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ゲームや半導体、EV関連で過去最高の更新が目立つ(和島英樹)

特集
2021年1月31日 8時40分

「明日の好悪材料Next」~第36回

和島英樹和島英樹(Hideki Wajima)
株式ジャーナリスト
日本勧業角丸証券(現みずほ証券)入社。株式新聞社(現モーニングスター)記者を経て、2000年にラジオNIKKEIに入社。東証・記者クラブキャップ、解説委員などを歴任。現在、レギュラー出演している番組に、ラジオNIKKEI「マーケットプレス」、日経CNBC「デイリーフォーカス」毎週水曜日がある。日本テクニカルアナリスト協会評議委員。国際認定テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe)。

【今回チェックした「明日の好悪材料」記事一覧】

1月22日分

1月25日分

1月26日分

1月27日分

1月28日分

1月22日~28日は、3月期決算企業の第3四半期決算発表が本番を迎えてきた。ゲームのコーエーテクモホールディングス<3635>、半導体関連のディスコ<6146>が好決算を発表、今期増配へ。さらに次世代通信規格「5G」関連やシステムインテグレーター、EV(電気自動車)関連企業が好調だった。また東芝<6502>が3年半ぶりの東証1部復帰を決めている。

1月22日分 東芝<6502> ~ ☆テクニカル・チェック銘柄

■好悪材料~東証が29日付で市場1部に指定する

総合電機の大手。2006年に米原発大手のウェスチングハウス(WH)を買収し世界大手に。WHは15年に不正会計が発覚し、原発建設の費用超過問題などで経営破綻。東芝も巨額債務超過に。人員削減や事業売却のなどのリストラで財務体質が改善傾向。インフラ系事業で再建を図る。

東京証券取引所は22日、市場2部に上場する同社株式を29日付で1部市場に指定すると発表。2017年にWHでの巨額損失で債務超過に転落し、同年8月に2部に「降格」して以来、約3年半ぶりの1部復帰となる。同社では資本増強や半導体子会社(現キオクシア)株式の売却などで再建を進め、20年4月に1部上場を申請していた。

1月末に市場1部に指定されたことで2月末にTOPIX(東証株価指数)に算入されることになる。市場ではTOPIX連動の投資信託やETF(上場投資信託)などパッシブ(指数連動型)資産への組み入れ金額が980億円前後と推計している。株式市場では上場を延期したキオクシアのIPO(株式新規上場)時期などに関心が集まっている。

業績は、今21年3月期の売上高は3兆900億円(前期比8.8%減)、営業利益は1100億円(同15.7%減)の見通し。なお、第3四半期の決算発表は2月12日が予定されている。

■東芝の月足チャートのボリンジャーバンド(2011年2月末~)

【タイトル】

注:出来高・売買代金の棒グラフの色は当該株価が前期間の株価に比べプラスの時は「赤」、マイナスは「青」、同値は「グレー」

株式チャートをチェックすると、相場の勢いを示すテクニカル指標で、ティピカルプライス(高値・安値・終値の平均値=TP)の移動平均線とプラス・マイナスの1σ(シグマ)~3σで構成されるボリンジャーバンドでは、+2σ(シグマ)、+3σが下向きになる一方、-2σ、-3σが上向きとなっている。

先行きのバンドが狭まることを示唆する「スクイーズ」というとよばれる現象で、ボラティリティ(株価の予想変動率)の低下が想定される。+2σが上値の抵抗ラインとなるかが当面のポイントとなる。

また、中期的には12カ月移動平均線が上向きに転換なるかも注目したい。下向きである限りは株価の方向性は下向きであり、1部指定での株価急伸が一時的なものにとどまる可能性も残している。新規の買いは上向き転換を確認してからでも遅くはないと判断される。

1月25日分 コーエーテクモホールディングス<3635>

■好悪材料~今期経常を32%上方修正・最高益更新予想を上乗せ、配当も28.5円増額

ゲームソフトのコーエーとテクモが2009年に統合。コーエーは「信長の野望」など歴史ものが得意で、テクモは格闘ゲーム「デッド・オア・アライブ」などが主力。オンラインゲームなど海外を強化中。

2021年3月期の第3四半期(20年4~12月)累計の売上高は439億4900万円(前年同期比64.7%増)、営業利益193億6700万円(同3.0倍)となった。売上高と各利益項目は、第3四半期累計としては過去最高を記録した

業績向上の要因は、9月に国内で配信を開始したスマホゲーム「三国志 覇道」が好調に推移したほか、IP(知的財産権)を許可し中国で配信中の「三国志・戦略版」のロイヤリティ収入が高水準となった。

また20年11月には、任天堂<7974>のニンテンドースイッチ向けに「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」を発売、12月までの累計出荷本数が350万本を突破した。

同作品は任天堂の「ゼルダ無双 厄災の黙示録」の世界観を継承し、「無双」シリーズとして1タイトルで最高の出荷本数になったという。

想定以上の業績で通期業績を上方修正。売上高は前回予想を50億円上回る560億円(前期比31.3%増)、営業利益も同50億円上乗せ220億円(同56.0%増)、1株利益196.6円を計画している。期末一括配当は前回予想を28円50銭上回る年100円(前期比39円増配)とする。

■『株探』プレミアムで確認できるコーエーテクモの四半期決算の成長性推移

【タイトル】

1月26日分 ディスコ<6146>

■好悪材料~非開示だった今期経常は22%増益、未定だった配当は114円増配。

半導体ウエハーを「削る」(グラインダ)、研削(バックグラインド)、チップを切り出す(ダイシングソー)装置で世界トップ。

21年3月期の第3四半期(20年4~12月)累計の業績を発表、売上高は1276億900万円(前年同期比24.7%増)、営業利益366億7300万円(同42.9%増)となった。

2桁の増収増益の要因に、次世代通信規格「5G」市場の拡大に伴い、アジア地域において半導体量産用途を中心に、精密加工装置であるダイシングソー、グラインダともに高水準の出荷が続いたことを挙げている。また消耗品である精密加工ツール(チップ切断に使う替え刃など)の出荷も、堅調に推移したとしている。

非開示だった通期の売上高は1713億円(前期比21.4%増)、営業利益474億円(同30.0%増)、1株利益932.4円となる見通し。未定だった期末配当は前期比89円増配の436円、年間配当は同114円増配の552円とする方針。

■『株探』プレミアムで確認できるディスコの業績修正履歴

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次ページほか2銘柄、そして和島・独自注目の好悪材料は

 

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