2日の米国市場ダイジェスト:NYダウは70ドル安、貿易戦争の懸念が広がる
■NY株式:NYダウは70ドル安、貿易戦争の懸念が広がる
2日の米国株式相場はまちまち。ダウ平均は70.92ドル安の24538.06、ナスダックは77.31ポイント高の7257.87で取引を終了した。昨日にトランプ大統領による鉄鋼・アルミニウム輸入に関税を課す方針が発表され、主要貿易相手国による報復措置や、製造業のコスト増への懸念から売りが先行。午後にかけて下げ幅を縮小したものの、上値の重い展開となった。セクター別では、半導体・半導体製造装置や医薬品・バイオテクノロジーが上昇する一方で消費者・サービスや不動産が下落した。
スポーツ用品小売のフット・ロッカー(FL)は、決算内容が予想を下振れたほか、弱気な業績見通しが嫌気され大幅下落。小売大手のウォルマート(WMT)は、一部アナリストによる投資判断引き下げを受けて売られた。一方で、アパレルのギャップ(GPS)や百貨店のノードストローム(JWN)は、決算内容が好感され上昇した。
トランプ政権による輸入関税を巡る新方針により、自動車や石油産業は原価の上昇が予想されるほか、米国からの農作物輸出額が減少する可能性もあり、来週も混乱が続きそうだ。
Horiko Capital Management LLC
■NY為替:世界貿易戦争への警戒感が引き続きリスク回避の円買いへ
2日のニューヨーク外為市場でドル・円は、105円25銭まで下落後、105円74銭まで反発し105円71銭で引けた。トランプ大統領が鉄鋼やアルミニアム輸入関税を課す計画を発表したことに続き、「貿易戦争は有用」との発言を受けて、世界貿易戦争への警戒感が引き続きリスク回避の円買いにつながった。その後、ロス米商務長官が輸入関税が米国の雇用を押し上げるとことを目的とし、消費者への影響は最小だと鎮静化に努め、株式相場の下落が一段落しリスク回避も一服した。ユーロ・ドルは、1.2294ドルから1.2336ドルまで上昇し1.2337ドルて引けた。ユーロ・円は、129円62銭から130円38銭へ上昇した。株式相場の回復に連れ、リスク回避の円買いが後退。ポンド・ドルは、1.3757ドルへ下落後、1.3804ドルへ反発。英国と欧州連合(EU)との離脱交渉が難航するとの警戒感を受けたポンド売りが継続した。
■NY原油:反発で61.25ドル、株安一服やドル安継続を意識した買いが入る
NY原油先物4月限は反発(NYMEX原油4月限終値:61.25 ↑0.26)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物4月限は前日比+0.26ドルの61.25ドルで通常取引を終えた。時間外取引を含めて一時61.50ドルまで買われた。ロス米商務長官は、鉄鋼・アルミニウム輸入への関税について、「トランプ大統領は全ての国を対象とする措置を選択した」と述べたことで貿易戦争が激化するとの懸念が広がり、原油先物相場を圧迫した。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 31.63ドル +0.15ドル(+0.48%)
モルガン・スタンレー(MS) 54.74ドル +0.25ドル(+0.46%)
ゴールドマン・サックス(GS)258.12ドル +1.34ドル(+0.52%)
インテル(INTC) 48.98ドル +1.14ドル(+2.38%)
アップル(AAPL) 176.21ドル +1.21ドル(+0.69%)
アルファベット(GOOG) 1078.92ドル +9.40ドル(+0.88%)
フェイスブック(FB) 176.62ドル +0.68ドル(+0.39%)
キャタピラー(CAT) 146.38ドル -3.85ドル(-2.56%)
アルコア(AA) 45.54ドル +0.47ドル(+1.04%)
ウォルマート(WMT) 88.77ドル -0.31ドル(-0.35%)
スプリント(S) 5.29ドル +0.04ドル(+0.76%)
《HT》
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