高橋春樹氏、2018年【株式相場を大胆予測!】(3) <新春相場特集>
―世界的なリスクオン相場はどこまで続くのか―
いよいよ2018年相場の幕が上がる。17年相場は日経平均株価が1万9000円台半ばのスタートで年末まで約3500円幅の上昇をみせた。特に10月以降は一気に上げ足を強め投資家にとって満足の行く展開だったのではないか。年が明けても強気優勢の地合いに変化はなさそうだが、前方は雲一つなき青空が広がっているというわけでもない。米国を中心軸とする世界的なリスクオン相場はどこまで続くのか。また、日本株の上値余地、そして注目すべきセクターは。投資家の期待と不安がない交ぜとなった新春相場、そのスタートを目前にして、第一線で活躍する市場関係者3人に大局的な見地に立った読み筋を披露してもらった。
●「日経平均は2万7000円トライの展開に」
高橋春樹氏(三木証券 執行役員 商品本部長)
東京株式市場は、2018年も引き続き強調展開となりそうだ。これは、バブル崩壊後に20年以上続いた長期ボックス相場を完全に上方に離脱したトレンドが今年も継続するためだ。例えば、日経平均(225種)に比べて、より幅広く市場の実勢を反映できる指標とされる日経500種指数を見ると、既に2200ポイント台に乗せ、1989年時の過去最高値2410ポイント水準に急接近しており、企業業績の実体をより正確に反映しているようだ。
また、企業業績面から見ると、18年3月期上期(17年4-9月)の全産業の経常利益の増益率は20%程度となったが、下期(17年10月-18年3月)についても、期間中の円相場の推移などを考慮すれば、市場予想の10%増程度から、上期と同様の20%増程度に上方修正される可能性が高そうだ。業績向上を追い風に、懸案の賃金上昇が見込めるのに加え、根強いインバウンド需要持続や株高に伴う資産効果などから個人消費の盛り上がりも想定される。さらに、これが設備投資の拡大を誘発する景気拡大の好循環となりそうで、1.3%増程度と予想されている18年度のGDP成長率は上方修正される可能性もある。
こうした国内の状況を踏まえつつ、減税法案を成立させて、今年はもう一つのトランプ政権の経済政策の柱である大規模なインフラ投資の実現に期待が寄せられる米国の状況や、懸案だった“過剰設備解消”が軌道に乗りつつあり、今年は“過剰債務解消”の動きが注目を集める中国の経済状況などを考え合わせると、堅調な株価推移が想定できる。今年の日経平均のレンジについては、下値は2万2000円程度、上値は2万5000円を通過点として2万7000円にトライする展開となりそうだ。
物色動向は、内需関連と輸出株が交互に対象となる循環物色となりそうだ。なかでも、個人消費の回復やインバウンド需要の継続、さらに株主優待制度への認知度の高まりなどから、外食チェーン、専門小売店、百貨店、化粧品などの内需系の銘柄に注目が集まりそうだ。
(聞き手・冨田康夫)
<プロフィール>(たかはし・はるき)
1977年岡山大学法文学部卒業・第一証券入社。1999年第一証券エクイティ部長兼投資運用部長、2005年三菱UFJ証券エクイティ部長、2011年三木証券投資情報部長。
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