前日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

注目
2020年9月11日 5時30分

■アマテイ <5952>  135円 (+23円、+20.5%) 一時ストップ高

釘のトップメーカーであるアマテイ <5952> [東証2]が続急騰、一時ストップ高に買われた。共同通信が9日夜に、「国土交通省は9日、台風や地震で住宅の屋根瓦が落下しないよう、新築時は瓦を1枚ずつ全て固定することを義務化する方針を固めた」と報じており、これが刺激材料となったようだ。同社のほか、住宅用の締結部材や締結工具を製造する日本パワーファスニング <5950> [東証2]、陶器瓦最大手の鶴弥 <5386> [東証2]も買われた。

■Bガレージ <3180>  2,461円 (+386円、+18.6%) 一時ストップ高

東証1部の上昇率2位。ビューティガレージ <3180> が急騰。9日の取引終了後に発表した21年4月期第1四半期(5-7月)の連結経常利益は前年同期比11.4%増の1億7600万円に伸びて着地。上期計画の1億7200万円を既に上回っており、業績上振れを期待する買いが向かった。物販事業でEC売上高が大きく伸びたことが業績を牽引した。新型コロナウイルス感染拡大の影響で5月は大きく落ち込んだものの、6月以降はデジタル化促進の追い風もあり、新規会員獲得数が急増し、販売額が大幅に拡大したという。併せて、プロ用まつげエクステンションで老舗の著名ブランド・メーカーである松風グループを買収したことも明らかにしている。

■アクリート <4395>  1,007円 (+119円、+13.4%) 一時ストップ高

アクリート <4395> [東証M]が急反騰、一時ストップ高。今週に入り、NTTドコモ <9437> の電子決済サービス「ドコモ口座」を使った銀行預金の不正引き出しに関する問題が複数のメディアで報じられており、2段階認証などにも利用されるSMS(ショート・メッセージ・サービス)への関心が高まったようだ。これを受け、企業から個人向けのSMS配信代行サービスなどを手掛けるアクリートをはじめ、SMSサービスを手掛けるグループ会社を持つfonfun <2323> [JQ]、そのほかサイバーセキュリティー関連株の一角などに思惑的な買いが向かった。

■ベステラ <1433>  1,100円 (+114円、+11.6%)

東証1部の上昇率5位。ベステラ <1433> が急反騰。9日取引終了後、これまで未定としていた21年1月期の連結営業利益は前期比28.8%増の1億2000万円となる見通しを明らかにした。同社はプラント解体工事を手掛けているが、新型コロナウイルスの感染拡大による影響で余剰設備の統廃合が活発化していることが追い風となる。今期配当は前期比横ばいの1株当たり16円の予想と据え置いた。

■サンワカンパ <3187>  270円 (+25円、+10.2%)

サンワカンパニー <3187> [東証M]が急騰。9日の取引終了後、LIFULL <2120> の子会社であるLIFULL Social Fundingと地域創生事業で業務提携することで合意したと発表しており、これが好材料視された。業務提携に基づき、両社はLIFULLファンドが投資する地域創生事業において、同社が販売する住宅設備機器・建築資材やモジュラー建築クラスコの活用、デザイン企画、地域創生事業及び事業者の相互紹介など、幅広く協業していくという。

■ベリテ <9904>  228円 (+20円、+9.6%)

ベリテ <9904> [東証2]が急反発。10日午後1時ごろに発表した8月度の売上高速報で、既存店売上高が前年同月比8.0%増となり、2ヵ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。客数が同7.2%減となり、7月の同9.9%減に比べて減少率が縮小したほか、客単価が同16.3%増と引き続き2ケタ増となったことが寄与した。なお、全店売上高は同13.5%増だった。

■トリケミカル <4369>  11,230円 (+730円、+7.0%)

トリケミカル研究所 <4369> が急反発。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が9日付で同社の投資判断を「Hold(中立)」から「Buy(買い)」に引き上げるとともに、目標株価を1万2000円から1万2500円へ増額しており、これを好材料視する買いが入った。リポートでは、歩留り向上や性能向上には欠かせない同社の半導体製造用特殊ガス製品に対する需要は旺盛であると評価し、業績予想を上方修正した。また、株価下落により潜在リターンが拡大していることも指摘している。

■インフォMT <2492>  769円 (+44円、+6.1%)

インフォマート <2492> が大幅反発。10日11時ごろ、エイトレッド <3969> と、企業間取引文書と社内文書のペーパーレス化事業で協業を開始したと発表しており、これを好感する買いが入った。企業経営のデジタルトランスフォーメーション(DX)化や社内外文書のデジタル化が急務となるなか、社内文書電子化のリーディングカンパニーであるエイトレッドのマーケティング及び製品ノウハウと、企業間取引文書電子化のリーディングカンパニーである同社のサービスを組み合わせ、バックオフィスDXに取り組むすべての企業に対し、最適なソリューションを提供するとしている。

■日本アンテナ <6930>  979円 (+50円、+5.4%)

日本アンテナ <6930> [JQ]が急反発。同社は10日、三協立山 <5932> 及びソフトバンク <9434> と共同で、容易に設置可能な第5世代移動通信システム(5G)基地局用の“見えない”看板アンテナを開発したと発表。これが材料視されたようだ。3社はアンテナモジュールを看板に内蔵することで、“見えない”アンテナを実現。看板は広告としての機能を優先させるため、その設置場所や設置方向で制約を受けるが、このアンテナは5G基地局用として電波の放射方向を柔軟かつ容易に設定できるという特長があり、街の景観を損なうことなく、低コストでスピーディーに基地局展開できるとしている。

■楽天地 <8842>  4,190円 (+215円、+5.4%)

東京楽天地 <8842> が急反発。同社は9月9日大引け後に決算を発表。21年1月期第2四半期累計(2-7月)の連結経常損益は1億円の赤字(前年同期は9.2億円の黒字)に転落した。しかしながら、併せて通期の同損益を従来予想の5億円の赤字→4.5億円の赤字(前期は15.8億円の黒字)に上方修正し、赤字幅が縮小する見通しとなった。

■セントケア <2374>  709円 (+29円、+4.3%)

セントケア・ホールディング <2374> が大幅高で4日続伸、年初来高値を更新した。同社株の700円台乗せは2018年9月以来約2年ぶりとなる。訪問介護を主力とする介護サービス会社だが、ここ最近は人工知能(AI)関連やロボット関連の一角として注目されている。昨年、AI搭載の汎用ロボットプラットフォームを手掛ける米アイオロス社に資本参加し、業務効率化への取り組みを加速させている。介護分野も人手不足が問題となっているが、高齢化社会に対応した介護業界のデジタルトランスフォーメーション(DX)関連としての位置づけで投資マネーを誘導している。

■JMDC <4483>  7,900円 (+310円、+4.1%)

JMDC <4483> [東証M]が3日ぶり大幅反発。同社は、医療データベースの構築や調剤薬局へのデジタルソリューション提供などを手掛ける。9日の取引終了後、イーエムシステムズ <4820> 及びその子会社であるチョキとの間で資本業務提携を行うと発表しており、これが好感された。提携内容は、統計情報による薬局向け業務・経営支援サービスの開発やクリニック・薬局向けキャッシュレス事業の推進、製薬企業向け統計情報サービスの開発としている。

■ゴルフ・ドゥ <3032>  333円 (+12円、+3.7%)

ゴルフ・ドゥ <3032> [名証C]が大幅反発し、年初来高値を更新した。同社は10日午前10時頃に8月度の店舗売上高を公表。全店舗(直営店舗とFC店舗の合計)の既存店売上高は前年同月比22.6%増となり、3ヵ月連続で前年実績を上回ったことが好感されたようだ。新品クラブは在庫圧縮を継続している影響で前年実績を下回ったものの、中古クラブやグローブなど用品の販売は好調だった。なお、直営店舗の既存店売上高は同18.4%増、FC店舗の既存店売上高は同25.2%増だった。

■セレス <3696>  1,935円 (+52円、+2.8%)

セレス <3696> が続伸し、年初来高値を更新した。9日の取引終了後、ポイントサイト「モッピー」がPayPay(東京都千代田区)と連携し、決済サービス「PayPay」で利用できる「PayPay ボーナス」へのポイント交換を同日から開始すると発表。今回のポイント連携により、モッピー会員はモッピーポイントをリアルタイムで「PayPay ボーナス」に交換でき、モッピー内で獲得したポイントを「PayPay」を通じたスマホ決済で利用できるという。また、モッピーポイントから「PayPay ボーナス」への交換も可能となるとしている。

■ファナック <6954>  21,155円 (+535円、+2.6%)

ファナック <6954> が反発。直近発表された8月の工作機械受注は前年同月比23.3%減と低調で23ヵ月連続で前年同月実績を下回っているが、新型コロナウイルス感染拡大や米中摩擦激化の影響による収益環境の厳しさは織り込み済み。既に中国では自動車販売が増勢にあり、工作機械や産業ロボットの需要拡大が見込まれるなか、同社株への実需買いが厚みを帯びている。信用買い残も枯れた状態で直近信用倍率は0.99倍、日証金では貸借倍率0.27倍と株式需給面から上値は軽い。

■日本取引所 <8697>  2,914円 (+69円、+2.4%)

日本取引所グループ <8697> が3連騰、7月21日につけた2869円を上回り上場来高値更新となった。米国株市場は9日に4日ぶりに主要株指数が反発したとはいえ、波乱の余韻が残り、東京市場もそれに追随して上値の重い動きを強いられた。また、東証1部の売買代金も今週明け7日まで5営業日連続で2兆円台を割り込むなど決して活況とはいえない環境にある。しかし、同銘柄は8月初旬以降、ほぼ一貫して上値指向を続けている。市場では「今週末のメジャーSQ通過まではマーケットも不安定ながら、来週は日米の金融政策決定会合もあり、緩和期待の継続から市場心理も改善する可能性がある。株価上昇局面となれば売買高も膨らむ公算が大きい」(国内証券ストラテジスト)という声もある。また、信用残は大幅に売り長で直近信用倍率は0.2倍台、日証金では株不足状態で逆日歩がつく状況にあり、買い戻しを誘発したもようだ。

■JIA <7172>  1,181円 (+25円、+2.2%)

ジャパンインベストメントアドバイザー <7172> [東証M]が反発。同社は10日、NEC <6701> や大林組 <1802> 、伊藤忠テクノソリューションズ <4739> などと連携し、共創型R&Dから新事業を創出する共同出資会社「BIRD INITIATIV(バード イニシアティブ)」を設立し、10月から事業を開始すると発表。これが買い手掛かりとなったようだ。この新会社は、産官学連携強化、高度人材獲得、資金調達などを重ね、2025年までに新事業のカーブアウト6件を創出することを目指している。JIAは金融ソリューション事業会社として、事業計画立案、新事業実現に係る資金や人材獲得を支援し、事業価値創造に寄与していくという。

■HIS <9603>  2,090円 (+44円、+2.2%)

旅行会社大手のエイチ・アイ・エス <9603> 、オンライン旅行代理店のアドベンチャー <6030> [東証M]、オープンドア <3926> など旅行関連株に投資資金が流入。政府が観光需要の喚起を図る目的で打ち出した「Go To トラベル」で東京都は除外されていたが、「10月1日から補助対象に追加する検討に入ったことを一部メディアが報じており、これに反応したもの。これまで観光関連は新型コロナウイルスの影響で厳しい収益環境を強いられたが、東京がGo Toの対象となればそれなりのプラスインパクトはある。もっとも株価的にはショートカバーでかなり戻してしまっている銘柄が多く、ここからの上値余地となると限定的ではないか」(国内中堅証券ストラテジスト)という声が出ている。

■国際石開帝石 <1605>  636.9円 (+9.2円、+1.5%)

国際石油開発帝石 <1605> 、石油資源開発 <1662> など資源開発関連株が高い。ここ米国株安と歩調を合わせ原油市況もリスク回避の売りで急速に水準を切り下げる展開となっていたが、前日9日のWTI原油先物価格はNYダウなどが急反発するのを横目に上昇に転じた。1ドル29セント高の1バレル=38ドル5セントまで戻しており、これを背景に米株市場ではシェブロンが反発するなどエネルギー関連株の一角に買いが入った。東京市場でもこれに追随する形で原油市況と株価連動性の高い銘柄にリバウンド狙いの買いが優勢となった。

■三菱UFJ <8306>  437.4円 (+5.5円、+1.3%)

三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> が頑強、9日の米国株市場では、NYダウなど主要株指数が大きく切り返しに転じたが、そのなか、シティグループやJPモルガン、バンク・オブ・アメリカなど大手金融機関が堅調な値運びをみせた。米10年債利回りは再び上昇に転じ0.7%台を回復している。東京市場でも同銘柄はここ調整色を強めていたが、25日移動平均線近辺まで調整を入れ値ごろ感が生じており、配当利回りの高さなどに着目した押し目買いを誘った。

■システムサポ <4396>  1,662円 (+20円、+1.2%)

システムサポート <4396> が反発。岩井コスモ証券は9日、同社株の投資判断「A」を継続するとともに、目標株価を1350円から1900円に引き上げた。同社はITシステム開発を手掛け、データベースやクラウドの移行・基盤構築などを展開している。20年6月期の連結営業利益は前の期比42.5%増の7億5400万円と好調だった。クラウドサービス利用支援分野などが伸びた。注目ポイントは、クラウド関連支援サービスは今後も高い需要が見込めることや、米サービス・ナウの日本企業初のサービスパートナーとして導入支援が伸びていることだ。同証券では、21年6月期の連結営業利益は前期比8.1%増の8億1500万円と会社計画(7億9800万円)を上回ると予想。22年6月期の同利益は9億1500万円を見込んでいる。

■岩谷産 <8088>  4,100円 (+40円、+1.0%)

岩谷産業 <8088> が上伸し年初来高値を更新。今月に入り一気に上値追い基調を強め、18年2月につけた4175円高値に迫っている。米国で燃料電池トラックメーカー、ニコラが米ゼネラル・モーターズと資本提携したことが話題となったほか、欧州連合(EU)が水素社会構築に向け積極投資を行うことを表明するなど「水素」関連株に対する見直し機運が高まっている。岩谷産は国内外で水素ステーションを展開しているほか、液化水素を製造するノウハウを持つ。また、水素充填システムなどを手掛ける大陽日酸 <4091> が急伸したほか、同じく水素ガス発生装置などで実績を持つエア・ウォーター <4088> も値を上げた。

※10日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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