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クオールHD Research Memo(6):CMR派遣は需要回復、医療系人材紹介派遣は2022年春以降に需要回復へ

特集
2022年7月4日 15時26分

■クオールホールディングス<3034>の業績の動向

3. 医療関連事業の動向

医療関連事業のうち、主力のCSO事業は前下期からCMR派遣の需要が減少した影響が上期まで続いたが、下期以降は新型コロナウイルス治療薬関連を中心に需要が回復基調となり、通期では若干の増収増益となった。期末時点でCMRは約600人と過去最高水準となっており、需要も引き続き旺盛なことから2023年3月期はさらなる成長が期待できる状況となっている。

一方、医療系人材紹介派遣事業では、コロナ禍が長期化するなか薬剤師の派遣を絞り込む動きが業界全体で続いたことにより減収減益となった。ただ、足元は薬剤師派遣の需要も回復傾向となっている。プラス面では、健康経営の関心の高まりから企業の産業医・産業保健師の派遣需要が回復し、売上高が増加した。また、健康有料法人の認定取得をサポートするサービスやストレスチェック及びヘルスケアセミナーといったコンテンツ提供サービス等を開始したことにより、薬局や医療機関、ドラッグストア、企業、学校などの取引先数も拡大した。アポプラスキャリアについても2022年3月に、「健康経営優良法人2022」を取得している。

医薬品製造販売事業では、自社開発したGE医薬品のグループ内薬局での導入を進めており、先発品からの切り替え率で前第4四半期の約6割から約8割まで浸透した製品も出るなど、グループシナジーの効果は着実に出ている。一方で、原薬の調達がコロナ禍の影響もあって滞ったことや、物流費の上昇などもあり業績は減収減益となった。

2023年3月期業績は保険薬局事業、医療関連事業ともに2ケタ増益となる見通し

4. 2023年3月期の業績見通し

2023年3月期の業績は売上高で前期比8.3%増の180,000百万円、営業利益で同21.8%増の12,000百万円、経常利益で同18.9%増の12,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同18.4%増の6,500百万円と連続で過去最高を更新する見通しだ。コロナ禍の影響もほぼ一巡し、保険薬局事業、医療関連事業ともに増収増益となる見通しだ。設備投資については前期比32.3%減の1,174百万円を計画している。今期は比較的小規模の店舗を多く出店することもあり、設備投資額も減少する見込みだ。一方で、減価償却費は同22.5%増の1,916百万円となるほか、M&Aを積極的に進めることから、のれん償却額についても同8.7%増の3,444百万円と増加を見込んでいる。これら償却費の増加を増収効果で吸収する格好となる。

(1) 保険薬局事業

2023年3月期の業績前提となる新規出店については、自力出店で10?20店舗程度、M&Aで30~70店舗を見込んでいる。自力出店のうち5店舗は異業種連携や駅ナカ店舗で計画している。M&Aについては積極的に進めていく予定だ。5月17日までの実績として自力出店で5店舗、M&Aで1店舗を獲得し、合計店舗数は前期末比横ばいの834店舗となっている。自力出店のうち1店舗は良品計画との連携による「無印良品広島アルパーク店」内の「まちの保健室」への出店で、2店舗目の出店となる。

また、処方箋応需枚数については既存店で前期比5%強の増加を想定し、処方箋単価については薬剤料が薬価引き下げの影響と長期処方の減少により低下傾向が続くと見ている一方で、調剤技術料については上昇する見込みで、合計では若干の低下を想定している。このため既存店の調剤報酬売上については前期比5%程度の増収となり、これに新規出店・M&A効果と、EC販売やコンビニエンスストアの物販、並びにOTC医薬品の売上増を見込んでいる。なお、在宅調剤売上については大手介護施設向けが伸びるほか、個人宅向けの取り組みも強化していく。

2022年度の診療報酬改定による調剤技術料への影響については、地域支援体制加算で在宅調剤やオンライン服薬指導など、かかりつけ薬局としての機能強化に取り組めばプラス要因になると見られる。一方、調剤基本料や後発医薬品加算体制については改正の影響は軽微だったようだ。

営業利益の増益要因としては、薬剤料収入の増加による売上総利益の増加に加えて、技術料単価の上昇と処方箋応需枚数の増加による技術料収入の拡大が寄与することになる。なお、2022年春の新卒薬剤師の採用数については、前年並みの200名前後だったと見られ、2023年春も同程度の採用を予定している。

(2) 医療関連事業

2023年3月期の医療関連事業は2ケタ増収増益となる見通し。CSO事業がCMRの需要回復により増収増益となるほか、前期に落ち込んだ医療系人材紹介派遣事業についても薬剤師の派遣需要が回復してきたことで増収増益に転じる見通しとなっている。CMRについては前期末の約600人から2023年3月期末は700~800人まで増員を目指し、採用・育成を積極的に進めていくことにしている。特に、需要の強いスペシャリティ薬等の専門領域のMRやITリテラシーの高いMRの採用・育成を積極化していく方針だ。

一方、医薬品製造販売事業については前期並みの収益水準を想定している。薬価改定による販売価格下落の影響を新規案件の取り込みで相殺する格好となる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《SI》

提供:フィスコ

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