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東都水 Research Memo(3):生活に欠かせない水産流通

特集
2018年12月11日 15時13分

■会社概要

4. 水産流通の仕組み

(1) 水産流通

黒潮を回遊する近海のマグロは、延縄漁※によって捕獲する。1匹の重さは80kg~150kgにもなる。このようにして捕獲されたマグロは、鮮度を保つため急速に冷凍された後、港に水揚げされ、多くは都会の市場へ出荷される。このように全国各地の魚介類は、全国各地の港に陸揚げされ、大型トラックや保冷車、冷凍車によって都会の卸売市場へと大量に運ばれる。卸売市場では、東都水産<8038>のような卸売業者が荷受けし、卸売業者によるセリで最高値を付けた仲卸業者や売買参加者に販売する。仲卸業者は市場内にある店で街の魚屋や寿司屋など小売業者に小分けして販売し、小売業者は街にある自分の店に運んでさらに小分けして一般消費者に販売する。

※延縄(はえなわ)漁:1本の長い縄にたくさんのつり糸を垂らす漁法。マグロ漁法にはそのほか「一本釣り」「まき網」などがある。

(2) 卸売市場

卸売市場は水産物流通の中で、卸売業者が荷を受けてから仲卸業者が小売業者へ販売するまでを役割とする。ちなみに、市場というのは本来自由が原則だが、日本の卸売市場は地方公共団体が開設・運営する公設制度で、公平を図るため法律で市場内の取引を規制するという、世界でもあまり例のない独特の市場制度になっている。

東京都中央卸売市場の場合、扱うものは市場により異なる。野菜・果物とその加工品など青果は豊洲市場ほか大田、淀橋、豊島、板橋、世田谷、北足立、多摩ニュータウン、葛西の各市場の青果部が扱っている。生鮮・冷凍の魚介類やその加工品など水産物は豊洲、足立、大田の水産部で扱う。そして、牛肉・豚肉及びその加工品など食肉は食肉市場(品川)、鑑賞用の花・草木・枝など花きは北足立、大田、板橋、葛西、世田谷の花き部で扱っている。卸売市場は、大都市などに住む消費者に生鮮食料品を安定して供給するという目的のため、集荷→価格形成→分荷という基本機能のほか、決済(カネの流れ)や情報提供、衛生保持といった機能を持つ。

もう少し具体的に言うと、同社のような卸売業者が荷受けした品物を卸売場に並べ、卸売業者のセリ人の呼びかけに応じて朝5時頃からセリ場で仲卸業者や売買参加者(買参権を持った小売業者など)といった買い手が指で値段を示し、最高値を付けた買い手がその品物を買うことができる。このような、大勢の買い手を前に公開で価格を決めるセリ取引(一部入札)のほか、卸売業者と買い手の協議によって価格を決める相対取引がある。仲卸業者はセリなどで買った魚介類を市場内にある店に運び、買出人と言われる街の魚屋や寿司屋など小売業者に買いやすい大きさや量に小分けして販売する。そして卸売市場は、仲卸業者からの販売代金の徴収や出荷者への支払いを速やかに確実に行う一方、当日の市場入荷量や卸売の価格、その他生鮮食料品などに関する情報などを収集し公表する。また、巡回や抜き打ち検査などによる食品の安全性チェックや施設・設備の衛生管理なども行われている。

(3)健康に良いとされる水産物

ところで、魚は人間が生きるうえで必要な9種類の必須アミノ酸をバランス良く含んだ良質なたんぱく源なのである。また、魚には人間の健康を支える様々な成分が含まれており、特にドコサヘキサエン酸(DHA)とエイコサペンタエン酸(EPA)といった不飽和脂肪酸は、肝臓がんや糖尿病予防、肥満の抑制などに効果があることが最近の研究で示された。さらに、アレルギー症状の改善やうつ病の緩和、認知症の予防などにも効果があると言われている。消費者庁は、食品の機能性に関する科学論文に基づく評価(2012年)において、心臓や血管疾患のリスク低減、血中の中性脂肪低下、関節リウマチの症状緩和の3点について、DHAやEPAが機能しているという明確で十分な根拠があるとした上、新生児の脳の正常な神経細胞の発達のためには一定量以上のDHAが必要であるとの推察も加えている。

このほかにも、肝機能の強化や視力の回復などに効果が期待されるタウリンはイカやカキ、疲労の回復に効果があるバレニンは鯨肉、未利用天然資源と言われるキトサンはカニやエビの殻に含まれている。また、小魚を丸ごと食べれば不足しがちなカルシウムを摂取できるし、海藻類にはビタミンやミネラル、食物繊維が多く含まれている。このように、水産物には人間の健康を支える様々な機能が含まれており、美味しさだけでなく優れた栄養特性を持つ食品と言うことができる。近年、こうした水産物の健康への効用が広く知られるようになり、世界的に水産物の需要が拡大する要因となっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

《HN》

提供:フィスコ

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