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サムティ・レジデンシャル投資法人 株価材料ニュース

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サムティ Research Memo(1):2023年11月期は大幅な増収増益により過去最高益を更新(純利益を除く)

特集
2024年3月18日 13時21分

■要約

1. 会社概要

サムティ<3244>は、関西圏及び首都圏のみならず、全国主要都市に展開している総合不動産会社である。「不動産開発事業」(賃貸マンション※1やホテルの開発及び販売など)と「不動産賃貸事業」(賃貸マンションの保有など)のほか、「ホテル賃貸・運営事業」なども手掛けており、成長と安定のバランスの取れた事業構成や一気通貫型のビジネスモデルに特長がある。また、2015年にはJ-REIT事業※2へ進出し、さらなる事業拡大に向けて体制を整えると、ここ数年は展開エリアの拡大と積極投資により高い成長を続けてきた。

※1 本レポートで使用している「賃貸マンション」と「レジデンス」の文言は同義である。

※2 2015年3月に設立したサムティ・レジデンシャル投資法人<3459>(以下、SRR)を東証J-REITに上場させた。また、2021年11月にはホテル特化型REITであるサムティ・ジャパンホテル投資法人を設立し、上場準備を進めている。

2021年1月に公表した中期経営計画「サムティ強靭化計画(アフターコロナ版)」(以下、中期経営計画(アフターコロナ版))では、今後の環境変化を勘案し、「資産保有型」ビジネスへの転換や海外事業の強化、長期的視野でのホテル事業の取り組みにより持続的な成長を目指している。インフレ進行や日銀による金融政策変更に対する思惑など、外部環境には不透明感があるものの、景気変動の影響を受けにくい賃貸マンションは堅調に推移し、今後に向けた戦略的投資(開発用地や収益不動産の取得)もハイペースで進捗している。また、ベトナムでの分譲住宅事業が好調であることに加え、ここ数年新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響を受けてきたホテル賃貸・運営事業もインバウンドの回復とともに好転しており、業績面、戦略面ともに順調に進捗している。

2024年1月24日付けでグループガバナンスの強化、迅速な意思決定による機動力の向上、グループ経営の効率化、次世代経営者の育成を目的として、持ち株会社体制への移行を決議した(効力発生日は2024年6月3日)。また、決算期(事業年度の末日)についても、国際基準に合わせ業務の効率化を図るため、現在の11月30日から12月31日へと変更した。

2. 2023年11月期の業績概要

2023年11月期の業績は、売上高が前期比54.6%増の198,660百万円、営業利益が同38.7%増の19,533百万円、経常利益が同9.8%増の15,854百万円、親会社株主に帰属する当期純利益(以下、純利益)が同5.2%減の10,306百万円と大幅な増収増益となり、過去最高益(純利益を除く)を更新した。売上高は、積極的な物件販売により「不動産開発事業」及び「不動産ソリューション事業」が伸びたほか、「海外事業」の拡大、「ホテル賃貸・運営事業」の好転などが増収に大きく寄与した。また、「インカムゲイン」(売上高ベース)についても、「ホテル賃貸・運営事業」の回復などで順調に伸長した。利益面でも、「不動産開発事業」「不動産ソリューション事業」「海外事業」の伸びにより大幅な営業増益を実現した。ここ数年コロナ禍の影響を受けてきた「ホテル賃貸・運営事業」についても、稼働率や客室単価の上昇などにより損益改善が進んでいる。グループ資産拡大に向けた戦略的投資はハイペースで進捗しており、開発パイプラインも順調に積み上がった。

3. 2024年12月期の業績予想

決算期が変更となる2024年12月期の業績予想について同社は、売上高を前期比3.2%増の205,000百万円、営業利益を同7.5%増の21,000百万円、経常利益を同12.3%減の13,900百万円、純利益を同10.6%増の11,400百万円と見込んでいる。売上高は、収益不動産の販売を通じた「不動産ソリューション事業」の伸びや、国内観光・インバンド需要のさらなる回復に伴う「ホテル賃貸・運営事業」の拡大などが業績の伸びをけん引する見通しである。利益面でも、「ホテル賃貸・運営事業」の大幅な損益改善(黒字化)などを見込んでいる。

4. 中期経営計画「サムティ強靭化計画(アフターコロナ版)」の概略

2021年1月に公表した5ヶ年の中期経営計画(アフターコロナ版)では、(1) 「資産保有型」ビジネスへの転換(インカムゲインの拡大)、(2) ホテルREIT設立に向けた取り組み、(3) 地方大都市圏における戦略的投資、(4) 海外事業での収益基盤の構築を基本方針に掲げており、5年間の投資計画は約7,500億円、最終年度(2025年12月期)の業績目標として売上高2,200億円水準、営業利益350億円以上、ROE15%水準、ROA7%水準、自己資本比率30%以上を目指している。特に、グループ資産(REITを含む)を1兆円規模にまで拡大するとともに、営業利益の50%をインカムゲイン(賃貸収入等)、15%を海外事業で構成する収益構造への転換を図る。

■Key Points

・2023年11月期は積極的な物件販売に加え、海外事業の拡大やホテル事業の好転により、大幅な増収増益を実現し、過去最高益(純利益を除く)を更新

・グループ資産拡大に向けた戦略的投資もハイパースで進捗

・2024年12月期もホテル事業の大幅な増益・黒字化などを見込む

・中期経営計画(アフターコロナ版)では、「資産保有型」ビジネスへの転換(インカムゲインの拡大)や海外事業の強化、長期的視野でのホテル事業の取り組みにより持続的な成長を目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)

《HH》

提供:フィスコ

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