JIG-SAW---23年12月期増収・2ケタ増益、上場以来36四半期連続で過去最高の月額課金売上のプラス成長を達成
JIG-SAW<3914>は5日、2023年12月期連結決算を発表した。売上高が前期比6.2%増の32.40億円、営業利益が同7.8%増の6.25億円、経常利益が同10.1%増の6.45億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同12.6%増の4.59億円となった。
同社のクラウド・IoT分野全体を包括するデータコントロール事業の売上は、安定した完全ストック型ビジネスの継続課金売上と一時的なスポット売上で構成されている。当年度も、月額課金案件の受注獲得を推し進め、前年同期比で月額課金売上は1.95億円純増した。これにより、上場以来36四半期連続で過去最高の月額課金売上のプラス成長となり、極めて堅調に推移している。なお、先行投資は、過去最高額の投資を継続して実施しており、政府主導の観光支援関係の大型案件が終了したものの、営業利益、経常利益は堅調な増加となった。
昨今、IoT市場では、製造機器のサブスクリプションといえるEaaS(Equipment as a service)が注目を集め、大量生産・大量出荷型モデルからの転換が起こり始めている。同社は、来るべきデジタルユニバース時代における中心の1社に位置することを目指し、IoTエンジン「NEQTO」関連技術をベースに、ライセンス及びOEM提供と普及を進めており、MLB(米国メジャーリーグベースボール)チームであるサンディエゴ・パドレスの本拠地であるペトコ・パーク(PETCO Park)への同社技術の正式導入等、多様な取り組みが実施されている。加えて、サービスの迅速な市場投入への機会を得るべく、IoTの世界標準化規格を管理運営する米国のConnectivity Standard Allianceに加盟し、それにより、最新のIoTコネクティビリティソリューションの提供とスマート化された効率的な製品・サービスの提供が可能となった。また、金融業界におけるデータコントロールサービスの需要の高まりを背景に、データコントロールサービスをグローバルに展開すべく、SBIグループ(SBIセキュリティ・ソリューションズ)と合弁会社の設立について最終契約締結に至った。さらに、東日本電信電話と業務提携し、スマートホームの世界標準規格「Matter」に対応したスマートホーム向けのゲートウェイ及びソフトウエアサービスの領域について共同サービス提供に向けた開発を開始し、両社による商用提供を目指していくとしている。
その他、クラウド市場や企業ニーズの拡大に対応すべく、AWSマネージドサービスプロバイダープログラム認定を取得し、各種クラウドを包括管理する「JIG-SAW PRIME」では、取引総額が10.88億円(前年同期比60.9%増)拡大した。
一方、今後の高い事業成長を実現すべく、同社の将来に向けた先行投資額は過去最高を更新し、前年同期比で約1.58億円増加となった。
2024年12月期の連結業績予想について、ストック型ビジネスの堅調な推移により現時点において過去最高の売上高が見込まれる状況だが、国内だけにとどまらないデータコントロール事業の業容拡大やグローバルIoTビジネスの大きな成長及び自動運転ソフトウエアの商用化等への事業投資に加え、SBIグループとの合弁企業設立による欧米・アジア全域に対するビジネス拡大やNTT東日本とのホームIoT分野での業務提携に関する不確定な要素が多く、適正かつ合理的な業績予想の策定が困難であるため、業績予想を記載していない。
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株探ニュース