横山利香「令和時代の稼ぎたい人の超実践! 株式投資術」― (6)市場再編の波に乗る!TOPIX改革と株高戦略に走る企業
個人投資家のみなさん、こんにちは! 株が大好き、認定テクニカルアナリストの横山利香です。
一方、流通時価総額が100億円前後をウロウロしていて、TOPIXの算出対象から外れたくないと考える企業は、今後、流通時価総額を押し上げるために、株価上昇を意識した戦略を意欲的に打ち出さなければならないことになります。そのための主な方法は、(1)好調な業績を維持して株価を上げる、(2)株主優待を拡充して株価を上げる、(3)配当金を新設・増額して株価を上げる――の3つが考えられるでしょう。
たとえば、東証1部に上場しているウェルビー <6556>は、17年に東証マザーズ市場に上場、21年1月には東証1部に指定替えをされています。指定替えというと株価が上昇するイメージを抱きがちですが、どちらかといえば地合いに左右される場合が多く、同社の業績は順調な推移が続いているにもかかわらず、株価は1500円を挟んでもみ合う動きが続いています。21年3月には前期(21年3月期)業績の上方修正と併せて同社のサービスを利用できる株主優待の新設を発表、期末配当も増額と大盤振る舞いの状態です。
●図3 ウェルビー <6556>の日足チャート
同社の時価総額は400億円程度あり、現時点では、流通時価総額100億円をクリアしていると考えてよいでしょう。ただ、今後株価が下落するような事態に陥れば、状況次第では流通時価総額が100億円に近づいてくる可能性も出てきます。株価上昇に向けて取れる手段は取っていますので、好業績を維持し続けて、できるだけ株価が下落しない=下落すれば買いが入るような状況を普段から作り上げておくことが重要になりそうです。一般的な話ではありますが、順調な業績推移を維持できれば株価はゆっくりと上昇していく可能性が高いからです。
私も大化け期待の中小型株が大好きですから、市場再編によってTOPIXから外される可能性がある銘柄の売り需要がどの程度株価に影響を与えるのか、気になるところです。しばらくは企業が株価対策としてどのようなアクションを起こしてくるのか、そして市場再編のスケジュールには十分に注目しておきたいですね。
株探ニュース