かぶたん ロゴ

24年10-12月期【利益倍増】企業はこれだ!〔第1弾〕 31社選出 <成長株特集>

特集
2025年2月24日 19時30分

3月期決算企業の4-12月期決算がほぼ出そろった。本特集では、直近3ヵ月実績である10-12月期(第3四半期)に経常利益が前年同期と比べて2倍超の大幅増益を達成した企業にスポットライトを当てた。

今回は第1弾として、時価総額1500億円以上の銘柄(銀行を除く)の中から利益倍増企業として31社をリストアップし、増益率の大きい順に並べた。なお、下表では四半期ベースの「増益連続期数」、4-12月期経常利益の通期計画に対する進捗割合を表す「対通期進捗率」も併せて記した。

増益率トップとなったのは、富士通 <6702> [東証P]。24年10-12月期(第3四半期)の税引き前利益は前年同期の1億0500万円から781億8100万円に急拡大して着地。主力のサービスソリューション事業がデジタルトランスフォーメーション(DX)やシステム刷新案件を中心に拡大したうえ、採算性の改善も着実に進んだ。前年に構造改革費用を計上した反動も利益拡大につながった。

2位の古河電気工業 <5801> [東証P]はインフラ事業で国内の地中線工事案件が好調だったほか、機能製品事業では生成AI(人工知能)の需要増加に伴うデータセンター関連投資の活況を背景にサーマル製品やハードディスク用アルミブランク材などの引き合いが旺盛だった。また、円安による為替差損益の改善も大幅増益に貢献した。業績好調に伴い、25年3月期通期の業績予想と配当計画を上方修正している。

生成AIやデータセンターの需要拡大が追い風になった銘柄では、半導体検査装置で世界大手のアドバンテスト <6857> [東証P]が17位、電線・ケーブル大手のフジクラ <5803> [東証P]が20位、半導体製造装置メーカーの東京精密 <7729> [東証P]が28位にそれぞれリスト入りした。フジクラは好決算と業績上方修正が評価され、株価は13日に上場来高値7620円まで上値を伸ばしている。

3位に入ったのは医用電子機器メーカーの日本光電工業 <6849> [東証P]。10-12月期の経常利益は前年同期比16.0倍の113億円に急拡大し、3四半期ぶりの大幅増益を達成した。国内で自動体外式除細動器(AED)の販売が伸びたほか、注力する北米では生体情報モニターや人工呼吸器が増勢だった。また、売上構成の良化に加え、為替差損益が好転したことも利益を大きく押し上げた。

8位のバンダイナムコホールディングス <7832> [東証P]は家庭用ゲームで24年10月に発売した「ドラゴンボールZ Sparking!」シリーズの新作が世界販売本数500万本を超えるヒットを記録したほか、人気アニメ「機動戦士ガンダム」のプラモデルやトレーディングカードゲームなども伸びた。業績好調に伴い、通期業績予想と配当計画を上方修正するとともに、350億円を上限とする自社株買いの実施も発表。これを受けて株価は急騰し、上場来高値圏を快走している。

同じくIPビジネスに強みを持つ27位のサンリオ <8136> [東証P]の株価も青空圏を舞う展開にある。10-12月期は「ハローキティ」50周年関連の施策や複数キャラクター戦略が奏功し、北米や中国のライセンス事業を中心に収益が大きく伸び、3四半期連続の最高益更新を果たした。好調な業績を踏まえ、通期の経常利益予想を25期ぶりの最高益見通しに上方修正し、配当計画も増額修正している。

23位にリスト入りしたNEC <6701> [東証P]は自治体向けDX支援サービスの増加やテレコムサービスでの知財ライセンス契約締結に伴う利益計上などが寄与し、10-12月期の税引き前利益は876億円と前年同期比2.4倍に膨らんだ。併せて、通期業績見通しを上方修正し、さらに3月末の株主を対象とする1→5の株式分割実施を発表したことも好感され、株価は約23年半ぶりの高値圏に浮上している。

このほか、配当利回りが年間ベースで3.5%を超えている、川崎汽船 <9107> [東証P]、エーザイ <4523> [東証P]、日本郵船 <9101> [東証P]、商船三井 <9104> [東証P]、大林組 <1802> [東証P]、東急不動産ホールディングス <3289> [東証P]、アルプスアルパイン <6770> [東証P]、飯田グループホールディングス <3291> [東証P]、かんぽ生命保険 <7181> [東証P]は足もとの業績が好調な高配当株として注目したい。

  ┌ 経常利益 ┐   増益  対通期 予想

コード 銘柄名    増益率 10-12月期 連続期数 進捗率  PER

<6702> 富士通     74358   78181    1    -  25.0 *

<5801> 古河電     2500   17135    1   78.5 16.3

<6849> 日本光電    1496   11367    1   75.0 30.2

<9504> 中国電      736   28775    1    103  4.3

<9107> 川崎汽      538  101529    3   96.3  4.5

<1801> 大成建      531   42825    1   95.4 14.6

<6976> 太陽誘電     492   6926    1   97.8 66.4

<7832> バンナムHD   345   69860    4   99.2 25.5

<6902> デンソー     305  166154    3   73.5 12.7 *

<9533> 邦ガス      276   4864    1   83.9 16.2

<4523> エーザイ     268   29551    2    102 28.1 *

<9435> 光通信      262   74945    1    -  14.0 *

<9101> 郵船       259  147190    3   90.9  5.0

<8473> SBI      237  100506    1    -   - *

<9104> 商船三井     194  125841    3   91.4  4.8

<4681> リゾートトラ   175   14413    5   98.6 18.1

<6857> アドテスト    169   70547    3   72.5 42.2 *

<9501> 東電HD     153   98029    1    -   -

<6645> オムロン     152   16321    2   59.2 73.1

<5803> フジクラ     151   43560    4   78.5 24.7

<7012> 川重       146   40726    1   64.5 16.9 *

<1802> 大林組      142   55965    4   73.9 11.2

<6701> NEC      142   87652    1    -  22.1 *

<3289> 東急不HD    136   34299    1   65.1  9.5

<6770> アルプスアル   133   16266    1    102  9.9

<3291> 飯田GHD    126   21890    2   82.5 14.0 *

<8136> サンリオ     123   18469   13   80.7 41.1

<7729> 東京精      122   6633    2   69.4 15.8

<7181> かんぽ生命    114   55870    3   101.0  9.2

<7911> TOPPAN   104   27734    1   67.4 16.6

<6586> マキタ      102   32419    3   84.6 18.0 *

※経常利益の単位は百万円。増益率は前年同期に比べた増加率、単位は%。「*」は国際会計基準、米国会計基準を採用する銘柄。

※増益連続期数は四半期ベースの連続回数、同一会計基準内が対象。対通期進捗率は経常利益の通期計画に対する4-12月期の進捗割合、単位は%。黒字転換、赤字縮小は増益に含めません。

株探ニュース

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

プレミアム会員限定コラム

お勧めコラム・特集