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TKP Research Memo(7):TKP本体による新ブランドを立ち上げ、サテライトオフィス事業へ本格参入

特集
2021年5月12日 15時07分

■主な活動実績

1. 新型コロナウイルス感染症拡大における出店方針と主な実績

コロナ禍をきっかけとしたオフィス環境の変化はティーケーピー<3479>にとって追い風となるとの認識のもと、当面の新規出店についてはリージャス中心、またはTKP本体との共同出店に注力している。特に、ビル1棟型の「SPACES」を新たに展開する場合は、一部をTKP貸会議室とすることで損益分岐点に達するまでの期間を短縮することができる。2020年10月に「SPACES新宿」、2021年3月に「SPACES赤坂」(TKP会議室は2021年1月に先行オープン)をオープンすると、2021年9月には「SAPCES六本木」をオープン予定である。また、コロナ禍の下、TKP本体の単独出店は一旦抑制(現在は再開方針)したうえで、提携による他社施設の活用により初期費用をかけずにスペースの拡大を図る戦略にも取り組んでおり、前述したエスクリとの共同出店(「CIRQ」ブランド)もその一環として捉えることができる。

2. 新ブランド「Work X Office」の立ち上げ

2021年3月には、コロナ禍をきっかけに需要が拡大してきたサテライトオフィスへの対応を強化するため、TKP本体による新ブランド「Work X Office」を立ち上げた。カスタムメイドなオフィス空間にDX※1の要素を組み合わせて提供することをコンセプトとし、現在のオフィス賃料市場(年間約30兆円※2)に内在するフレキシブルオフィスの潜在需要を取り込むところに狙いがある。既にTKP本体が契約している約14.2万坪のスペースを活用できるところに優位性(追加的な仕入れコストがかからない)があり、十分なコロナ対策はもちろん、圧倒的な拠点数や手続きの利便性(イージーオーダー型)などで差別化を図る戦略である。機動的に事業を展開するため、大手オフィス商品レンタルの(株)レンタルバスターズとの業務提携も締結した。また、「Regus」等との間では、施設規模や料金体系(グレード)、利用目的などで棲み分けができており、グループ一体となったフルライン体制により、幅広い需要を網羅できるうえ、組み合わせによる付加価値※3を提供できるところも強みと言える。同社法人営業部による既存大手顧客へのアプローチを通じて、既に5億円以上の受注を獲得しているほか、ブランド認知の高い「Regus」への問い合わせの中から、利用目的や条件に応じて「Work X Office」へ送客する流れにも期待ができる。既存スペースのうち、まずは都内1.7万坪を転換(需要に応じてさらに増加)する計画のようだ。なお、2021年4月にヨドバシ新宿西口駅前ビル内にオープンした施設(TKP新宿西口カンファレンスセンター)は、貸会議室と貸オフィス、配信スタジオを備えており、同社ではこのような「Work X Office」を順次オープンする予定である。

※1 DX=デジタルトランスフォーメーションは、企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること(経済産業省のガイドラインより)。

※2 各種資料により同社が推計したもの。

※3 例えば、1)全国の「Regus」をいつでも利用できるメンバーシップ制度の利用や、2)ハイグレードな「Regus」を本社機能とする一方、「Work X Office」をデイオフィスとして機動的に活用するなど、多様化する働き方に合わせたアラカルト対応が可能となる。

3. アライアンスによるDXサービスの拡充

「Work X Office」の展開にあたり、アライアンスによるDXサービスの強化にも取り組んでいる。2021年4月には、バックオフィスの様々なデータを連携し、経理や人事労務の業務を効率化するクラウドサービスを展開するマネーフォワード<3994>や、売掛債権保証や与信調査のサブスクリプションサービスを展開するイー・ギャランティ<8771>と業務提携を発表している。「Work X Office」及び「Regus」の顧客に両社のロイヤリティプログラム(一定期間無料で利用可能)を提供するとともに、両社の顧客に対しては、同社グループの施設を特別価格で提供する内容となっている。今後もアライアンスを推進し、サービス価値の向上を目指す方針である。

4. 新株予約権の発行による成長資金の確保

2021年2月に今後の事業拡大に向けた資金確保を目的として、第三者割当(引受先は大和証券(株))による行使価額修正条項付き新株予約権を発行した。特徴的なのは、今後のコロナ禍の状況等を見ながら機動的な対応ができるように2本建て(第7回、第8回)の発行※となっているところである。実際の調達金額は行使価額の修正や行使比率の状況によって変動するが、発行時点での想定調達金額は合計約200億円(発行株数は最大7,948,600株)を見込んでいる。資金使途は、1)フレキシブルオフィスの新規出店及び期間貸し事業の展開に関わる費用、2)財務基盤強化を目的とした有利子負債の返済、3)M&A及び資本業務提携に関わる費用となっており、今後の利益成長につながる資金調達であるところがポイントと言える。

※行使期限はいずれも2024年2月5日(約3年間)。第7回については行使停止要請通知(同社から新株予約権を行使できない期間を指定することができる)、第8回については行使可能通知(同社の許可なく新株予約権を行使することができない)の付帯条項がついており、いずれにしても状況に応じて同社が行使を制限することができる内容となっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)

《YM》

提供:フィスコ

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