来週の株式相場に向けて=円高懸念残るなか「外食・小売り」の上昇は続くか
6日の東京市場で日経平均株価は304円安の3万9091円と5日ぶりに反落した。前日まで日経平均株価は1200円近く上昇しており、利益確定売りが膨らんだ格好だ。特に、今晩は米11月雇用統計が発表される。市場では17~18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の利下げを7割近い確率で織り込んでいるが、なお3割近くは政策金利据え置きを予想しているだけに、今晩の雇用統計への関心は高い。
また、来週は11日に米11月消費者物価指数(CPI)、12日に同生産者物価指数(PPI)が発表される。加えて、18~19日の日銀金融政策決定会合では追加利上げに対する見方は割れている。それだけに、13日の12月日銀短観も目が離せないだろう。
日米金融政策の結果で「為替が円安・円高のどちらかに動くかで株式市場の物色傾向も左右される」(市場関係者)ことになる。円安基調が強まれば、当然、半導体関連などハイテク株が見直されるが、足もとでは一時1ドル=148円台まで進んだ円高を意識し内需株に見直し買いが入っていることは見逃せない。
特に、円高メリットも期待される 外食や百貨店、スーパー、専門店などを含む「小売り株」は堅調な値動きを続けている。東証33業種別の「小売業」セクターは、きょう1992.67と年初来高値をつけた。小売業の年初からの上昇率は21%となり、日経平均株価の17%やTOPIXの15%を上回る頑強ぶりだ。外食関連では、牛丼チェーンでは吉野家ホールディングス<9861>傘下の「吉野家」やゼンショーホールディングス<7550>傘下の「すき家」などの月次売上高は堅調に推移している。また、衣料など専門店ではファーストリテイリング<9983>や良品計画<7453>、しまむら<8227>などが月次売上高の伸びを材料に株価は上昇している。ニトリホールディングス<9843>を含め、当面は為替動向を横目に見ながら、小売り株の株価動向を注視する展開が予想される。
上記以外の来週のスケジュールでは、海外では9日に中国11月CPI、10日に中国11月貿易収支、12日に欧州中央銀行(ECB)理事会が開催される。10日にトール・ブラザーズ<TOL>、11日にアドビ<ADBE>、12日にコストコ・ホールセール<COST>、ブロードコム<AVGO>が決算発表を行う。
国内では9日に7~9月期GDP改定値、11月景気ウォッチャー調査、11日に10~12月期法人企業景気予測調査が発表される。13日は、先物のメジャーSQ算出日となる。9日に泉州電業<9824>、ミライアル<4238>、10日にGENDA<9166>、11日にANYCOLOR<5032>、12日にビジョナル<4194>、タイミー<215A>、13日に神戸物産<3038>、丸千代山岡家<3399>が決算発表を予定している。12日にユカリア<286A>、13日にラクサス・テクノロジーズ<288A>が新規上場する。来週の日経平均株価の予想レンジは3万8400~3万9700円前後。(岡里英幸)
株探ニュース