ゼロから始める「株探」の歩き方 ― (23)好業績銘柄からテンバガー候補をピックアップしよう!

特集
2020年6月26日 9時30分

好業績銘柄は投資家に注目されるのを待っている

横山利香(ファイナンシャルプランナー、テクニカルアナリスト)

◆「ウィズ&アフターコロナ」と企業業績

個人投資家のみなさん、こんにちは! 株が大好き、認定テクニカルアナリストの横山利香です。

コロナウイルスがもたらした臨時休校の影響で、子供たちの今年の夏休みは授業の遅れを取り戻すため短くなりますが、それでも夏休み前に都道府県をまたぐ移動が解禁されました。仕事で離れて暮らす家族や遠方に住む両親姉弟といった親族の顏を見ることができるようになり、日常生活が少しずつ戻ってきていることを実感できるようになってきました。

日本国内では経済活動が再開されて、新型コロナウイルスとどうやって共存し生活していくのかが、今後の注目点になってきています。足元の日経平均株価は2万3200円目前で高値をつけて調整局面にありますが、それでも2万2000円台で底堅く推移しています。その背景には、経済活動の再開に伴い、企業業績の回復期待が高まっていることがあるのでしょう。

一方で、米国や中国では新型コロナウイルスの感染が再び拡大しつつあるようで、第二波への警戒感が高まっています。さすがに再びロックダウンを行うことはないだろうと希望を込めて願っていますが、第二波襲来となれば経済活動への影響は免れないことでしょう。今後の感染状況には注目しておきたいところです。

世界各国にコロナショックが駆け巡った3月からすでに3カ月あまりが経過し、早くも第1四半期決算が気になる時期になってきました。"ウィズ&アフターコロナ"の日本経済がどうなるのか、決算動向が気になるところですね。

そこで今回は、株探の「銘柄探検」のファンダメンタルズとテクニカルの2つの視点のうちの「ファンダメンタルズで探す」をみていきましょう。

◆「好業績=株価上昇」とは限らない

いつものように各ページの上部にあるグローバルナビから「銘柄探検」を選んでクリックします。表示された「銘柄探検」のページには、オレンジ色の「ファンダメンタルズで探す」と緑色の「テクニカルで探す」の2つのメニューが用意されています。今回は「ファンダメンタルズで探す」の真ん中にある「今期【最高益更新】銘柄」をみていきましょう。

株価が上昇していくためには、一般的に業績が好調で、将来も良好なファンダメンタルズを想定でき、さらに上振れ期待が高いことなどが必要な条件となります。なかでも、「今期【最高益更新銘柄】」では、企業自らが今期業績が過去最高の利益を更新するだろうと強気の見通しを発表しているわけですから、相当な自信の表れだといってよいでしょう。

ただ、個人投資家が銘柄を選ぶという視点では、企業側の発表と株価の関係性において注意しなければならない点がいくつかあります。

まず、今期業績が最高益を更新するほど良好な見通しであるとしても、それがすでに株価に織り込まれてしまっている場合です。株価にすでに会社側が発表した水準の業績が織り込まれており、それを上回る好業績を期待して株価が上昇してきた場合には、たとえ決算が良好な内容であったとしても期待値に届かないという理由で失望を招き、株価は下落してしまう可能性があります。

次に、企業体質や経営者の考え方などによるのでしょうが、決算発表でいつも強気(もしくは弱気)な見通しを明らかにする企業があるということです。強気もしくは弱気のどちら寄りの発言をする企業であるのかを理解しておかなければ、他の投資家と見ている数値のとらえ方がまったく異なったものになります。たとえば、強気な見通しをいつも出す企業の場合には、それなりに強い数値を出してきても、市場の期待に応えられるそれ以上の数値を出さない場合には、失望売りで下落する可能性も出てくることになるでしょう。過去の決算書などでしっかりと企業の発表傾向を確認しておきましょう。

また、期初の通期見通しを期中に幾度も上方修正するパターンを過去に繰り返している企業は、弱気な見通しを発表する傾向がある企業といえます。逆に、過去に通期見通しの下方修正を幾度も繰り返すパターンがみてとれる企業は、(実現が難しい)強気な見通しを発表する傾向があるといえるでしょう。なお、有料サービスとはなりますが、株探プレミアムでは業績修正の履歴を5年間分ご覧いただけますので、こちらを利用して確認することもできます。

次ページ:今期の急成長が際立つ最高益更新銘柄

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