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エイシアンスタ Research Memo(2):横浜と上海を中心に事業展開する総合不動産サービス企業

特集
2023年10月6日 14時52分

■事業概要

1. 事業内容

ASIAN STAR<8946>の事業セグメントは、不動産販売事業、不動産管理事業、不動産賃貸事業、不動産仲介事業、投資事業の5つの区分で開示されている。2023年12月期第2四半期の売上高構成比(セグメント間の内部売上高または振替高を含む)は、不動産管理事業が33.1%を占める主力事業となっており、次いで不動産販売事業が23.4%、不動産賃貸事業が22.8%、不動産仲介事業が20.7%を占めている。不動産販売事業は、物件売却の有無により期によって売上変動が大きくなる傾向にあるが、不動産管理事業、不動産賃貸事業、不動産仲介事業の3事業で連結業績の約8割を占めており、不動産販売事業の売上変動が連結業績に過度に影響を及ぼしにくいバランス型のセグメント構造になっている。同社が、継続的かつ安定的に成長できる事業基盤の構築を目指し、不動産管理事業等の「ストック型フィービジネス」を強化してきた結果と言える。

(1) 不動産販売事業

不動産販売事業の主力は、新築戸建と収益及び居住用マンションの販売事業である。同社は、「お客様へ新たな価値を提供できる喜びと感謝の気持ちを忘れずに、人と社会の幸せに貢献する」という企業理念のもと、横浜・川崎エリアを中心に「A's Terre(アステール)」ブランドで新築戸建を販売している。また、自社ブランド「グリフィンシリーズ」として横浜・川崎エリアに集中して収益マンション及び居住用マンションの販売を行っており、2022年12月31日までで合計4,731戸を分譲してきた※。加えて、リゾート開発事業の実績もある。同事業に関しては、2022年12月期から繰越しとなっているリゾート用地の売却を今後も継続する方針である。

※分譲の多くはASIAN STARが手掛けており、過去に分譲した物件については、同社が売買仲介、同社の連結子会社である(株)グリフィン・パートナーズが主に賃貸仲介を行っている。

(2) 不動産管理事業

不動産管理事業の主力は、「グリフィンシリーズ」マンションを含む約3,000戸の賃貸マンションの管理事業である。同社は、「グリフィンシリーズ」ブランドとして収益マンションを供給するなか、集金代行、更新事務代行、設備の点検・清掃・修繕など賃貸管理業務を受託するとともに、管理物件の入居者が退去する際には原状回復工事やバリューアップを目的としたリフォーム工事を受注している。契約不動産オーナーの資産価値の「維持・継続」と「さらなる向上」を念頭に置いた管理業務が評価され、横浜・川崎エリアのマンション管理会社のなかで高い顧客満足度を得ている。さらには「グリフィンシリーズ」の建物管理にも注力しており、今期末までに約50棟の管理を受託するなど収益基盤の強化を推進している。また、中国の上海においては連結子会社である柏雅酒店管理(上海)有限公司が駐在員向けのサービスアパートメント運営管理事業を行っている。また、連結子会社である上海優宏資産管理有限公司と上海特庫伊投資管理有限公司が中古の建物を借り上げ、簡易内装を施し、家具を配置した後に顧客へ賃貸するマンション管理事業を展開している。

(3) 不動産賃貸事業

同社はマンション、事務所及び駐車場等を所有または賃借し、これらを賃貸または転貸する不動産賃貸事業を行っている。不動産開発が盛んに行われてきた中国においては、開発した物件の収益性を高めるための不動産賃貸サービスに対する需要が増加していると言う。中国におけるニーズが拡大するなかで、良好な事業環境が予想される事業分野である。

(4) 不動産仲介事業

連結子会社であるグリフィン・パートナーズは、横浜・川崎エリアで知名度のある自社グリフィンブランドと全国ネットワークのアパマンショップブランドで不動産売買及び不動産賃貸借に関わる仲介事業を行っている。これまでは主に、横浜を中心に不動産売買の仲介を行ってきたが、今後は中国人富裕層をターゲットに都内の高価格帯の売買仲介案件にも注力する方針である。連結子会社である上海徳威房地産経紀有限公司(以下、徳威不動産)と特庫伊投資は、中国で不動産売買及び不動産賃貸借に関わる仲介事業を行っている。

(5) 投資事業

連結子会社である(株)ASIAN STAR INVESTMENTSは、上記事業とのシナジー効果が見込める事業や今後の成長が見込まれる新たな事業への投資事業を行っている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)

《SO》

提供:フィスコ

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