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あらた:日用品・化粧品において日本最大級の規模をもつ卸商社、情報力と提案力に強み

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2025年1月24日 15時13分

あらた<2733>は、日用品・化粧品において日本最大級の規模をもつ卸商社。小売企業とメーカーをつないで情報を一元管理し、様々な情報や地域・季節・流行などに合わせた販促企画、付加価値とともに商品を届けている。調達先は国内外のメーカーを中心に約1,200社、取扱商品は化粧品などのヘルス&ビューティーや洗剤、紙製品など約10万アイテム。供給先は国内のドラッグストアやスーパー、ホームセンターなど国内小売業を中心に約3,500社、4.5万店舗に及ぶ。また、商品を間違いなく仕分けるピッキングカート「AiMAS(アイマス)」を使用し、納品精度99.999%と超高精度な出荷を実現。年間出荷額150億円以上の大型物流センターを中心に北海道から九州まで、物流センター31拠点・コスメセンター3拠点・デポ5拠点と全国規模でネットワーク基盤を確立している。

2024年3月期時点での業種別売上高構成比は、ドラッグストア52.4%、ホームセンター14.0%、スーパーマーケット11.5%、ディスカウントストア7.5%、GMS4.2%、その他10.4%。カテゴリー別売上高構成比はヘルス&ビューティー(H&B)30.7%、ハウスホールド14.2%、紙製品19.4%、ホームケア8.0%、家庭用品6.7%、ペット・その他21.0%。

2025年3月期上期累計の売上高は前年同期比4.3%増の491,522百万円、営業利益は同2.5%増の8,174百万円で着地した。売上高は10期連続最高を更新で中間期目標数値を達成。従来からの注力カテゴリー(H&B・ペット)で、H&Bは外出機会の増加によるメイクアップ化粧品の売上増、ペットは商品単価の向上やペットの高齢化による高付加価値フードなどが好調に推移したようだ。カテゴリー別売上高も家庭用品を除いたすべてが前年比で増加している。業種別では、ドラッグストアで取引拡大やH&B・ペットの戦略的拡大が売上増加に寄与した。利益面で計画未達だった要因は、2024年問題への対応による運賃保管料の増加と人件費の増加で、下期で販管費率の改善を図っていくようだ。通期の売上高は同2.6%増の969,000百万円、営業利益は同12.3%増の16,300百万円を見込む。

国内ではPALTAC<8283>が競合となる。あらたは、店頭起点で地域密着型のサービスを展開し、多くの調達先・販売先と関係を構築できているほか、膨大なデータ・知見に基づく情報力を活かして小売店に最新の売場づくりのアイデアを提案できる提案力に強みを持っている。大規模から中小規模業者との関係構築による幅広い品ぞろえで、コロナ禍出の影響も相対的に限定的だった。一方、PALTACと比較してコスト面に改善余地があると見ており、今後は物流等の効率化を進めることが重要になってくる。

同社は「中期経営計画2026」を開示しており、H&B・ペットカテゴリーの拡大や専売・優先流通品の拡大等の成長戦略によって事業拡大を図っており、2026年3月期の売上目標1,000,000百万円・経常利益20,000百万円を目指している。専売・優先流通品は化粧品やシャンプーなどのヘアケア商品が中心で高付加価値の商品となり、他の卸売業者が販売しない、またはあらたが優先的に販売できる差別化商品となる。専売・優先流通品の売上高は、2024年3月期時点で売上高構成比の7%を占めている。今後、専売・優先流通品拡大による独自性の強化では、コスメやヘアケア以外のカテゴリーも含めて拡大予定で、アジアンコスメなど新規ブランド開拓による品揃え充実化も図っていく。また、2025年3月期下期より本格的にコンビニ大手との取引が開始している。コスメを中心とした独自の提案で新たな価値提供を行っており、今後業績全体にインパクトを与える可能性があろう。株主還元では自社株買いの他、10期連続増配予想で配当利回り3.34%であり、配当性向30%を意識しながら安定配当・増配を図っていくようだ。業績の底堅い成長が続く中、コンビニ大手との取引拡大、専売・優先流通品など今後の成長戦略の動向に注目しておきたい。

《NH》

提供:フィスコ

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