4811東証G信用
業種 情報・通信業

ドリーム・アーツ 株価材料ニュース

3,050
-150
-4.69%
業績
(15:30)
PTS

(ー)
株価は15分ディレイ

ドリーム・アーツ Research Memo(2):独立系ソフトウェアベンダーからクラウドサービスベンダーへ転換

特集
2024年10月15日 14時02分

■会社概要

1. 会社概要

ドリーム・アーツ<4811>は、「協創する喜びにあふれる人と組織と社会の発展に貢献する」というミッションを掲げ、企業の生産性を向上し、創造的な働き方を実現する大企業向けSaaSプロダクト(ノーコード開発ツール「SmartDB」、社内ポータル構築ツール「InsuiteX」、チェーンストア向け情報共有ツール「Shopらん」)及び特定顧客向け開発運用一体型クラウドサービス「DCR(DX Custom Resolution)」を提供するクラウドサービスベンダーである。東京、広島の2本社体制で、沖縄、中国大連にも拠点を置いている。さらに、沖縄県石垣市には24時間365日稼働のクラウド監視センターがある。同社グループは、同社及び連結子会社である夢創信息(大連)有限公司で構成され、夢創信息(大連)は同社製品の開発・テスト・サポート業務を行う開発拠点の1つと位置付けている。

企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)は年々進展しているが、DXのシステム開発はITベンダーの受託開発に依存した状況にあり、IT人材もITベンダーに偏在している。IT人材が不足するなか、大半の日本企業ではシステムの内製化は進んでいない。技術力やノウハウが蓄積されないまま、ERP※1などの基幹系システムはブラックボックス化し、思い描くようなデータ活用は難しいのが現状だ。同社の提供するSaaSプロダクト「SmartDB」はノーコード開発ツールで、非IT人材でもアプリケーション開発が可能である。同社は「デジタルの民主化」をコンセプトに掲げ、「市民開発」※2を実現するための「SmartDB」を成長ドライバーと位置付けている。

※1 ERP:Enterprise Resource Planning(企業資源計画)の略。企業の持つ資金や人材、設備、資材、情報など様々な資源を統合的に管理・配分し、業務の効率化や経営の全体最適を目指す手法。また、そのために導入・利用される業務横断型の業務ソフトウェアパッケージを指す。企業経営の中核をなすため基幹系システムと呼ばれることもある。「会計業務」「人事業務」「生産業務」「物流業務」などのコンポーネントに分かれていることが多い。

※2 市民開発:プログラミングなしにアプリケーションを開発できるツールの導入を前提とし、ITの専門知識がない現場部門の従業員が主導して業務デジタル化を推進する開発スタイルのこと。当該スタイルで開発する従業員を市民開発者(シチズンディベロッパー)と呼ぶ。

同社は1999年から、独立系ソフトウェアベンダーとして自社開発パッケージソフトウェア「INSUITE」「SmartDB」の販売を行ってきた。近年になり、大企業でのクラウド利用が進展してきたため、2017年に「INSUITE」「SmartDB」及びクラウド基盤上で提供するDCS(Dreamarts Cloud Service)の提供を開始した。2018年にはパッケージソフトウェアの新規販売を停止し、クラウドサービスベンダーへビジネスモデルの転換を図った。これに伴い、収益モデルを、ソフトウェアを販売した時点で全額一括計上する方式から、毎月一定額を回収する月額利用料方式に変更し、成長は一時的に鈍化することとなった。一方、プロダクトをSaaS型に適合させるための開発や、顧客への導入支援及び利活用推進を図るためのカスタマーサクセスチームの新設などが必要となり、コストの増加を招いた。そのため、移行期に当たる2020年12月期から2021年12月期は損失を計上したが、短期間でSaaS比率を向上させることに成功し、2022年12月期に黒字転換した。2023年10月には東京証券取引所(以下、東証)グロース市場へ上場し、現在に至る。大企業との取り引きが長く、(株)三菱UFJ銀行、大和ハウス工業<1925>、KDDI<9433>、日本航空<9201>、(株)日本経済新聞社、ブリヂストン<5108>、日本通運(株)など各業界のリーディングカンパニーの多くを顧客基盤としている。

2. 沿革

同社は1996年12月に設立され、1999年2月に中小企業向けグループウェア「INSUITE(R)99」をリリースした。その後、2002年7月に大企業向け情報ポータル「INSUITE Enterprise」をリリースした。ターゲットを大企業に絞り込み、2005年11月にWebデータベース「SmartDB」をリリースし、「INSUITE」とのセット販売を開始した。2007年8月には、中国大連の大学生を新卒採用した経緯もあり、同地に100%子会社の夢創信息(大連)有限公司を設立した。2008年1月には(株)ネクスウェイとの共同事業でチェーンストア向けSaaS「店舗matic(R)」(以下、「店舗matic」)をリリースし、クラウドサービスベンダーへのビジネス転換を開始した。2010年11月からは、「店舗matic」と自社ブランド「Shopらん」とのダブルブランドで販売している。

2012年1月には(株)インデックス沖縄の株式を51%取得し子会社化、名称を(株)ドリーム・アーツ沖縄に変更した。2014年5月には沖縄県石垣市にクラウド監視センターを設立した。なお、ドリーム・アーツ沖縄については、株式追加取得により100%子会社とし2021年7月に吸収合併した。

2014年10月には「SmartDB」のAPI※を公開し、アプリケーションの開発基盤としての展開を開始した。その後、クラウド基盤の整備が進展し、2017年9月より「INSUITE」及び「SmartDB」をクラウド基盤上で提供する「DCS」の販売を開始した。そして、大企業におけるクラウド利用の進展を受け、2018年12月に新規顧客へのパッケージソフトウェアの販売を停止し、クラウドサービスベンダーへのビジネスモデル変革に踏み出した。

※ API:Application Programming Interfaceの略。ソフトウェア同士が互いに情報をやり取りする際に使用するインターフェイスの仕様。この仕様を介することで、他のソフトウェアとの機能連携が可能となり、利便性が高まる。

2019年11月には「DCS」を対象としてISMSクラウドセキュリティ認証を取得、2020年8月には「マイクロソフトジャパン・パートナー オブ ザ イヤー」を2年連続で受賞した(2019年「Retail アワード」、2020年「Social Responsibility アワード」)。同年11月には、大企業向け情報ポータル「INSUITE Enterprise」の後継プロダクトとして、最新クラウドアーキテクチャをベースに全面刷新した「InsuiteX」をリリースし、2021年11月には「SmartDB」にノーコードツールとして世界初※1のダイナミックブランチ機能を実装した。2023年12月には米国Fortanix社と技術提携し、BYOK※2を実現するクラウドセキュリティソリューションの提供を開始した。このサービスで、機密性が高く、厳しいセキュリティ要件が求められる業務にも「SmartDB」を利用することが可能となった。

※1 同社調べ。

※2 BYOK:Bring Your Own Keyの略。利用者がクラウドサービスを利用する際に、自身で用意した鍵を適用してデータを暗号化して保存する仕組み。この仕組みによりクラウドサービス事業者及びサービスのインフラ基盤を提供する電気通信事業者はデータの読み取りが不可能となり、利用者のみが閲覧可能な状態を実現できる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 松本章弘)

《HN》

提供:フィスコ

株探ニュース

▶︎この銘柄を取引する

証券会社のアプリを起動して
この銘柄の取引画面へ移動します

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
株探プレミアムとは

日本株

米国株

PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.
各証券会社のスマホアプリを起動できます。アプリのインストールがまだの場合は、以下からダウンロードしてください。
SBI証券 株 アプリ
閉じる