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【エヌビディア③】セガとドリームキャストと500万ドル、そしてモリス・チャンから電話が<Buy&Hold STORIES-5->

特集
2025年1月21日 13時00分

Buy and hold Stories

エヌビディア<NVDA>
第1章Part3

第1章 ジェンスン・フアンとは何者か? 海を越えた異才が目指したもの

3.セガとドリームキャストと500万ドル、そしてモリス・チャンから電話が

【タイトル】左:提供=有限会社入交昭一郎、右:©ロイター/アフロ

「バーチャファイター」の衝撃、セガとともに画期的なチップ開発を目指す

「そもそもは1995年頃のことです。エヌビディア<NVDA>が開発した『NV1』というグラフィックチップを売り込もうと、ジェンスンが来社したのです。話を聞いてみると、従来のグラフィックチップは三角形のポリゴンで立体画像が形成されていたのですが、『NV1』は四角形で形成するため、映像の動作が滑らかになるという。当時としては画期的な技術だったので面白いと思い、格闘ゲーム『バーチャファイター』のPC版に採用し、当時、セガが準備を進めていた次世代ゲーム機『ドリームキャスト』のチップ開発も依頼することにしたのです」

こう語るのは、当時、セガ(現セガサミーホールディングス <6460> )の副社長として「ドリームキャスト」開発の陣頭指揮を執っていた入交昭一郎だ。24年にエヌビディアが一躍、世界トップのハイテク企業へと躍進してから、「エヌビディアを救った恩人」としてにわかに注目を集めている。発端はフアンが各地の講演会などで度々、入交に救われたエピソードを語っていることに注目した『ウォールストリート・ジャーナル』紙が、24年5月にエヌビディアと入交の関係を大々的に伝えたことだ。以来、「エヌビディア関係の取材が急に増えている」という。

にわかに注目を集めたと記したが、1980年代から2000年代初頭の日本の経済界を知る者であれば、入交の名を記憶している者は少なくないだろう。1940年生まれ、東京大学工学部卒業後に本田技研工業 (ホンダ)<7267> に入社するとエンジニアとして瞬く間に頭角を現し、39歳で取締役に就任。当時としては稀有な大企業の30代役員誕生に、マスメディアは「ホンダのプリンス」とはやし立てた。その後、ホンダでは副社長にまで上りつめるが紆余曲折を経て93年、セガに移籍。当時、セガの大株主となっていたCSK(現SCSK <9719> )の大川功、アーケードゲーム時代からセガを育ててきた中山隼雄との3トップ体制で、次世代ゲーム機開発競争が激化していた同社の経営の一翼を担い、98年には社長に就任。技術力の高さに定評がある世界的自動車メーカーから、業界を挙げた技術革新の只中にあるゲームメーカー大手への華麗な転身で話題を集めた、平成初期の名物経営者だ。

「エヌビディアにとって、実質的な最初の顧客が私たちセガだったのです」(入交)。斬新なグラフィックチップを開発しようとしていたフアンたちは、事業を軌道に乗せるために、まずは「キラーアプリケーション」となるような製品を開発しようとした。そしてそのためにはビデオゲーム向けの3Dグラフィック技術こそが重要になると考えた。

ところが、当時のアメリカでは、ビデオゲームの確たる市場は存在していなかった。2011年に行われたスタンフォード大学での講演で、フアンはこう述懐している。「母親に、ビデオゲーム向けのグラフィックチップをつくっていると話すと、彼女はこう言った。『あなたたちはいったい、何をしているの。早く職を見つけたら』。でも私たちは、ビデオゲームの市場が大きくなることを確信していたのです」。

90年代前半のゲーム業界は、2Dから3Dへの転換が急激に進んでいた。特に日本メーカーの技術進化は著しく、その波は必ず海を渡ってアメリカにも押し寄せるだろうと、フアンたち3人は考えていた。93年に発売されて世界的大ヒットとなった格闘ゲーム、「バーチャファイター」の画像処理を見たフアンは、このジャンルにこそグラフィックチップの未来があるという確信を強めた。そこでこのゲームを開発し、3Dグラフィックの最前線を走っていたセガに自社製品「NV1」を売り込むとともに、彼らと共同で製品開発を加速させようとしたのだ。

当時の入交はセガの技術開発責任者として、日本とシリコンバレーを往き来する毎日を送っていた。「ドリームキャスト」の開発は、同社がライバルのソニー(現・ソニーグループ <6758> )や任天堂 <7974> に打ち勝つための社運を賭けたプロジェクトだった。そしてその心臓とも言えるグラフィックチップを製造するエヌビディアとは、文字通り「二人三脚」の関係で開発にあたっていたという。

窮地のエヌビディアを救った「HONDAのプリンス」の心意気

だが、フアンが入交を恩人と呼ぶのは、最初の大口顧客だったからではない。最終的にエヌビディアが「ドリームキャスト」用に開発したチップ「NV2」を、セガが採用すること

株探ニュース

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