佐藤正和氏【どこまで続く超強気相場、日経平均の上値診断】(2) <相場観特集>

特集
2018年1月9日 19時16分

―利益確定売り圧力を吸収、大相場の匂い漂う日本株―

東京株式市場は年が明けてからも強力な上昇波を形成している。大発会に日経平均株価は741円高の急騰をみせたが、その後は利益確定売りも観測されるなか、買い向かう動きがそれ以上に強い典型的なブル相場が繰り広げられている。市場第一線で活躍する業界関係者の目に今の相場はどう映っているのか。そして今後の見通しは。また、リスクオン相場の鍵を握る為替相場の動向についても専門家に意見を求めた。

●「3月FOMC意識の展開、徐々にドル高進行も」

佐藤正和氏(外為オンライン シニアアナリスト)

当面のドル円相場は、徐々にドル高・円安が進む展開を予想している。

1月の米連邦公開市場委員会(FOMC)は、現状維持だろう。焦点は、パウエル氏が2月に米連邦準備制度理事会(FRB)議長に就任してから、初めて迎える3月のFOMCだ。18年は3回の利上げ実施の見通しが示されているが、市場では2回程度を有力視している。こうしたなか、3月の利上げが見送られれば、やはり年3回は難しいとの見方が有力となる可能性がある。3月に向けて米経済指標などへ関心は高まろう。

今月は米消費者物価指数(CPI)や米17年10-12月期国内総生産(GDP)、トランプ大統領によるインフラ投資に関する発表などが注目される。また、今年は日銀の金融政策のスタンスも関心を集めるだろう。

もっとも、米株高による資産効果や減税などが追い風となり、徐々に賃金も上がり米長期金利は上昇するとみている。

こうしたなか、今後1ヵ月程度のドル円相場は111~115円での値動きを予想する。コアとなるレンジは112円50~113円50銭程度だが、徐々に上値を試す展開を見込んでいる。

ユーロは欧州中央銀行(ECB)の緩和縮小が意識されるなか、堅調な値動きが予想される。想定レンジは、対ドルでは1ユーロ=1.18~1.22ドル、対円では1ユーロ=133~138円とみている。いずれもユーロ高基調が見込まれる。主要3通貨では、ユーロが最も強く、続いてドル、円の順番だろう。

(聞き手・岡里英幸)

<プロフィール>(さとう・まさかず)

邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。通算20年以上、為替の世界に携わっている。

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