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プロパスト Research Memo(7):2021年5月期は慎重な予想を維持

特集
2021年2月2日 15時47分

■今後の見通し

1. 2021年5月期の業績予想

プロパスト<3236>では、今後の事業環境については次のように見ている。日本経済は、コロナ禍の影響により極めて厳しい状況にあるが、各種政策等の効果もあって持ち直しに向かうことが期待されている。しかし、国内外におけるコロナ禍の動向や金融資本市場の変動等の動きには注視する必要がある。同社が属する不動産業界に関しては、コロナ禍の影響によるインバウンドの減少や外出自粛といった影響が見込まれる宿泊業や飲食業のテナントを有する商業ビル等においては、稼働率や賃料収入が低下する物件も発生している。こうしたことを受けて、不動産業界のなかでも用途に応じて需要格差が発生する可能性が高いと考えている。また、こうした動きを背景に用地取得競争は一部軟化する可能性が見込まれるものの、人件費などの高止まり等の影響から建築費の大幅な下落は見込みにくい状況にある。一方で雇用所得環境の悪化から、これまでのような販売価格の上昇には抑制作用が働く可能性があると考えている。

このような経済環境下において、同社ではこれまでと同様に首都圏エリアにおける駅近等の利便性の高いレジデンス物件を中心に仕入れを行い、分譲開発物件についてはDINKS層を主たる顧客ターゲットとして捉えていく。同時に、賃貸開発物件やバリューアップ物件については富裕者層やファンドを主たる顧客ターゲットとして事業展開を図る考えだ。また、物件取得に関しては立地や価格に関して、売却想定価格を意識しつつより厳選したうえでの取得が必要であると考えている。そして、同社の強みである創造デザイン力やプレゼンデザイン力を生かせる分譲開発物件の販売を進める方針だ。また、コストや建築期間等を抑制した賃貸開発物件に取り組むことで事業拡大を図ってゆく方針である。さらに、首都圏エリアにおいて割安な収益不動産を精査して購入し、効率的に改修工事を行うことで既存建物の付加価値を高めたバリューアップ物件の売却を併せて展開してゆく方針である。

同社では、2021年5月期の業績予想についてはコロナ禍の状況を勘案し物件取得を厳選したため、期初の予想を維持している。すなわち、売上高18,425百万円(前期比22.2%減)、営業利益1,555百万円(同1.2%増)、経常利益802百万円(同26.7%減)、当期純利益562百万円(同36.9%減)を予想している。直近までの実績や在庫に基づき、賃貸開発事業では増収を見込むものの、分譲開発事業とバリューアップ事業では減収を見込んでいる。コロナ禍による不動産業界への影響が懸念されており、業界内でも特にホテルや商業ビルを取り扱う会社は業績の落ち込みが大きいと見られるが、同社はレジデンスが事業の中心であり、影響は比較的小さいと考えられる。

同社の2021年5月期第2四半期累計決算では、売上高は通期予想の7割強に達し、各段階の利益は通期予想を上回るなど、こうした厳しい経営環境下にあっても好決算であった。同社では例年、期初は保守的な予想を立てていることから、最終的には期初予想を上回る決算となる可能性が大きいと弊社では見る。

2. 2022年5月期以降の業績見通し

同社が属する不動産業界では、マンション価格の上昇に伴う契約率低下、2020年からのコロナ禍に伴う郊外への居住増加傾向、2021年に延期された東京オリンピック・パラリンピック後の建設需要の落ち込みの影響等が懸念されるものの、一方では低水準で推移する住宅ローン金利が下支え要因として期待されている。業界の先行指標となる新設住宅着工戸数は、2018年度までの高水準からは減少し、加えて足元ではコロナ禍の影響を受けて落ち込んでいるが、コロナ禍が収束すれば長期的にはおおむね横ばいでの推移が見込まれている。足元では新型コロナウイルス感染症を避けて郊外の不動産を選択する動きもあるが、生活・社会インフラが整って利便性の高い都心部の魅力は大きく、コロナ禍の収束後は都心部の需要が郊外に比べて強いという、二極化の動きに回帰するだろう。

こうした経済環境のもと、同社では強みである創造デザイン力やプレゼンデザイン力を生かせる分譲開発物件の取得を進めるとともに、コストや建築期間等を抑制した賃貸開発物件に取り組むことで事業拡大を図っていく。また、割安な収益不動産を精査して購入し、効率的に改修工事を行うことで既存建物の付加価値を高めたバリューアップ物件の売却を併せて展開していく方針である。賃貸開発事業やバリューアップ事業では、今後はファンドが売却先に加わる予定であり、購買層がさらに広がる見通しである。同社では2022年5月期以降の業績に貢献すべく、駅近の好物件を積極的に仕入れ始めているようだ。

不動産業界内では、好調な会社と不調な会社の二極化が進行している。同社では都心部で駅から徒歩5分程度の好立地物件にターゲットを絞り、買い付けの意思決定を迅速に行うことで他社に先駆けて好物件の仕入れが可能になっている。また、今後は好立地の町工場が事業継承できずに売却に出されるとの見方もある。同社は、こうした物件の仕入力に、定評のある企画力・デザイン力を加えることで、事業環境が厳しさを増すなかでも、3事業がうまく補完し合うことで、2022年5月期以降も堅調な業績を維持できると弊社では考えている。

同社では現状、対外的に中期経営計画を発表していない。同社の事業規模では業績が振れる可能性が大きいため、計画を発表すると投資家をミスリードする可能性があるとの経営判断によるものである。ただ、会社としての経営方針を明確化し同社の投資家や従業員が同社の将来像を共有するためにも、中期経営計画の正式発表は有意義であると言える。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)

《EY》

提供:フィスコ

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