清水洋介氏【高値圏“横ばい”東京株式市場は「どっちに動く?」】(1) <相場観特集>
―ドル円「高止まり」も全体相場頑強、真冬のマーケットが向かう先―
22日の東京株式市場は、米連邦政府の暫定予算失効に伴う一部政府機関閉鎖の影響や、外国為替市場で円相場が1ドル=110円台後半に高止まりしていることを嫌気して売り先行の推移が続いていたが、日経平均株価は大引けに掛けてプラス圏に浮上した。個別銘柄への押し目買い意欲が旺盛で、底堅さを感じさせる地合いとなっている。第一線で活躍するマーケット関係者2人に、今後の株式相場見通しを聞いた。
●「当面はもみ合い相場が続く、電子部品株など注目」
清水洋介氏(Argo Navis フィナンシャルコンシェルジュ)
今後、1ヵ月程度の日経平均は2万3500円から2万4000円前後のレンジでの一進一退を見込む。当面は、上にも下にも行かない展開を予想する。2万3500円を割り込んだ場合の下値は2万3000円前後だろう。
これから第3四半期(10-12月期)の決算発表が本格化するが、業績面でのサプライズはさほどないとみている。業績の増額修正を発表する企業があっても、好業績は株価にはすでに織り込まれている。このため、決算発表に対する市場の反応はにぶいことが予想される。
足もとで為替は円高方向に振れているが、1ドル=110円ラインは割り込まないと予想する。110円台なら業績面への影響はあまりないだろう。ただ、110円台を割り込むと一気に円高が進む可能性があることには注意が必要だ。
米長期金利は2.6%台へ上昇してきたが、ドル高は進んでいない。これは、米国債を売る人はいても、その資金は米国株に回っていないことを示す。トランプ大統領の経済政策は諸手を挙げて好感されているわけではない。この意味で、ここから米国株の上値はあまり期待できないと思う。
個別のセクターでは、電子部品株 や観光関連株に注目している。全体相場が上昇するなか、電子部品株には上昇余地があるとみている。自動車の電装化などが進むなか、アルプス電気 <6770> や京セラ <6971> といった銘柄は上値が期待できそうだ。
また、訪日外国人によるインバウンド需要に限らない日本人の旅行に絡む「観光関連」銘柄にも注目している。この観点からは、藤田観光 <9722> や東京ドーム <9681> などに上値余地がありそうだ。
(聞き手・岡里英幸)
<プロフィール>(しみず・ようすけ)
大手証券会社に入社後、外資系証券会社、外資系オンライン証券会社などを経て、証券アナリスト、テクニカル分析の第一人者として、「チャートの先生」「ストラテジスト」の役割でテレビのレギュラー出演や雑誌の連載などで活躍。現役ディーラーとしても日々相場と対峙している。10年以上続いているメールマガジン「日々是相場」や投資に関しての講演などを行っている。2014年5月株式スクール開校、証券投資の本質、株式投資の楽しさを啓蒙している。
株探ニュース