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ソフト99 Research Memo(2):自動車・家庭用ケミカル用品の製造販売会社(1)

特集
2019年7月5日 15時42分

■事業概要

ソフト99コーポレーション<4464>は1954年(昭和29年)創業の自動車用、家庭用ケミカル用品の製造販売会社である。事業セグメントとしてはファインケミカル事業、ポーラスマテリアル事業、サービス事業、不動産関連事業の4つのセグメントで区分している。自動車分野を中心にM&Aも活用しながら業容を拡大しており、直近では2018年3月に電子機器ソフトウェア開発販売の(株)ハネロンをグループ会社化した。現在、グループの連結子会社数は9社となっている。

直近5期間の事業セグメント別構成比をみると売上高、セグメント利益ともに大きな変動は無く、売上高ではファインケミカル事業が5割弱、ポーラスマテリアル事業とサービス事業がそれぞれ2割強の比率で推移している。また、セグメント利益の構成比で見ると、ファインケミカル事業が5割強、ポーラスマテリアル事業が3割弱で推移し、両事業が収益柱となっているが、サービス事業や不動産関連事業についても安定した収益が続いており、バランスのとれた事業ポートフォリオになっている。市場別売上構成比で見ると、自動車分野向けが約6割を占める主力市場となっている。

1. ファインケミカル事業

ファインケミカル事業は大きく分けて、コンシューマ向けに販売されるカー用品(ボディケア、ガラスケア、リペアグッズ等)、自動車ディーラーや自動車美装業者、あるいはその他業界向けに販売される業務用製品(コーティング剤等)、家庭用品(メガネケア製品、クリーナー等)、海外事業(主にカー用品)、TPMS、電子機器・ソフトウェア開発、その他(輸入販売・樹脂容器販売含む)の7つに区分される。2019年3月期の売上構成比を見ると、コンシューマ向けカー用品が全体の63%を占め、次いで業務用製品が15%、海外事業が11%、家庭用品等が5%、電子機器が4%、TPMSとその他が各1%となっている。

コンシューマ向けカー用品の市場シェアを見ると、カーワックスを中心としたボディケア分野は約4割のシェアとなっている。競合大手はウィルソンやシュアラスターなどで、同社を含めて4~5社で競っている。また、ガラスケア分野は約7割の市場シェアで、特に雨天でも視界を確保するガラスコーティング剤「ガラコ」シリーズが高い支持を集めている。競合は綿之堂やシーシーアイなどがある。リペアグッズ(補修材)は約6割のシェアを持ち、市場は同社と武蔵ホルトの2社で寡占市場となっている。

業務用製品は、主にコーティング剤を自動車美装業者向けに販売しているほか、自動車メーカーやディーラー向けにOEM製品も販売している。また、ここ数年では飲料用自動販売機や船舶、鉄道車両など、自動車業界以外の市場開拓も進めており、同事業の1割弱の比率を占めるまでになっている。なお、業務用コーティング剤の競合としては、自動車メーカー・ディーラー向けでは中央自動車工業<8117>のシェアが高く、また、2回目以降のコーティング費用を低価格で済ませたいユーザー向けには、KeePer技研<6036>がガソリンスタンド等を通じて販売している。ただ、耐久性能や品質では同社製品が高く評価されており、外車専門ディーラーなどでも多く使用されている。

海外事業ではロシアや中国、東南アジア向けが売上の中心で、現地代理店経由でコンシューマ向けカー用品や業務用製品の販売を展開している。また、ここ最近では欧州地域やインド、ブラジル等の新市場の開拓も進んでいる。

TPMS事業では、主に乗用車とトラック・バス向けのTPMSの企画開発販売を行っている。TPMS(Tire Pressure Monitoring System:タイヤ空気圧監視装置)とは、タイヤ内の空気圧や温度をセンサーで常時監視し、異常が発生した場合に運転者に通知するシステムのこと。仕組みとしてはエアバルブと一体化したセンサー付き発信器をタイヤホイールに組み付け、運転席に設置される受信機に無線で信号を送信、モニタに数値データ等の情報を表示する。トラック運送事業者などは、車体の不具合に起因する交通事故を未然に防止するため、運行前点検の厳格化が指導されている。タイヤも点検項目として必ず実施しているが、TPMSを搭載すれば点検作業が省略化できるほか、走行中の「安心・安全」にもつながることになり、ここ1-2年で主に長距離トラックの運送業者向けに普及が進み始めている。

2019年3月期より新たに加わった電子機器・ソフトウェア開発販売事業は、主にガスや通信事業者等の社会インフラ用途向け遠隔監視機器並びに組込みソフトウェアの開発・販売を行っている。

ファインケミカル事業の直近5年間の営業利益率は、9~12%の間で安定して推移している。コンシューマ市場で高いシェアを獲得できていること、利益率の高い業務用製品の販売が着実に伸びていることが要因とみられる。海外事業の収益性に関しては仕入販売が含まれていることもあり低水準だが、現地専売品など付加価値の高い製品を投入していくことによって改善を図っている。また、TPMS事業についてはまだ損益分岐点に達しておらず、電子機器・ソフトウェア開発販売事業は若干の黒字となっている。

2. ポーラスマテリアル事業

グループ会社のアイオン(株)で展開するポーラスマテリアル事業は、1999年にカネボウ(株)から譲り受けた事業で、ポリビニルアルコール(PVA)素材をベースとしたスポンジ(機能性多孔質吸収体)のパイオニア企業として知られている。高い吸水性能を生かして、産業資材や生活資材の開発製造を行っている。主な用途として、産業資材では半導体やハードディスクの製造ライン用(洗浄・吸水工程、研磨工程)、コンシューマ向け生活資材では洗車用タオルやスポーツ用タオルなどがある。2019年3月期の売上構成比で見ると、産業資材が72%、生活資材が28%と両分野ともここ数年、同水準で推移している。また、海外売上比率が50%と高いことも特長で、特に半導体分野では米国や韓国の大手半導体メーカーを顧客に持ち、最先端プロセスの製造ラインでは5割弱のシェアを握っている。一方で、半導体業界の需要に左右されない事業基盤を構築すべく、近年では新用途の開拓にも積極的に注力しており、医療機器向け(インフルエンザ検査用キットの吸液スポンジ等)やプリンタ向け(インクヘッド部の吸水材)での採用が進んでいる。

直近5年間の営業利益率は11?15%の水準で推移しており、ファインケミカル事業と比較して若干、利益率が高く、また変動率も大きくなっている。半導体・ハードディスク製造ライン用製品について付加価値が高い反面、市況の変動も大きいことが要因となっている。なお、海外向けに関しては円建て取引のため、為替変動の直接的な影響は受けない。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《YM》

提供:フィスコ

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