高橋春樹氏【米株高でも気迷いムード、日本株底入れはいつ?】(2) <相場観特集>

特集
2018年2月13日 19時45分

―大幅買い優勢で始まっても疑心暗鬼に陥る弱気相場の正体―

米国を中軸とした世界株高の構図が歪み始めている。急速な米長期金利上昇を嫌気する形で米株市場が大幅な調整を余儀なくされ、そのリスクオフの大波が日本株にも及んでいる。3連休明けの東京市場では、前日にNYダウ平均株価が400ドル超に買われたことを受け、日経平均株価も一時300円近い上昇をみせたが、戻り売りの壁は厚く、後場は上げ幅を急速に縮めマイナス圏に沈んだ。投資家心理の改善にはまだ時間がかかるのか。東京市場の針路について改めて専門家の意見を聞いた。

●「底打ち接近も本格的な戻りには時間必要」

高橋春樹氏(三木証券 取締役 商品本部長)

日米の株価指数双方とも、そろそろ下値メドに近い水準に達しているものの、底打ちが確認されたとしても、全体相場が本格的な戻り歩調に転じるまでにはしばらく時間が必要とされそうだ。ただ、好業績見通しにも関わらず、割安な水準まで低下している銘柄も多く、個別銘柄の見直し買いは継続しそうだ。

米株式市場のNYダウは、100日移動平均に相当する2万4100ドル前後の水準が下値メドになると想定している。ボラティリティの高い地合いながらも徐々に下値を固めて、当面は50日移動平均の2万5000ドル近辺を上値としたボックス相場となりそうだ。

日経平均は、米国市場の長期金利に加えて為替変動もリスク要因として加わることから、下値メドは200日移動平均の2万1000円水準と見ている。日経平均の直近の騰落レシオ(25日移動平均)が80%を割り込んできたことから、今週中にも底打ちとなる可能性もある。ただ、比較的大幅な調整となってしまったことを勘案すると、短期間での本格的な戻りは期待薄で、しばらくは100日移動平均の2万2000円水準を上値とした往来相場となりそうだ。

4-12月期決算の集計中だが、日経平均の1株利益は、トランプ米大統領の打ち出した法人減税などの影響もあり、1630円水準と増加している。1株利益が急ピッチで上昇し、予想PERは低下しているものの、逆に来期の19年3月期の1株利益の想定がやや難しくなっている面もありそうだ。

今後の物色動向としては、ソニー <6758> 、三菱電機 <6503> 、キヤノン <7751> 、日立製作所 <6501> といった、業績好調にも関わらず、PERが13~15倍水準と比較的割安な主力株に注目している。さらに、資生堂 <4911> 、ロート製薬 <4527> など化粧品医薬品などの内需セクターで、インバウンドにも強みを発揮している銘柄も引き続き見逃せない。

(聞き手・冨田康夫)

<プロフィール>(たかはし・はるき)

1977年岡山大学法文学部卒業・第一証券入社。1999年第一証券エクイティ部長兼投資運用部長、2005年三菱UFJ証券エクイティ部長、2011年三木証券投資情報部長。

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