アクセル Research Memo(7):2025年3月期業績計画は保守的
■今後の見通し
1. 2025年3月期の業績見通し
アクセル<6730>の2025年3月期の連結業績は売上高で前期比24.3%減の13,300百万円、営業利益で同54.7%減の1,100百万円、経常利益で同55.1%減の1,100百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同56.5%減の770百万円と減収減益計画となっている。前提となる遊技機の販売台数が同13%減の140万台と減少するほか、G-LSIのリユース率も前期の20%から25%に上昇することで、G-LSI販売数量が同27%減の約47万個と減少に転じることを前提としているためだ。遊技機市場は、スマートスロットの堅調な販売が見込まれる一方で、7月より流通が始まる新紙幣対応のため設備投資をパチンコホールでは行う必要があり、遊技機への投資は抑制される可能性があると見ているためだ。ただ、大手遊技機メーカー5社※の業界見通しは、平均で前期比ほぼ横ばいの163万台となっていることを考えると、同社の業績計画は保守的で上振れする公算が大きいと弊社では見ている。
※サンキョー、平和、セガサミー、円谷フィールス、藤商事の5社
事業セグメント別で見ると、LSI開発販売関連の売上高は前期比25.9%減の12,550百万円を見込んでいる。同社が開示している売上構成比から試算すると、G-LSIは同24%減の約43億円、メモリモジュールを含むその他LSIは同27%減の約82億円となる。G-LSIの平均販売単価は3%程度上昇する見込みだが、製品ミックス変化等の効果が継続することが要因だ。なお、低消費電力版「AG6」については、本格的には2026年3月期以降となる見通し。メモリモジュールは遊技機販売台数の減少に加えてリユース率が前期の20%から30%に上昇することを前提に、販売数量で同28%減の71万個を見込んでいる。前期に販売した高容量メモリモジュールのリユースが進むと見ている。ただ、市場シェアは80%から85%に上昇する見込みだ。
一方、新規事業関連の売上高は前期比18.7%増の750百万円の見込みとなっている。2024年2月にβ版をリリースしたAIを活用してさまざまな業務をサポートするDXアプリ「ailia DX Insight」の引き合いが好調そうだ。正式版のリリースは同年7月を予定しているが、すでにメーカー3社の研究開発部門から導入したいとの意向を受けている。高セキュアかつ高速処理で業務を実行できることが評価ポイントとなっているようだ。同社は同アプリの拡販施策としてデジタルマーケティングのほか、販売代理店を通じた営業活動を推進すべく、現在パートナーを探している段階にある。そのほか、セルシス及び&DC3やサステナブルパビリオン2025の開発プロジェクトなども進展する見通しだ。
売上総利益率は製品ミックスの変化と主力製品の仕入単価上昇により、前期の31.9%から30.5%と若干低下する見込み。販管費はテレビCM費用が無くなるほか、その他経費の抑制に取り組むことで前期比221百万円の減少となる見通し。研究開発費も前期比で微減を計画している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
《HN》
株探ニュース