ナノキャリア---米学会でNC-6004の臨床第2aパートのポジティブデータを発表
ナノキャリア<4571>は1日、Drug Delivery に特化した米国の学会である Controlled Released Society Virtual Annual Meeting にて、NC-6004の第2a相臨床試験において、免疫チェックポイント阻害剤の併用時における良好な成績が得られたと発表した。NC-6004はがん治療で広く使用される抗がん剤「シスプラチン」を内包した同社独自技術を用いたミセル化ナノ粒子製剤で、腫瘍部位へピンポイントで送達し安全性を高める抗がん剤として開発を推進中。
NC-6004の臨床第2a相において、臨床上問題となるシスプラチン特有の副作用の発現が軽減され、重度の副作用は認められなかった。NC-6004のキイトルーダ併用時における優れた安全性が確認され、第2b相の推奨投与量は、頭頸部がん治療で使用されるシスプラチン用量(80~100mg/m2)よりも高く135 mg/m2に決定された。
また、本試験で認められた奏効率は、公表されているキイトルーダの第3相臨床試験の結果と比べて高く、NC-6004併用による有効性向上が期待され、今後実施する第2b相試験で比較対照群(キイトルーダ単独)に対し優位性を示す可能性が示唆された。さらに、第2a相で推奨投与量である135mg/m2に登録された6例のうち5例が投与を継続中であり、さらなる奏効率および生存率改善が期待されるとしている。
同社では、第2b相開始に向けて各国規制当局との治験開始手続きを進めており、今年中の開始を予定している。
《ST》
株探ニュース