マーケット&北陸経済動向(2/1)【今村証券アナリストレポート】
(1)マーケット動向
2026年の日本株は好調に滑り出した。日経平均株価は初めて5万4000円台に乗せ、東証株価指数(TOPIX)も過去最高値を付けた。海外株も強含み、米国のダウ工業株30種平均やS&P500種株価指数のほか、英国、ドイツ、フランスの主要指数が最高値となり、アジアでも韓国、台湾、シンガポールなどが、さらには南アフリカやブラジルの主要指数も最高値を更新した。底堅い経済成長、インフレ抑制、拡張的な財政政策、緩和的な金融環境が相場を支えた。年明けの米国によるベネズエラへの攻撃は防衛関連株、エネルギー関連株の上昇につながり、人工知能(AI)需要が堅調との見方から半導体関連株の上昇も目立った。また日本では、衆議院解散報道が株高を加速させた。「選挙は買い」のアノマリー(経験則)があり、高市政権の高い支持率を背景に与党勝利、政権基盤の安定を期待した買いも入った。選挙戦序盤の情勢調査では「自民党優勢」と報じられている。
株価指数の騰落率(1月29日時点)

(注) グラフの上限は今年高値、下限は今年安値
出所:ブルームバーグデータより今村証券作成」
世界の経済成長率・物価上昇率見通し

出所:IMFデータより今村証券作成
日本国債利回りの推移
(赤:2 年、黒:10 年、緑:20 年、青:30 年)

出所:ブルームバーグ

1段:株価指数(黒:日経平均株価、赤:米ダウ工業株30種平均)、2段:円相場(赤:対米ドル、青:対ユーロ)、3段:10年国債利回り(黒:日本、赤:米国、青:ドイツ)
出所:ブルームバーグ
日本では債券安(金利高)・通貨安も進んだ。与野党ともに積極財政を選挙公約に盛り込み、選挙結果に関係なく財政が悪化するとの懸念が強まった。特に財政リスクを反映するとされる超長期債の利回りが大きく上昇(価格は下落)した。円相場は1ドル=159円台と1年半ぶりの円安・ドル高水準となり、米金融当局が為替介入の準備段階である「レートチェック」を実施するに至った。対ユーロでは186円台と1999年の単一通貨ユーロの誕生以降の最安値を付けた。
2月における注目点には、衆議院選挙に加えて、国内企業の決算発表を挙げたい。日本経済新聞社が昨年11月にまとめた国内上場企業の2026年3月期通期の純利益予想は前期比2%減だった。これが上振れ、6年連続での増益、5年連続での最高益更新の見通しになるかに注目だ。中国外務省は春節(旧正月)期間中の訪日自粛を呼びかけ、日中対立が長期化している。一方で輸出企業には円安の追い風が吹いている(主要企業の想定為替レート(平均)は1ドル=約145円)。1月下旬には千代田化工建設 <6366> [東証S]やアドバンテスト <6857> [東証P]などが大幅な上方修正を発表した。
決算発表予定日

出所:日本取引所グループ HP より今村証券作成
トランプ米大統領の言動が相場を翻弄することは避けられそうにない。トランプ氏は南北米大陸を中心とする西半球で米国の勢力圏確立を目指す「ドンロー主義」を掲げ、ベネズエラに続いて標的としたデンマーク自治領グリーンランドの領有を巡る問題は米欧の対立を深めた。イランへ軍事介入する構えもみせる。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長を刑事捜査の対象としたことや、5月に就任する次期FRB議長が大幅な利下げを信奉する人物になるとの観測は、中央銀行の独立性を揺るがしかねない事態と受け止められている。
投資家のリスク回避姿勢が強まる場面もあろうが、日本株の上昇基調は続くと考えている。①インフレの定着による名目経済の拡大、②堅調な国内景気と企業業績、③東京証券取引所による「資本コストや株価を意識した経営」の要請を背景にした企業の資本効率改善―というプラス要因は損なわれていない。これに国内政権の安定が加われば、日経平均株価は再び最高値を目指す可能性がありそうだ。

(2)北陸経済動向
足元の北陸経済は緩やかな回復・持ち直し基調にある。北陸財務局は総括判断を前回(10月)の「緩やかに持ち直している」から「持ち直している」に上方修正した。
「個人消費」は堅調さを維持している。11月の商業動態統計小売6業態販売額(全店ベース)は前年同月比5.9%増と45カ月連続で前年同月を上回った。物価上昇の影響のほか、スーパーではブラックフライデーなどのセールが好調だった。ドラッグストアは新規出店効果が続く。「設備投資」も堅調で、日銀金沢支店が発表した12月の企業短期経済観測調査(短観)によると、今年度の設備投資計画(全産業)の増加率は前年度比3割を超えた。能力増強や新規事業向け、省力化投資が盛んだ。
一方で「生産」や「住宅投資」には弱めの動きがみられる。11月の鉱工業生産指数(速報値・季節調整済)は前月比4.8%減と2カ月連続で低下した。なかでも化学工業が同16.0%減、生産用機械工業が同▲7.5%と下げが大きかった。また、11月の新築住宅着工戸数は8カ月連続で前年同月を下回り、建築基準法改正による影響を受けている。

先行きについては、緩やかな景気回復が続くと期待されるものの、不透明感も漂う。トランプリスクや日中対立への警戒感、為替、国内物価の動向などに注意したい。


(参照:日銀金沢支店発表資料「北陸の金融経済月報」、「北陸短観」、国土交通省発表資料、経済産業省及び経済産業省中部経済産業局発表資料、財務省北陸財務局発表資料、内閣府発表資料より今村証券作成)
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株探ニュース