明日の株式相場に向けて=半導体関連株の行方握る「米雇用統計」
5日の米株式市場でナスダック指数が最高値を更新したことを受け、6日の東京市場でも 半導体関連株を中心に値を上げ、日経平均株価は前日比213円高の3万8703円と3日ぶりに反発した。一時3万9000円台を回復したが、午後にかけてはやや上昇幅は縮小した。
特に、米国市場ではエヌビディア<NVDA>が5%高と急伸。時価総額は3兆ドルに乗せ、アップル<AAPL>を抜きマイクロソフト<MSFT>に続く米国2位の企業に躍進した。ナスダック指数が上昇基調を強めている背景にあるのは、米インフレ懸念の後退だ。5日に発表された米5月ADP雇用統計は予想を下回ったほか、同ISM非製造業景況指数も項目別では「価格」が低下した。米長期金利は一時4.2%台に低下した。
市場では、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で50%を超える確率で利下げが決定されると予想しており、この金利低下観測が半導体株などハイテク株を押し上げている。これを受けて、この日の東京市場でも東京エレクトロン<8035>やアドバンテスト<6857>、ディスコ<6146>を中心とする半導体関連株が値を上げた。米国のショートセラー(空売り投資家)の標的となったレーザーテック<6920>は続落した。
当面、半導体などハイテク株の焦点となるのは、やはり米金融政策だろう。11~12日に開催されるFOMCが注目されるが、まずは明晩の米5月雇用統計が大きな焦点となる。現時点では非農業部門雇用者数は19.0万人増(4月は17.5万人増)が予想されている。明晩の雇用統計を無事にこなせば、日本株も半導体などハイテク株を中心に一段の戻りを試すことも期待できそうだ。
今晩は米新規失業保険申請件数と米4月貿易収支が発表される。また、欧州中央銀行(ECB)理事会が開催される。ECBでは利下げが予想されており、米金利低下への追い風が期待される。明日の予定では、上記の米雇用統計以外では国内で4月の家計調査、4月の景気動向指数など。海外では5月の中国貿易統計、4月の米消費者信用残高など。また、クミアイ化学工業<4996>や日本駐車場開発<2353>、サムコ<6387>、エイチーム<3662>などの決算発表が予定されている。
株探ニュース