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米国株
2022年7月20日 12時20分
特集

開始2年で利益100倍のパワフル女子、郵船トレードで7割増の技

すご腕投資家さんに聞く「銘柄選び」の技 お多福さんの場合-第1回

登場する銘柄
日本郵船<9101>、神戸物産<3038>、エムスリー<2413>、グローブライド<7990>、アイ・アールジャパンホールディングス<6035>、ズィム・インテグレイティッド・シッピング・サービシズ<ZIM>

文・イラスト/福島由恵(ライター)、編集・構成/真弓重孝(株探編集部)

お多福さん(ハンドルネーム・女性)のプロフィール:
2018年に40万円を元手に株式投資を開始。2年ほどで利益を100倍、その後に5000万円の追加資金を経て4年で億り人になったすご腕ウーマン。本業では勤務時間が安定せず、時間のやりくりに追われる兼業投資家。2人の子どもの母でもある。

投資スタイルは、新高値を抜けた銘柄に着目し、期待値の高い銘柄にピラミッティングをしていくトレンドフォロー型。投資知識を身に付けるため、図書館でたくさんの投資本を借りて読み、成功者の記事をノートに貼って繰り返し確認するなど努力を積む。

現在も通勤時間に投資動画や自身作成の投資メモを読むなど学習を継続中。四半期決算時は手書きのノートで業績変化をメモして気づきを得る。実際に店舗や関連施設に足を運び、自身の目でも好業績につながる要素があるかも確認する。勉強会では自発的に学び、様々な考え方を貪欲に吸収し、自己研鑽中だ。

今回登場のお多福さん(ハンドルネーム)には、様々な点でびっくり仰天させられた。

最初のびっくりは、投資を始めてから2年ほどで、元本の40万円を100倍にしたこと。それだけでも十分な衝撃だが、さらに「え、まじ」と驚かされたのが2021年。ここが勝負と見るや、定期預金の5000万円を取り崩し、あの海運株でリターンを上げて、運用資産は億超えを達成した。

ここだけ切り取ると、リクスを顧みず、思惑買いで勝負する相場師のような印象を受けるだろう。しかし、実態はその対極だ。

投資を始める前には、「図書館に通いつめて投資関連の書籍を読み漁り、さらにはメディアで紹介される個人投資家の記事をノートに切り貼りして繰り返しチェックしていた」という努力家だ。

また銘柄選別はファンダメンタルズを主体にテクニカルを組み合わせて売買タイミングを工夫し、損を膨らまさずに利確のタイミングを適宜見計らうという堅実路線を歩んでいる。

さらに、びっくりを付け加えると、お多福さんは医療関係の仕事に就いていること。いうまでもなく20年以降は、このコロナ禍で時間に追われ、神経をすり減らす日々を強いられていた。さらに2人の子供の母親で、主婦業もこなすという二足いや三足のわらじを履きながら、短期間で大きな成果を上げていることだ。

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最近の主な成功例には、日本郵船<9101>、神戸物産<3038>、エムスリー<2413>、そしてグローブライド<7990>などがある。どれも一時期、株価は右肩上がりのきれいな上昇トレンドを描いた銘柄で、その時々の相場をリードしてきた、スター銘柄の一角だ。

投資を始めてからわずか数年で、こうした銘柄の上昇局面でリターンを次々とさらったのは、運が味方した面もあるかもしれない。だが、それだけで勝ちを重ねられるほど投資は甘くない。

「ただ、投資がうまくなりたいという一心」で努力を積み重ね、「新高値を抜けた銘柄に注目」「上昇モメンタムに乗り買い増し」という先輩投資家から学んだノウハウを取引に生かしてきた。

それはどんなものなのか。複数回のシリーズでその詳細を紐解いていく。初回は、21年にお多福さんの運用資産を大躍進させた、日本郵船<9101>のトレード内容をクローズアップする。

日本郵船では「10カ月で5倍」の波に乗る

お多福さんの成功銘柄の代表格、郵船<9101>は、21年に年初からわずか10カ月足らずで株価を5倍以上にも膨らませるという大相場を作った銘柄だ。

初回買い時に2000円台だった株価は1万1300円台にまで上昇。その恩恵を受けて、お多福さんはこの時期、資産を70%以上にまで拡大させた

株価が5倍以上になった中で、資産は同じように膨らんでいないのは、リスク分散も含めて徐々に買い増したため。一方で、ここぞという場面では、5000万円の定期預金を解約して、その一部を購入資金に充てるという勝負に出たことが、運用資産の拡大に貢献した。

多くの投資家の注目を浴びながら、株価を上げるスター銘柄に乗ることは、それ自体は難しくないかもしれない。ただ、お多福さんの場合、投資を始めてそれほど期間が経っていないのにもかかわらず、体得した理論に基づき買い場を見極め、売買の注文では損を膨らまさない工夫を施したゆえの成功だった。

実際に郵船のケースでは、それほど多くの人が着目していない初動の段階で、成長性に注目して買い出動。その後は、多少の調整にたじろぐことなくホールドを継続する。要所で買い増しをしつつ、天井圏で売り抜けるという上級者さながらの好トレードをやってのけた。

■日本郵船の日足チャート(21年1月~21年10月4日)

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注:出来高・売買代金の棒グラフの色は当該株価が前期間の株価に比べプラスの時は「赤」、マイナスは「青」、同値は「グレー」。以下同

キモは「逆指値」「ボックス理論」「ピラミッティング」

具体的な取引内容は次のようになる。ポイントは、にわか判断ではなく、常に「こうなった場合にこうしよう」と、動きを先読みしたうえで、それに対応する計画的な行動を取っていたこと。そして、お多福さんの投資を支える基本のやり方として、「逆指値」「ボックス理論」「ピラミッティング(増し玉)」がキモとなっているということだ。

郵船株に注目し始めたのは、同社株がまだ本格上昇に入る前段階の20年12月中旬頃。投資仲間が「コロナ禍の影響で、世界中で貨物輸送に使われるコンテナ不足に陥っている」と、つぶやいたのがきっかけだ。

興味を持って早速調べてみたところ、米国の巣ごもり需要などが冷蔵庫などの白物家電の需要増を呼び、特に米中で海運物流が大幅に増えていることがわかる。さらに、運送が滞りやすい輸入国への海上運賃が倍以上に値上がりしていることも知る。ならば、今後、海運業に追い風になるのでは、と考え期待感を膨らませた。

時同じくして、米国に住む友人が「注文した商品がなかなか届かない」と、ぼやいていたのもお多福さんの仮説を支える材料に。実際に身の回りで起こっていることと、自身が調べた運賃価格高騰の事実が結びつき、その恩恵をじかに受ける海運業のニーズはますます高まり、業績拡大へとつながる確信度合いを強めていった。

リスクを抑えたポイントで買いエントリー

その後、郵船株を仕込むにあたり、重視したのは下げリスクを極力抑えた形で買いエントリーすることだ。その実現のため、普段は本業の仕事で忙しいお多福さんは、「逆指値」を入れつつ売買注文を出す手法を役立てた。

逆指値とは、株価が一定以上に「上がれば買い注文」、「下がれば売り注文」という、通常の注文方法と逆のやり方で注文を通す発注法だ。お多福さんは、株価に上昇モメンタムが出た時には買いで乗り、購入後、下降の力が働くときは撤退しようというプランを持っており、これに対応するための手段となる。

チャートを見ると、日本郵船は低水準の株価で長いレンジ相場(ボックス圏)の中にあり、まだ日柄調整が終わっていない状態だと理解する。「売りたい人がほとんどいない」タイミングで買いを入れようと考えたお多福さんは、このレンジの上限を超えた価格に逆指値を入れ、上昇モメンタムが出るのを待つこととした。

目論見通りに買い注文が実行されたのが、21年2月4日(上のチャートと下の表の①の部分)。郵船が21年3月期第3四半期決算にあたる10-12月の実績発表を行った翌日となる。「営業利益が前年同期比88%増」という好決算に反応し、株価が動意づいた流れにうまく乗った。

■『株探プレミアム』で確認できる郵船の四半期決算の長期の成長性推移

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買い出動後はモメンタムに乗り利益最大化へ

買い出動の後、次に取り組んだのは、株価上昇のモメンタムに追随し、下げリスクに注意しつつも利益の最大化を目指すこと。ここで実践した考え方が、「ボックス理論」と「ピラミッティング」になる。

ボックス理論は、成長株投資を行う著名投資家、ニコラス・ダーバスが提唱する考え方で、図の要領でトレードを進めていくやり方。

■ボックス理論の考え方の図

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ピラミッティングは株価の上昇にしたがって、ピラミッドを構築するように保有ポジションを増やし、利益の最大化を追求するトレンドフォローの投資手法だ。

お多福さんは、当初に考えた海運株の業績成長が維持される限りは、株価も「上昇→ボックス圏→上昇→ボックス圏→上昇」のリズムを描きつつ、基本トレンドは右肩上がりの動きを見せるとイメージ。その動きに乗るよう行動していった。

※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。

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