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ネットイヤー Research Memo(3):18/3期は子会社株式売却益計上で最終利益は黒字転換

特集
2018年6月21日 15時26分

■業績動向

1. 2018年3月期の業績概要

ネットイヤーグループ<3622>の2018年3月期の連結業績は、売上高が前期比4.8%増の6,189百万円、営業損失が51百万円(前期は206百万円の損失)、経常損失が53百万円(同209百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益が312百万円(同297百万円の損失)となり、売上高は3期ぶりに増収となった。また、営業利益は2期連続で損失計上したものの、損失額は縮小し、最終利益に関しては子会社売却益413百万円の計上により2期ぶりに黒字転換した。

売上高の増収要因は、前期(2017年3月期)が不採算プロジェクトの収束に追われ低水準だったこともあるが、企業のデジタルマーケティング領域における投資が活発で、ソーシャルメディアやオウンドメディアの制作、MAツールの導入支援などの引き合いが旺盛だったこと、子会社のトライバルメディアハウスでSNSを活用したプロモーション等の大型案件を受注したことなどが増収要因となった。

単独ベースでは、同社最大の大型開発案件を計上した2015年3月期の5,772百万円をピークに減少傾向が続いていたが、2018年3月期は前期比で4.1%増の4,111百万円と増収に転じ、減少傾向にようやく歯止めが掛かったと言える。また、子会社のトライバルメディアハウスの売上高は、大型案件の寄与で同30%増収の約20億円に拡大した。なお、rakumoを2017年8月末に売却したことにより約2億円の減収要因となっている。

営業利益については損失計上となったものの、前期比では154百万円の改善となった。主な増減要因を見ると、増益要因としては売上高の増収効果で96百万円、プロジェクトの収益性改善効果で98百万円、新事業中止に伴う費用減で50百万円、人材採用の減少で24百万円、のれん償却費の減少で11百万円等となっている。このうち、新事業とは2015年に販売を開始した小売店舗向けアプリサービス「ぽぷろう」のことで、プラットフォーム側のガイドライン変更により、2018年1月にサービスを中止することとなった。売上実績としてはまだ小さかったため、影響は軽微だった。

一方、減益要因としては2017年3月期から継続していた不採算プロジェクトに関して、想定よりも損失額が拡大してことで34百万円、新規プロジェクトにおいて2件の不採算プロジェクトが発生したことによる受注損失引当金で60百万円、本社の増床を行ったことによる賃借料の増加で42百万円となっている。なお、新規に発生した不採算プロジェクトのうち、1件については既に終了しており、もう1件については2018年7月に検収予定となっており、追加費用が発生する可能性はほとんどないと見られる。

また、会社計画対比ではトライバルメディアハウスの大型受注案件の寄与により、売上高で189百万円の上振れとなり、営業利益に関してはトライバルメディアハウスの利益増があったものの、前期から継続していた不採算プロジェクトの費用増並びに新たな不採算プロジェクトの発生が下振れ要因となった。なお、トライバルメディアハウスの営業利益は約1億円と前期比1.5倍増になったと見られる。

子会社売却により、今後の投資資金を確保

2. 財務状況と経営指標

2018年3月期末の財務状況を見ると、総資産は前期末比30百万円増加の3,203百万円となった。主な増減要因を見ると、流動資産では仕掛品が98百万円減少したものの、子会社売却等により現預金が237百万円増加した。また、固定資産では子会社の売却に伴いソフトウェアが91百万円、のれんが22百万円減少した。

負債合計は前期末比263百万円減少の1,141百万円となった。主に有利子負債が160百万円減少したほか、前受収益が80百万円、受注損失引当金が50百万円それぞれ減少した。また、純資産合計は前期末比294百万円増加の2,062百万円となった。配当金の支払22百万円があったが、親会社株主に帰属する当期純利益312百万円を計上したことによる。

経営指標を見ると、子会社売却資金を獲得したことにより自己資本比率が前期末の55.0%から63.5%に回復したほか、有利子負債比率も17.9%から7.5%に低下するなど財務体質の改善が進んだと言える。今後は獲得した資金でデジタルマーケティング支援の収益力回復に向け、人材のスキルアップ等による付加価値強化、並びにマーケティング強化のための費用に充当していく予定になっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《TN》

提供:フィスコ

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