ヤマトHDが3連騰、23年3月期営業利益予想を下方修正も宅急便値上げを好感
ヤマトホールディングス<9064>が3連騰している。6日の取引終了後に子会社ヤマト運輸が、宅急便などの運賃を4月3日から平均で約10%値上げすると発表したことが好感されている。資源・エネルギー価格や原材料価格の上昇に伴うインフレ傾向に加え、労働力減少による賃金や時給単価の上昇などのコスト増を吸収することが難しくなったと判断したためで、宅急便、宅急便コンパクト、EAZY、国際宅急便などを値上げするとしている。
同時に23年3月期の連結業績予想について、売上高を1兆8350億円から1兆8090億円(前期比0.9%増)へ、営業利益を750億円から610億円(同21.0%減)へ下方修正した。足もとの厳しい事業環境や弱含む需要動向などを考慮したほか、時給単価や燃料単価、電気代などの上昇が利益を圧迫する。また、EC物流ネットワークと既存ネットワークにおける輸配送オペレーションの適正化を進めるための費用が増加していることも響く。なお、繰延税金資産や法人税等調整額の計上を見込んでいることから、純利益は450億円(同19.6%減)の従来見通しを据え置いている。
同時に発表した第3四半期累計(22年4~12月)決算は、売上高1兆3959億円(前年同期比1.7%増)、営業利益664億円(同16.1%減)、純利益390億8700万円(同18.2%減)だった。国内消費の低迷などを背景に保守的に見ていた需要の想定を下回ったものの、法人顧客に対する価値提供の取り組みが進展したことが寄与し増収を確保したが、人件費や燃料費などの上昇が重荷となった。
株探ニュース