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オリコン---顧客満足度調査のランキングを通じ、暮らしを豊かに

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2020年4月20日 15時43分

数々のランキングを発表しているオリコン<4800>。多くの人々にとってオリコンといえば、「歌謡曲のヒットチャートを発表している会社」というものだろう。創業者の小池聰行(こいけ そうこう)氏は、まだまだ封建的で上下関係が厳しかった1960年代、レコード売上などの客観的な指標を元に歌謡曲のランキングを発表して業界に衝撃を与えた。米国の「ビルボード」誌と同様、日本の音楽ヒットチャート、楽曲の評価指標と言えばオリコンという権威を確立した。

しかしながら、現在のオリコンの原点は、そのオリコンとは異なる。

1990年代に入り、音楽の楽しみ方はレコードやCDの購入から、インターネットを通じた音楽配信サービスに変わった。情報は、雑誌からインターネットへ、デジタル時代に突入した。ヒットチャートの認知度の高さとは裏腹にオリコンの経営は厳しかった。現社長の小池恒(こいけ こう)氏は当時、父親の会社の財務・経理をはじめとする管理部門全般を統括していた。会社の状況の厳しさは分かっていたが、しがらみが多く改革は難しいと思われた。創業者でありカリスマ経営者であった先代から、小池氏はデータベースのみ借り受けると、これをマネタイズするために1999年に独立した。これが現在のオリコンの直接の前身である「おりこんダイレクトデジタル」である。翌2000年に当時のジャスダック・ジャパンにスピード上場。その直後、先代が急逝した。残されたオリコンを合併吸収した。

現在では、音楽やエンタテインメント領域に限らず、ランキングとニュースを通じて様々な商品やサービスの人気や満足度を可視化するコミュニケーション事業を主力としている。同事業はさらに、顧客満足度調査(CS)事業とニュース配信・PV事業に分かれる。CS事業の対象領域は、保険、教育、生活、美容など幅広いが、独自の視点で対象を選定の上、詳細なアンケート項目の作成から調査、集計、評価・分析を行い、ランキングを実施する。上位にランクされた企業にオリコンの商標利用をすすめ、成約すれば、電車内での広告やTV-CMなど、商標の利用範囲に応じて収益を得るという仕組みだ。第三者による客観的な指標としての認知度が向上するにしたがって、「オリコン顧客満足度ランキング」を自社の宣伝広告に利用する企業も増え、前年度比15%の売上成長となっている。

ニュース配信・PV事業は、独自の取材記事を同社ウェブサイト「ORICON NEWS」を始め、Yahoo、You tubeなど主要ポータルサイトと全国各地のメディアに配信するもので、エンタメニュースではトップクラスを誇っている。最新のトレンドである動画やSNS領域でのコンテンツの強化を推進中だ。

ランキング事業から得たデータベースと中立・公正な立場からの情報発信による社会からの信頼が、同社の最大の資産であり強みだ。数ある満足度調査の中で、消費者と企業をつなぎ、社会に根付いた共通の指標となることで、暮らしを豊かにしていくことが同社のゆるぎないビジョンである。

《SF》

提供:フィスコ

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