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澁澤倉庫 Research Memo(1):2022年3月期は大幅な営業増益。中期経営計画は目標値を2年前倒しで達成

特集
2022年7月20日 16時01分

■要約

澁澤倉庫<9304>は、倉庫業を祖業とする総合物流企業である。事業は物流事業と不動産事業に大別され、物流事業では倉庫業務、港湾運送業務、陸上運送業務、国際輸送業務、その他の物流業務の5つの業務を展開している。また、不動産事業では不動産賃貸や不動産管理などを行っている。同社は、“日本資本主義の父”と言われ、現在のサステナビリティ(持続的成長)に通じる精神を持った渋沢栄一(しぶさわえいいち)が1897年に創業した。その後、昭和初期にかけ全国に支店を開設し、戦後は陸・海・空へと事業領域を拡大、平成に入って海外展開を加速するなど業容拡大を進めた。物流事業の特徴は、商品特性などに合わせた倉庫保管サービスや、全国ネットワークの陸上運送サービスなど、様々なニーズに応える物流サービスをトータルで提供している点にある。

1. 2022年3月期及び2023年3月期の業績概要

2022年3月期の業績は、営業収益71,746百万円(前期比9.8%増)、営業利益4,516百万円(同24.5%増)となった。営業収益は、物流事業で拠点拡充などによる各業務の取扱量増加、コンテナ不足などによる一時的な海上・航空運賃単価の上昇や航空便の緊急利用、中国現地法人の連結化により増収となった。営業利益も、取扱量増加に加えて、機械化・自動化による効率性の向上などにより大幅な増加となった。2023年3月期の業績見通しは、営業収益71,800百万円(前期比0.1%増)、営業利益4,600百万円(同1.9%増)としている。海上・航空運賃単価の正常化や航空便の緊急利用が減少する一方、新規業務や拠点増床の効果により増収を維持し、増収効果や業務の効率化などにより営業利益も増益を確保することが見込まれている。

2. 長期ビジョン

同社の強みは、多品種少量貨物の効率的運営モデルや東名阪・千葉地区でのドミナント展開など消費財物流で培った専門性のほか、機械化・自動化によるマンパワーとオートメーションの融合、海外現地物流や物流の枠を超えたアウトソーシングなど業域の拡大にあり、こうした強みを明確に打ち出すことで競争力の強化や収益機会の多様化を進め、収益を拡大してきた。同社は長期ビジョン「Shibusawa2030ビジョン」を策定し、2031年3月期に営業収益1,000億円、営業利益60億円の達成を目指す。そのステップとして「澁澤倉庫グループ中期経営計画2023」(以下、「経営計画2023」)を発表し、2024年3月期に営業収益730億円、営業利益45億円を目指すとした。

3. 中期経営計画

「経営計画2023」の進捗は非常に順調で、初年度となる2022年3月期に営業利益の進捗率が100%に達した。特に国内物流ネットワークの拡充、DX推進による機械化・自動化、海外事業の拡大、サステナビリティ推進の点で明確な進捗があった。国内物流ネットワークの拡充では拠点増床のほか、シナジーが見込める企業のM&Aを進めた。DX推進による機械化・自動化では、「イノベーション推進室」を新設して先端デジタルテクノロジーと同社ノウハウの融合を加速し、繁閑に応じて機械とマンパワーを併用するノウハウを確立した。海外事業の拡大として、フィリピンで現地法人の営業を2022年6月に開始した。サステナビリティ推進では「サステナビリティ推進室」を設置して、6つのマテリアリティと各マテリアリティに対するKGI(目指す姿)とKPI(目指す数値)を設定した。

■Key Points

・サステナビリティに通じる精神を持った渋沢栄一の精神を受け継ぐ総合物流企業

・強みを生かした「経営計画2023」が順調に進捗、目標数値を2年前倒しで達成

・運賃単価の上昇などの一時的な押し上げ要因はなくなるが、2023年3月期も営業増益確保へ

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

《EY》

提供:フィスコ

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