今週の【早わかり株式市況】2週続伸、週初から大幅高で2万8000円台回復

市況
2023年3月11日 6時40分

■今週の相場ポイント

1.日経平均は2週続伸、2万8000円台を回復

2.メジャーSQ算出週、一時2万8700円台前半まで上昇

3.パウエル議長の議会証言で米利上げ長期化の警戒膨らむ

4.連騰を受け利益確定売りが上値を抑える

5.日銀の金融政策は現状維持も、発表後は下げ幅拡大

■週間 市場概況

今週の東京株式市場で日経平均株価は前週末比216円(0.8%)高の2万8143円と2週連続で上昇した。

パウエルFRB議長の議会証言を受け、米国での利上げ長期化の警戒感が強まり、米国株には下落圧力が掛かった。東京市場はSQ算出などの要因があるなかで、週半ばまで上昇基調を継続。後半は利益確定目的の売りが上値を圧迫したものの、終値で2万8000円台を回復した。

6日(月)の東京市場で日経平均は310円高と大幅続伸し、2万8000円台を回復した。前週末の米国市場でハイテクセクターを中心に物色機運が高まり、NYダウナスダック総合株価指数ともに大幅高となったことが支援材料となった。7日(火)は71円高と3日続伸。模様眺めのムードが漂うなか、先物主導でインデックス買いが入り株価水準を切り上げた。8日(水)は135円高と4日続伸。パウエルFRB議長の議会証言の内容がタカ派的と受け止められ、前日の米国株は波乱展開となったが、東京市場は外為市場で一時1ドル=137円台後半まで円安が進行したことを追い風に逆行高となった。9日(木)は178円高と5日続伸。FRBの利上げ長期化への警戒がくすぶるなか、米主要株価指数が引けにかけて戻り足となり、投資家の買いを誘う要因となった。一時300円近く上昇したが、SQ算出や日銀の金融政策決定会合の結果発表を翌日に控え、買い一巡後は伸び悩んだ。しかし、10日(金)は479円安と6日ぶりに急反落した。前日の米国市場は銀行株などを中心に売られNYダウが大幅安となり、日本株の重荷となった。日銀の金融政策決定会合で大規模緩和策の現状維持が発表されたが、一時下げ幅が縮小した後は売り直しの展開。プライム市場の9割超の銘柄が下落する全面安となった。

■来週のポイント

来週も日本市場は底堅い展開が見込まれる。米指標や金利動向によって上下に振らされることはあろうが、足もとの力強い相場からは大きく崩れる姿が想像しにくい。ただ、チャートの上では目先達成感もあり、更なる上昇も難しいと思われる。日経平均の上値は2万8500円どころが壁となりそうだ。

重要イベントとしては、国内では13日朝に発表される1-3月期法人企業景気予測調査、16日朝に発表される1月機械受注と2月貿易統計が注目される。海外では14日に発表される米国2月消費者物価指数、15日に発表される中国2月の小売売上高と鉱工業生産、米国2月小売売上高、16日発表の米国2月住宅着工件数、17日に発表される米国2月コンファレンス・ボード景気先行指数に注視が必要だろう。

■日々の動き(3月6日~3月10日)

【↑】   3月 6日(月)―― 大幅続伸、欧米株高を受けリスク選好の買い優勢

日経平均 28237.78( +310.31)  売買高10億9054万株 売買代金 2兆7449億円

【↑】   3月 7日(火)―― 3日続伸、朝安も先物主導の買いで切り返す

日経平均 28309.16(  +71.38)  売買高11億2720万株 売買代金 2兆7872億円

【↑】   3月 8日(水)―― 4日続伸、円安追い風に先物主導で買い優勢

日経平均 28444.19( +135.03)  売買高11億0677万株 売買代金 2兆7202億円

【↑】   3月 9日(木)―― 5日続伸、米株軟調もリスク選好の買い優勢

日経平均 28623.15( +178.96)  売買高12億0300万株 売買代金 2兆8807億円

【↓】   3月10日(金)―― 6日ぶり反落、米株安を受け利益確定の売り優勢

日経平均 28143.97( -479.18)  売買高16億9375万株 売買代金 4兆1566億円

■セクター・トレンド

(1)全33業種中、25業種が値上がり

(2)上昇率トップとなった東電HD <9501> など電気・ガスを始め、

JR東日本 <9020> など陸運、キリンHD <2503> など食料品といったディフェンシブ株が買われた

(3)HOYA <7741> など精密機器、ソニーG <6758> など電機、ホンダ <7267> など自動車といった輸出株が高い

(4)内需株は積水ハウス <1928> など建設、三菱倉 <9301> など倉庫・運輸、 三井不 <8801> など不動産は総じて堅調。

(5)三菱UFJ <8306> など銀行、第一生命HD <8750> など保険、野村 <8604> など証券といった金融株は売られた

(6)下落率トップはINPEX <1605> など鉱業

■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数)

1(1) 人工知能

2(3) インバウンド

3(2) 半導体

4(4) パワー半導体 ── 引き続き事業環境良好との見方変わらず

5(5) パチンコ・パチスロ

※カッコは前週の順位

株探ニュース

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.