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システムインテ Research Memo(6):2019年2月期はEC・オムニチャネル事業と「OBPM」がけん引

特集
2018年11月14日 15時16分

■今後の見通し

2. 事業セグメント別見通し

(1) Object Browser事業

システムインテグレータ<3826>のObject Browser事業は売上高で前期比12.9%増の710百万円、営業利益も同10%前後の増益を見込んでいる。「SI Object Browser」シリーズについては微増収にとどまるが、「OBPM」が下期も好調を持続し2ケタ増収となる見通し。前期に採用した営業スタッフの戦力化により、契約件数の伸びが続く。

(2) EC・オムニチャネル事業

EC・オムニチャネル事業は売上高で前期比7.3%増、営業利益は広告費増加や教育投資の影響により横ばい水準を見込んでいる。第2四半期に一部大型案件が前倒しで売上計上されたため、下期の売上は伸び悩むものの通期では2期連続で増収となる見通しだ。特に、大型案件についてはコンスタントに受注を獲得できている模様で、2020年2月期以降は増収ペースが加速するものと予想される。

(3) ERP事業

ERP事業は売上高で前期比3.8%増、営業利益は横ばい水準を見込んでいる。EC・オムニチャネル事業と同様に第2四半期に一部大型案件が前倒しで売上計上されたほか、2019年6月に主要製品のバージョンアップを予定していることもあり、下期は一時的に伸び悩むものと予想される。ただ、引き合いは選別受注をするくらい旺盛で、2020年2月期以降は高成長が見込まれる。需要の増加に対応するため、開発要員の増員や外部協力企業の育成・開拓等も引き続き強化している(外注比率は直近で5割程度)。

(4) その他

新規事業については、「TOPSIC」で10百万円の売上高を見込んでいる。ただ、利益面ではAIサービスの開発投資が先行するため、損失が継続する見通し。「TOPSIC」については第3四半期に入って、新たに300人規模のエンジニアを抱える中堅企業や1,000人規模を抱える大手企業への導入も決定している。クラウドサービスによるストック型収益モデルとなるため、売上高も今後右肩上がりに成長していくものと予想される。

同社では認知度向上による一段の成長を図るため、2018年11月に「TOPSIC」を用いたプログラミングコンテスト「PG Battle」を開催する。コンテストは3人1チーム制でアルゴリズム力やプログラミング力を競うというもの。インターネット経由でオンライン参加でき、また、日本語と英語モードがあるため、外国人も参加できる。企業の部と学生の部に分けられ、それぞれ上位入賞チームにAmazonギフト券が贈呈される。11月9日現在で約200チームの申し込みがあり、当初目標としていた100チームを大幅に上回り、盛り上がりを見せている。同コンテストを通じて認知度を上げ、契約件数の獲得につなげていきたい考えだ。

当面は企業向けの導入拡大に注力していく方針だが、将来的には学校の教育用途での需要開拓も視野に入れている。2020年度から小学校でもプログラミング教育が必修化されるなど、プログラミング教育への関心が高まっているためだ。実際、立教池袋中学校・高等学校で導入されている。同社では2019年2月期以降3年間で約400百万円の販売を目標としており、早ければ2020年2月期より収益貢献が期待される。

なお、プログラミングスキル判定サービスの競合としては、2年程度早く開始した(株)ギブリーの「Track」というサービスがある。同社サービスとの違いは、カバーする範囲が上流の設計分野からプログラミング分野まで広範囲にわたり、サービス料金も割高となっている点が挙げられる(基本料金で年間60万円と同社比2倍)。このため、プログラミングスキルに特化したサービスとしては、価格面で優位性があると言える。

既存事業の成長により2020年2月期以降は2ケタ増収増益を目指す

3. 中期経営計画

同社は2018年4月に、2021年2月期までの中期経営計画「Break 2018」を発表している。ソフトウェアの力で世界中の人々を幸せにしたいというポリシーのもと、「時間を与えるソフトウェアを創り続ける」ことを経営ミッションに掲げており、10年後には国内のみならず、世界で幅広く利用されるソフトウェアを創出していくことを目標としている。当中期経営計画の3年間では、その目標を実現するための事業基盤を構築していく期間と位置付けており、基本方針として以下の5つの施策を重点的に取り組んでいく。

(1) 既存事業のシェア拡大

現在の主要3事業のうち、EC・オムニチャネル事業では、「SI Web Shopping」をコアシステムとして、ECを取り巻く各種サービスとの連携によるECエコシステム戦略によって、シェアの拡大を図っていく。ERP事業では、アドオンモジュール製品の機能強化を実施するほか、RPAツール等も活用した新たな付加価値提案を行うことで、製造業や建設工事業をメインターゲットとしてシェア拡大を図っていく。また、Object Browser事業では、「SI Object Browser」シリーズを安定収益源として、「OBPM」のIT業界でのシェア拡大並びに製造業など他業種での需要掘り起こしを進めていくほか、「OBDZ」と「AISI∀-DR」の連携による販売強化により更なる成長を目指していく。

(2) 海外拠点の確立

ERP事業における開発力増強を図るため、海外人材の活用を積極的に進めていく方針となっている。2017年からベトナムのダナン国立大学との連携などにより、ベトナム人社員の採用を開始しており(2名/年)、これら社員を国内で育成しつつ、ベトナム現地企業とのパートナーシップ開拓を行い、早ければ2019年にもベトナムにオフショア開発拠点を開設する計画となっている。

また、製品の多言語化と販売ルート開拓に向けて、新規事業部を組織化し海外での販売にも再チャレンジしていく。同社は中国市場での「OBPM」の販売拡大を目指し、複数の現地企業とパートナー契約を締結したが、目立った成果が得られず、海外販売への取組みは休止している状況だが、収益力が回復してきたことから、再度、中国市場の開拓に向けパートナー企業の探索や事業拠点開設を進めていく方針だ。

(3) AI事業の確立

2017年からAI研究とAIサービスの開発に着手し、前述したとおり3つのサービスを今後展開していく予定になっている。当中期経営計画の中にはこれら新サービスの売上を織り込んでいないが、将来的には新たな収益柱に育つ可能性が高く、今後の展開が注目される。

(4) 社員のスキル向上

同社では「社員全員が一流の技術者」であることを社是として掲げており、この方針のもと各種教育、スキル向上のための教育投資を今まで以上に拡充していく計画で、新サービスとなる「TOPSIC」も社員のプログラミング力向上のために社内で活用されている。

(5) 国内TOPの合理化企業

RPAの活用による業務効率の向上や、各種システムツールによる情報活用等により、国内TOP水準の「合理化企業」を目指していく。また、ERPやRPAツールの活用など自社をモデル企業化して、合理化のノウハウをユーザーに提供していくことで受注拡大を目指して行く。

なお、中期経営計画の経営数値目標としては、2021年2月期に売上高で5,300百万円、経常利益で684百万円を掲げており、2020年2月期以降は2ケタ台の増収増益を目指していく。2019年2月期は製品開発投資等の戦略投資で430百万円を投下するが、2020年2月期はこれら投資額が250百万円前後に減少する見込みで増益要因となる。なお、事業セグメント別では、全ての事業セグメントで成長を見込むが、EC・オムニチャネル事業やERP事業の成長率が大きいため、2020年2月期までは利益率が低下する前提となっている。ERP事業の利益率は現状9.1%と他の事業と比較して低くなっているが、中期的には10%超まで引き上げていくことを目標としている。また、当期純利益に関してみれば、調停成立によって繰越欠損金が2019年2月期末時点で約6億円程度残る見込みであることから、2020年2月期においても税負担の大幅軽減が見込まれる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《HN》

提供:フィスコ

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