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城南進研 Research Memo(7):2023年3月期は会社計画を下回る可能性があるものの、黒字確保を目指す(1)

特集
2023年2月7日 14時57分

■今後の見通し

1. 2023年3月期業績見通し

城南進学研究社<4720>の2023年3月期の連結業績は、売上高で前期比1.2%増の6,328百万円、営業利益で同222.8%増の252百万円、経常利益で同267.4%増の258百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で176百万円(前期は636百万円の損失)と期初計画を据え置いた。

計画に対するプラス要因として、デジタル教材・ソリューション部門において、デキタスが経済産業省主催の「EdTech導入補助金対象事業」に採択されたことが挙げられる。今回で3度目の採択となり、前期実績としては1億円強の売上を計上した。また、新たにデジタル庁の「教育関連データのデータ連携の実現に向けた実証調査研究」に採択され、売上寄与が見込まれる。一方で、マイナス要因としては、第2四半期までの実績として個別指導部門や映像授業部門の生徒数が計画を下回っていること、また、下期に向けて光熱費や物価上昇による材料費の上昇が見込まれている点が挙げられる。直近では生徒数回復の兆しが見え始めているものの、全体的には第2四半期までの遅れを取り戻すまでには至らず、業績は計画を下回る可能性があると弊社では見ている。ただ、通期黒字化を必達目標として、下期も引き続き経費の削減に取り組んでいく方針となっている。

(1) 個別指導部門

個別指導部門の売上高は前期比8%減程度を見込んでいたが、第2四半期までの落ち込みが響いて2ケタ減となる可能性がある。教室の新規開設予定はなく、直営について第3四半期まで教室数減少の影響が残るため、通期でも2ケタ減収となる見通しだ。一方、FCについても教室数の増加は見込まず微減収となる見通し。

ただ、退塾率については2022年12月時点で前年同期比4ポイント強改善しており、新規入塾についても小学生を中心に増加傾向となっていることから、最悪期は脱したものと考えられる。同社は2024年3月期以降の再成長に向けて、非受験学年の生徒獲得に注力しており、順調に進めば2024年3月期から生徒数も増加に転じる見通しだ。特に小学生部門については、人気の高い「りんご塾」を併設することで生徒の囲い込みを進めていく戦略で、下期も新たに4教室を併設し、期末までに「りんご塾」を31拠点まで拡大する計画となっている。また、今後はFC教室でも「りんご塾」の併設を推進すべく、FCオーナーに提案していくことにしている。コロナ禍で中学受験を志望する生徒数が増加傾向となっていることもあり、こうした需要を積極的に取り込んでいく。

また差別化戦力として、ICTを活用した「学びの個別最適化」に取り組んでいる。小中学生向けには「デキタス」、中高校生向けには「atama+」(AIを活用した学習教材)をデジタル教材として導入することで効率的に基礎学力の向上を図るとともに、学習の進捗度合いを管理するアプリ「GoNAVI」によって、計画的な学習を支援する。また、中高生向けには子会社アイベックのオンライン英会話レッスンなどをオプションメニューとして用意している。

(2) 映像授業部門

映像授業部門の売上高は前期比3~4%増を見込んでいたが、第2四半期までの進捗状況からすると、今後、生徒当たりの受講時間が回復しなければ、横ばいか微減に留まる見通しだ。2023年3月期は新校舎開設の予定はなく、2024年3月期に1校の開設を目指している。

(3) 幼少教育部門

幼少教育部門の売上高は、「くぼたのうけん」が前期比5%増、「りんご塾」が同20%増、「ズー・フォニックス・アカデミー」が同5%増、「ルミナ保育園」が同横ばいを計画していた。このうち、「りんご塾」と「ルミナ保育園」については計画通りに進捗する見通しだが、「くぼたのうけん」と「ズー・フォニックス・アカデミー」については第2四半期までの状況と同じく、通期でも微減となる可能性がある。

「くぼた式育児法」のソリューション展開については順調に進んでいるものの、大手運営企業にターゲットを絞って営業活動を進めていることもあり、期末までにさらに増加する可能性は低く2024年3月期以降の拡大が期待される。なお、認定園の契約期間は1年単位のため、既存の認定園の継続率を高水準で維持していくことも重要となるが、単年度でノウハウをすべて吸収できるわけではなく、新人保育士向けの研修サービスの需要も定期的に発生するため、継続率が低下するリスクは極めて低いと弊社では見ている。

「りんご塾」については既述のとおり、「城南コベッツ」への併設を積極的に進めていることから、今後は個別指導部門の売上増に寄与していくことになる。「ズー・フォニックス・アカデミー」は、校舎数が前期末と変わらないため新規生徒の獲得に注力していくことになるが、入学のタイミングが4月、9月となるため、通期でも生徒数に大きな変化はないものと見られる。「城南ルミナ保育園」については、引き続き「くぼた式育児法」を差別化戦略として高水準の園児数を維持していく方針だ。また、「城南ブレインパーク」については既存6拠点での収益化を優先して取り組んでおり、2023年3月期の新拠点開設予定はない。

なお、リトルランドを2022年10月に吸収合併しており、下期より単体の幼少教育部門に加わることになるが、基調としては第2四半期までと大きく変わらない見通しだ。

(4) デジタル教材・ソリューション部門

デジタル教材・ソリューション部門の売上高は前期比横ばいを見込んでいたが、既述のとおり経済産業省主催のEdTech導入補助金対象事業に採択されたこと、学習塾やスポーツクラブ等での導入も進んでいることなどから2ケタ増収が見込まれる。ただ、EdTech導入補助金については2022年度で終了するため、2024年3月期は補助金事業の売上約1億円分が剥落することになる。このため、学習塾やスポーツクラブ、学童施設など民間企業向け等への拡販を推進していくほか、家電量販店を通じた販売も開始することで、2024年3月期は補助金事業の減少分をカバーしていく考えだ。なお、公立学校への導入については各自治体で予算が付けば可能となっている。子どもの教育に熱心な自治体では予算を使って英会話レッスンの導入を進めているケースもあるだけに、今後の動向が注目される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《YI》

提供:フィスコ

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