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GTS Research Memo(3):バイオ医薬品の市場規模は年率8%で成長、2021年に3千億ドルに達する見通し

特集
2018年8月10日 15時03分

■ジーンテクノサイエンス<4584>の会社概要

3. バイオ医薬品の市場規模

バイオ医薬品の市場については、年々拡大傾向が続いており、2016年は世界の医薬品市場約8,030億ドルのうち25%を占める約2,020億ドルを占めるまでになっている。今後も医薬品市場全体は年率5%成長で拡大が続くが、うち、バイオ医薬品については8%成長と高成長が見込まれており、2021年には約3,020億ドルと2016年比1.5倍の規模に成長するとEvaluateで予測されている。また、大型医薬品の比率が高いことも特徴で、2016年の医薬品売上高ランキングで見ると、上位10品目のうち7品目がバイオ医薬品で占められている。

こうしたなかで、バイオシミラーの2016年の世界市場規模は約16億ドル、日本市場では約184億円とまだ小さいが、今後は急速に拡大していくことが予測されている。現在の売上高ランキング上位にあるバイオ医薬品の特許が2020年頃までに相次いで失効となり、バイオシミラーの販売が可能となるためだ。バイオシミラー市場については、2006年に欧州(EU)でヒト成長ホルモン製剤が発売されて以降、2018年6月末までに13種類41品目が承認されているほか、日本で8種類18品目、米国で11種類14品目が承認されている。特に、米国はバイオシミラーのガイドラインが2015年に公開されたことを契機に2016年以降、承認品目が増加している。なお、日米欧以外の地域では、日米欧いずれか一ないし二極で承認されていれば、承認取得可能なケースが多い。

バイオシミラーの普及に関しては、年々膨張する医療費抑制の切り札になるとも言われている。バイオ医薬品は薬効の高さから需要は年々拡大傾向にあるが、高薬価のため医療財政の圧迫要因にもなっているためだ。バイオシミラーは先行品の約70%の薬価水準となるため、バイオシミラーが普及することに伴う医療費の削減効果は大きい。ただ、ジェネリック医薬品の使用率を引き上げるための調剤報酬制度の改正などは進んでいるものの、バイオシミラーはこの対象とはなっておらず、日本での普及スピードは欧州と比べて遅れているのが現状だ。このため、政府は2017年6月に閣議決定として「バイオシミラーの研究開発支援方策等を拡充し、2020年度末までにバイオシミラーの承認品目数2倍増を目指す」ことを掲げ、バイオシミラーの国内での普及拡大を推進していく方針を打ち出しており、同社にとっても追い風になることが期待される。

バイオシミラーを細胞株構築や原薬製造から行っている国内の競合会社としては、JCRファーマ(株)<4552>や協和発酵キリン(株)と富士フイルム(株)の折半出資による合弁会社である協和キリン富士フイルムバイオロジクス(株)など数社しかない。

バイオシミラー、バイオ新薬事業に続く第3の事業として新規バイオ事業(再生医療分野)への取り組みをスタート

4. 事業モデル

同社の事業モデルは、高い安定性と早期の収益化が見込めるバイオシミラー事業と、高い成長性を目指すバイオ新薬事業をバーチャル型の事業体制で展開しているのが特徴となっている。また、2016年にNKグループに参画して以降、第3の事業として再生医療分野等の新規バイオ事業の取り組みも開始している。

(1) バイオシミラー事業

バイオシミラー事業の収益モデルとしては、研究開発段階及び上市後において、開発した医薬品の主成分である原薬や製品化した製剤を提携先の製薬企業に供給することによって得られる販売収益と、開発したバイオシミラーの原薬について共同事業化契約を締結し、提携先企業からの契約一時金や非臨床・臨床試験の進捗に応じて得られるマイルストン収益で構成される。また、バイオシミラー事業の収益源となる原薬の製造や分析・評価等の試験に関してはすべて外部委託している。

具体例として現在、上市されているフィルグラスチムBSでは、産生細胞株を韓国のDong-A ST(旧東亜製薬)から同社へ導入し、同社で原薬開発及び商用生産に向けた製造プロセスの開発を行い、完成した原薬を契約先である富士製薬工業(株)に販売している。富士製薬工業(株)で製剤化し、自社販売しているほか、持田製薬(株)にも製剤を供給している。国内のフィルグラスチム市場におけるバイオシミラーの比率は、同社開発品が2013年に販売開始されて以降、約3割を占めるまでになっており、今後もその比率は上昇していくことが見込まれている。バイオシミラーは富士製薬工業(株)や持田製薬(株)以外にも、日本化薬(株)<4272>や武田テバファーマ(株)、沢井製薬(株)<4555>、サンド(株)など複数の製薬メーカーが販売しているが、日本での第3相臨床試験データを保有する、富士製薬工業(株)、持田製薬(株)の製品の占有率が高くなっていると見られる。

(2) バイオ新薬事業

バイオ新薬事業では、医薬品シーズの探索を行う基礎研究から行うため、自社研究のみならず、大学や研究機関との共同研究などを行っている。探索した候補品についての製造や品質、非臨床試験などを必要に応じて国内外の試験受託企業に委託している。その後の臨床開発では膨大な費用が必要となるため、原則として自社では行わず製薬企業へライセンスアウトすることを基本方針としている。

このため、収益モデルとしては主に研究開発段階で共同研究開発契約やライセンス契約を締結し、提携先からの契約一時金や開発の進捗に応じたマイルストン収益、並びに販売後のロイヤリティ収益を獲得することになる。

ライセンスアウトの実績としては、2007年に科研製薬(株)に抗α9インテグリン抗体(免疫疾患、がん疾患)の独占的開発、製造販売権を供与している。また、その他の開発パイプラインとしては、難病・希少疾患及び小児疾患をキーワードに眼科疾患、がん疾患、免疫疾患、循環系疾患などの領域でアカデミア等と共同研究を進めている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《HN》

提供:フィスコ

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