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ITエンジニア出身の億り人がガチホのDX銘柄、鍵は「特化」と「他力本願」

特集
2026年5月1日 11時32分

気になる会社を診断
億トレ・ガチホ企業~インフォマートの強さと課題-第1回

登場する銘柄
インフォMT<2492>、ラクス<3923>、Sansan<4443>、フリー<4478>、マネフォ<3994>

取材・文/真弓重孝、高山英聖

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■インフォマートってどんな会社?

項目内容
注目2桁成長・過去最高更新モードが持続
中核事業請求処理ソフト、受発注から請求までの効率化ソフトの2本柱
億トレの期待受発注ソフトの参入障壁と潜在性

特需の発生だ――。2023年秋のインボイス(適格請求書)制度開始を契機に、業績を伸ばしたDX支援銘柄の1つがインフォマート<2492>だ。

同社が今年4月30日に発表した26年12月期1Q(第1四半期)決算は、売上高が前年同期比+13.9%、最終利益は同2倍。経常利益の進捗率は実績5期および3期平均を下回ったが、前期4Qの減益から増益に転じている。

そのインフォMTを「ガチホ」しているのが、ITエンジニア歴25年の専業投資家、志水雅己さん(仮名)。DXなど先端技術にかかわる銘柄への長期投資で、資産を拡大してきた億り人だ(参考記事)。

志水さんが同社のグレートグロースを期待して買い出動したのは、約1年前の25年春。ただ、本人が同社に期待するのは、特需で盛り上がった請求書システムの事業ではない。

インフォマートが成長ドライバーと位置づけるもう1つの事業だ。その特徴とはどのようなものなのか。果たして、思惑通りに業績を牽引していくのか。

同社・木村慎社長へのインタビューを基に2回シリーズで同社の成長戦略とその課題について見ていく。1回目は、インフォマートの事業基盤の強みについてフォーカスする。

■インフォマートの概要

基本項目株価関連
事業内容システム・ソフト時価総額1153億円
東証33業種サービス流通株比率/流通時価総額61.0%562億円
会社設立日(登記)1998/02/13海外売上高/外国人持ち株――48.4%
上場日2006/08/0852週高値/期日490円2026/04/08
上場区分東証プライム52週安値/期日298円2025/11/04
連結子会社/うち上場2社――上場来高値/期日1318円2021/11/08
連結持分適用/うち上場――――上場来安値/期日14円2008/10/28
業績関連株主還元・株価水準
過去最高売上高/決算期188億円2025/12総還元性向/配当性向64.0%64.1%
過去最高経常益/決算期28億円2025/12株主優待
5期平均ROE/ROA6.6%5.2%75日平均250日平均
今期計画5期平均PBR7.9倍7.8倍
増収率13.5%16.5%予想PER41.4倍53.4倍
経常増益率70.5%14.2%予想配当利回り1.4%1.2%
売上高経常利益率22.6%8.9%予想PSR5.2倍4.7倍
5期平均進捗率(1Q、2Q累計、3Q累計)過去1000日最高値(日付)最低値(日付)
売上高23%/47%/73%PBR(倍)14.5(22/04/05)3.9(26/04/30)
経常利益28%/57%/93%PER(倍)649.9(23/02/14)26.2(26/02/25)
当期純利益34%/67%/113%配当利回り(%)1.8(23/02/14)0.0(26/02/25)
EBITDA26%/52%/81%PSR(倍)15.0(23/02/14)2.9(26/02/25)

出所:『株探』『QUICK』。注:4月30日時点。5期平均は前期までの実績ベースで、同一決算基準で計算。
平均進捗率は単純平均で決算基準の変更は考慮せず。売上高経常利益率は加重平均。業績の過去最高は現在の決算基準。
ROAとROEは期間の合計利益を、期間中の平均資産で割って算出(加重平均)。
流通時価総額は算出基準日を基に計算した値。海外売上高および外国人持ち株の比率は原則、有報で取得できた時点。
総還元性向と配当性向は前期実績。予想PERと予想配当利回りはQUICKの値から計算。
PBRは株価純資産倍率、PERは株価収益率、PSRは株価売上高倍率の略

130万社の請求書を処理

インフォマート<2492>は、2つの事業を手掛ける。

1つは、請求書や見積書の作成そして送付など、企業活動で生じるさまざまな事務作業をデジタル化する事業だ。同社のセグメントではBtoBプラットフォーム ES(エンタープライズ・ソリューション)事業と呼び、全体売上高の約3分の1を占める。

ES事業の柱は、電子請求書関連。事業を開始したのは2015年と、インボイス特需が発生する以前から取り組んでいる。現在の利用社数は約130万社となり、その数は「業界最大級」と木村社長は言う。

■インフォマートの木村慎社長

【タイトル】

略歴:1976年生まれ。菱食(現在は三菱食品)などを経て、2007年4月にインフォマート入社。
経営企画本部、事業推進・戦略営業部門などを経て、26年1月に社長に就任(現任)。

主力はフード業界DX、シェアは3割に

2本柱のもう1つが、フード業界に特化した事業。事業セグメントではBtoBプラットフォーム Food(フード)事業と呼び、全体売上高の約3分の2を占める。

先のES事業は全業種を対象としているのに対して、フード事業はその名の通り、飲食や食材卸が主要顧客となる。

同社のシステムでは、業界内で日々発生する受発注処理を中核とし、さらに商品受領後に発生する請求書の作成と送付を一気通貫で提供する。受発注システムの顧客を発注と受注に分けて見ると、発注側は外食、ホテル、給食業者など、一方の受注側は食品卸などになる。

同社が提供するフード業界向けのシステムでの25年の流通総額は3兆円弱。木村社長は「外食産業で流通する食材の約3割が、当社システム経由で取引されている」と推定する。

フード事業は同社の祖業。1998年に設立したインフォマートは、レストランと食品会社を結びつけるマッチングサービスから事業を開始した。レストランにとっては食材の新規調達先の発見、食品会社にとっては販売先の新規開拓につながるサービスになる。

その後、顧客であるレストランや食品会社の業務効率を高めるIT機能を開発し、事業領域を拡大したのが現在のフード事業になる。

■インフォマートの事業別の売上高構成、各事業の概要

【タイトル】

出所:IR資料。注:売上高構成は2025年12月期時点。

足元の業績は過去最高更新が続く

下の表にあるようにインフォマートの長期業績推移を見ると、直近では23年12月期から利益急増モードに入り、前期(25年12月期)は売上高・利益とも過去最高を更新。今期も引き続き更新を計画する。

その理由は、2つの事業がいずれも定額課金のサブスク方式を採用していることがある。固定費の割合が高い収支構造のため、収益が損益分岐点を超えるとトップライン(売上高)以上にボトムライン(利益)の伸びが高くなっていく。

足元の増益モードのスタートは23年12月期。コロナ禍の収束に伴う外食産業の回復に加え、インボイス制度の導入をきっかけに請求書システムの利用が幅広い業種で増加した。

加えて25年は、固定費の中でも割合が大きいサーバー費用が、クラウドへの移行で減少したことも貢献している。

■『株探プレミアム』で確認できるインフォマートの通期業績の長期・成長性推移

【タイトル】

成長ドライバーは、「第二、第三のフード」

投資家の関心は、過去最高の更新が今後も続くのかだ。

そのキーワードが"フード事業のコピー版"。木村社長は食品業界への浸透が成功した受発注システムを、他の業界に広げていくとする。

木村社長が、業界に特化した受発注システムにこだわるのはなぜか。

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※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。

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