ゼロから始める「株探」の歩き方 ― (18)指数の動きを逆手に取った銘柄選びをやってみよう

特集
2020年4月9日 14時40分

個別銘柄の選別に指数・セクターの動きを反映させる

横山利香(ファイナンシャルプランナー、テクニカルアナリスト)

◆値上がり期待値の高い銘柄を選別

「日経平均の寄与度ランキング」の表の上にある囲みには、「日経平均株価」(数値と前日比)、そして「値上がり銘柄数」と「値下がり銘柄数」、「変わらず」が表示されていますので、全体的な地合いをここで見ることができます(図3参照)。

図3 「日経平均の寄与度ランキング」(プラス寄与度)

ゼロから始める「株探」日経平均の寄与度ランキング

表の見方を簡単に説明いたします。ランキングでは上位から東京エレクトロン <8035> 、アドバンテスト <6857> 、ソフトバンクグループ <9984> 、ファーストリテイリング <9983> と並んでいます。これらはいずれも日経平均株価に対する寄与度の高い銘柄としてよく知られている値がさ株です。図3では日経平均株価は373.88円上昇していますが、東京エレクトロンの寄与度をみると「+42.87」とあります。これは日経平均株価をこの1銘柄だけで42.87円押し上げたことを意味しています。

表の項目の真ん中ほどにある「寄与度」の見出しには上向きと下向きの矢印が並んで記載されています。下向きの矢印「↓」をクリックすると日経平均株価の上昇に貢献したプラス寄与度の銘柄が、反対に上向きの「↑」をクリックすると日経平均株価の足を引っ張ったマイナス寄与度の銘柄が、ランキング形式でそれぞれ表示することができます。(※赤色で選択されている矢印の項目によって表中の銘柄は並び変わります)

図4 「日経平均の寄与度ランキング」(マイナス寄与度)

ゼロから始める「株探」日経平均の寄与度ランキング

数千にものぼる銘柄の中から、値上がり期待値の高い銘柄を探すことは難しいかもしれません。しかし、日経平均株価と同じくらいのパフォーマンスでよいというのであれば、225採用銘柄の中から選択するのも一つのやり方だといえます。近年は、株式市場がある程度下落した時には日銀によるETFの買い入れが行われることはほぼ既定路線ですから安心感もありますし、新興市場などで個別銘柄を物色するよりも場合によっては高パフォーマンスを叩き出せるかもしれません。

たとえば、株価が暴落した時に、日経平均株価のリバウンド局面で上昇が期待できる値上がり期待値の高い銘柄を買いつけておけばよいわけです。不安定な地合いでは長く保有することがためらわれる人も多いでしょうし、有望成長株のようなパフォーマンスを叩き出せなくても、短期売買を繰り返すには日経平均に採用されているような時価総額が大きい銘柄の方がやりやすいでしょう。普段から「日経平均の寄与度ランキング」で寄与度や前日比で銘柄をソートするなどチェックしておき、いつでも売買できるように銘柄を選別しておくとよいでしょう。

ちなみに、日経平均株価採用の225銘柄の入れ替えの際には、新たに採用される可能性が高い銘柄を予測し、先回りして銘柄を買っておく「225採用を狙ったイベント投資」という手法もあります。狙いを定めて事前に購入しておいた銘柄が実際に225銘柄に採用されれば、株価が上昇する可能性は高いのですが、もちろん採用されない場合もあります。過去を振り返れば、採用候補として有力視されていながら225銘柄に採用されなかった場合には、失望感から売られて大幅安になったケースも少なくありませんので、その点には注意を払ってください。

次ページ:「業種別騰落ランキング」、セクター動向を把握

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