3月に、総務省は同システムの早期導入を進めるために、地方自治体の各消防本部が同システムを導入した際の運用経費を地方交付税で賄う措置を通知しており(消防情第98号)、未導入の自治体においても導入が加速されることが期待できる。

※開始当初のシステム名は「緊急通報システムWeb119」。のちにリニューアルされた。

同システムはクラウド型サービスであり、顧客である自治体にとっては自前で運営する場合と比較してコストが安く運営の手間もかからないというメリットがある。ちなみに料金体系は、消防の管轄人口に応じた月額利用料を支払う方式である。

2. クラウド型サービスの成長

システム開発においては“所有から利用へ”の流れの中で「クラウド」へのシフトが進行中である。顧客にとって初期投資が抑えられ、最新のシステムがすぐ利用でき、自前で運用・保守をする面倒もない。IDC Japan(株)によると2016年のパブリッククラウドサービス(不特定多数向けのクラウドサービス)市場規模は3,839億円。2017年には前年比29.8%増の5,016億円となった。その後も年20%以上のペースで成長し、2022年には2017年比約2.8倍の1兆4,065億円まで拡大する予測だ。

クラウド化の進展は、同社の収益改善にも大きく貢献してきた。2014年5月期に81百万円、全社売上高の13%だったクラウド型サービスの売上高(以下、クラウド売上)は、4年後の2018年5月期には290百万円と約3.6倍になり全社売上高の35%まで上昇した。これと並行して営業利益は3百万円(2014年5月期)から162百万円(2018年5月期)と急拡大している。今後もクラウド売上を伸ばし、収益力を高めることが、同社の基本戦略となる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)

《TN》

提供:フィスコ

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