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東都水 Research Memo(2):豊かで健康的な家庭の食生活を支える

特集
2018年12月11日 15時12分

■会社概要

1. 会社概要

東都水産<8038>は、東京都中央卸売市場の1つで、世界最大と言われる豊洲市場水産部の卸売業者(荷受/大卸)大手である。マルハニチロ<1333>系や日本水産<1332>系が多いとされる卸売業者の中では独立系で、水産物卸売事業のほかに冷蔵倉庫業及びその関連事業、不動産賃貸事業を併営、子会社では地方市場での水産物卸売、カナダでの水産加工品の製造販売も行っている。同社は、豊洲市場において水産物取引の中核として、高品質で適正価格の魚介類を安定供給し、豊かで健康的な家庭の食生活を支えている。非常に社会的存在意義の高い会社ということができる。

しかし、かつて漁業大国と称された日本も、高齢化や食の多様化などにより、魚の消費量は長期的に減少傾向にある。また、水産資源の減少や世界的な魚食志向の高まりなどから、水産業界全体の変革も求められている。同社は、そのような難しい環境のなか、80年を超える豊富な経験や同社グループの国内外ネットワーク、消費者ニーズを的確に捉えた商品提案などによって、今後も家庭の食生活を支え、新たな魚食文化を創造して行く考えである。

80年以上にわたって水産品を安定供給

2. 沿革

同社は大正初期、初代社長田口達三(たぐちたつぞう)が江戸幕府の台所として栄えた日本橋魚河岸に魚問屋を創業したのが始まりである。1935年の築地市場開場と同時に魚類卸売会社「東京魚市場」を設立したものの、戦中~戦争直後は統制や閉鎖など時代に翻弄され続けた。しかし、公共性の高さから当時の農林省が再編成示達を出し、1948年3月に同社が設立され、前身会社から業務と役職員を継承した。以来、東京を中心に関東一円の食卓を担う大手の卸売業者として、生鮮・冷凍魚介類はもとよりあらゆる水産加工品を、国内のみならず世界各地から集荷し、安定供給に努めている。

2018年10月、待望の豊洲市場が開場

3. 築地市場から豊洲市場へ

2018年10月6日に築地市場が閉場し、同年10月11日に豊洲市場が開場した。築地市場は、都内に11ある東京都中央卸売市場のうち最も古い歴史を持つ卸売市場で、主に水産物(水産部)と青果物(青果部)を取り扱う総合市場であった。その供給圏は都内だけでなく関東近県にまで及び、特に水産物については世界最大級の取扱規模を誇り、日本の建値市場※としての役割も果たしていた。

※建値市場とは、ほかの市場で取引の参考となる価格を形成する力のある市場のこと。

しかし、歴史ある築地市場も、施設の老朽化が進んで建物の一部が劣化・破損し安全性が保証できないこと、施設の拡張ができない構造で商品の一部については一時的に屋外に置かざるを得ないなど品質保持や衛生管理が困難なこと、当初鉄道輸送を想定していたため大型トラックの搬入スペースが不足していること、築地市場の再整備には時間と資金が非常に多くかかるため断念した経緯があること??といった諸問題から、豊洲市場への移転が決定したのである。

決定から豊洲市場の開場まで、安全性の問題などから時間は要したが、ようやく実現することとなった。豊洲市場は近代的な建物で、407千平方メートルの敷地に建つ延床面積517千平方メートルの建屋に、卸売業者売場35.7千平方メートル(水産24.7千平方メートル、青果11千平方メートル)と仲卸業者売場16.745千平方メートル(水産13.019千平方メートル、青果3.726千平方メートル)を有する巨大な市場である。最新の施設のため、安全な構造の上環境に配慮して省エネにも取り組んでいる。また、最新のコールドチェーンにより品質保持と鮮度管理が十分に可能で、卸売場や仲卸売場の近くに大型の駐車スペースと荷捌スペースを配置して効率的な搬入搬出を実現、量販店専用のピッキングエリアもある。

このため、築地市場以上に小売業者の来場を集めると見られている。一方、移転による商流の変化や築地市場閉場を機に廃業を検討している取引業者が出る可能性や、施設の最新化により市場使用料の上昇や市場内物流の高コスト化など、事業環境が大きく変わることが予想されている。しかし、稼働して1年~2年してみなければ分からないことも多く、同社の豊洲市場への移転の収支も、まだイメージすらつかないといったところが実情だと思われる。ただし、豊洲市場開場直前に指摘されていた場内・場外の混雑や安全性など種々の課題については、開場1ヶ月以上たって、交通渋滞も混乱もほとんどなく、また、安全性に関わるレピュテーションリスクも発生しておらず、「千客万来」となっているもようである。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

《HN》

提供:フィスコ

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