ゼロから始める「株探」の歩き方 ― (31)「循環スイングトレード」で、株式市場のトレンドをつかもう【市場マップ】

特集
2020年11月6日 10時00分

地合いの波にチャートを使って乗り続けよう

横山利香(ファイナンシャルプランナー、テクニカルアナリスト)

◆株価動向分布で売買タイミングにある銘柄を探そう

次に「G/Dクロス」をみていきましょう。「G」はゴールデンクロスを、「D」はデッドクロスを意味します。「G/Dクロス」では、株価が5日移動平均線を上抜くミニゴールデンクロスを薄い赤色で、反対に株価が5日移動平均線を下抜くミニデッドクロスを薄い青色で表示しています。そして、5日移動平均線が25日移動平均線を上抜くゴールデンクロスは濃い赤色で、5日移動平均線が25日移動平均線を下抜くデッドクロスは濃い青色で表示されます(図7)。

図7 「市場マップ」の株価動向分布 「G/Dクロス」

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「G/Dクロス」の項目を「東証1部」で表示させると、10月27日の市場では「サービス」や「情報・通信」でゴールデンクロスよりもデッドクロスの方が多く、それ以外の業種ではゴールデンクロスが多いことがわかります(図7)。セクターとしては「情報・通信」「サービス」ともに業種名が赤色で表示されているようにこの日は上昇しているのですが、これまでの株価推移による値位置によって地合いに差が出ているのかもしれません。気になった場合は業種名の上にある「C」のアイコンをクリックして業種別株価指数の値動きを確認しましょう。ゴールデンクロス・デッドクロスを表す赤色、青色の小さな四角の上にポインタを置くと業種、市場、コード番号、銘柄名、株価、上昇・下落率、日付を掲載したポップアップウインドウが立ち上がります。四角をそのままクリックすれば個別銘柄の株価チャートページに移動しますので、株価の位置を確認してみましょう。

本シリーズの20回目「急騰・急落銘柄を移動平均線に注目してピックアップしてみよう」で解説したように、ゴールデンクロスとデッドクロスは市場で最も一般的に使われている売買サインの一つです。「市場マップ」の「G/Dクロス」を活用して売買タイミングにある銘柄を探ってみるのもよいでしょう。

◆買われ過ぎ、売られ過ぎをチェック(1)――「乖離率/25日線」

「株価動向分布」の3つめの項目である「乖離率/25日線」をみていきましょう。「乖離率/25日線」では、25日移動平均値から株価(終値)がどれだけ乖離しているのかを表している分布図となります(図8)。「上昇・下落率」と同様に赤から青へ濃淡をつけて、「+10%以上のプラスカイリ」から「-10%以上のマイナスカイリ」までの11段階に色分けをして、プラスもマイナスも数字が大きくなるほど濃くなり、ゼロに近づくと薄くなります。株価が移動平均線の上にある銘柄が赤、移動平均線の下にある銘柄が青で表示されます。

一般的に、25日移動平均線から上に10%離れると「買われ過ぎ」に、下に10%離れると「売られ過ぎ」とされます。「乖離率/25日線」では相場の過熱感を一目で把握することができ、買われ過ぎや売られ過ぎの状態にある銘柄、買われ過ぎや売られ過ぎに近づいている銘柄の分布を押さえることができます。

業種名の上にある「C」のアイコンをクリックすると、業種別株価指数のチャートページに移動することができます。マップ上の小さな四角の上にマウスのポインタを置くと「業種、市場、コード番号、銘柄名、株価、上昇・下落率、カイリ率」をポップアップウインドウで表示でき、さらに四角をクリックすると個別銘柄のチャートページに移動することもできます。

個別に売買タイミングにある(近づいている)可能性のある銘柄を知ることができるのはもちろん、全体の分布を眺めることで相場がいつ反転するかを分析するときに活用することができます。濃い赤色や濃い青色の占める割合が大きくなった時などは、市場全体の上昇(下落)スピードが速くて行き過ぎたものとなっている可能性があるのです。例えば、全業種まんべんなく青色で表示され、濃い青色の表示が目立つほど増えているときは市場全体が売られ過ぎの状況になっていることがわかりますから、いずれ下げ止まって反転する可能性があると考えることができます。

図8 「市場マップ」の株価動向分布 「乖離率/25日線」  

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次ページ:買われ過ぎ、売られ過ぎをチェック(2)――「ボリンジャーバンド」

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