【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ 市場に春の芽吹き、胸に新たな闘志を!
「株式市場に春の芽吹き、胸に新たな闘志を!」
●買い場を知る積極派の個人たち
「なんだかなあ」とつい思ってしまう。
東京市場の現状について、「先生、トランプ大統領は相変わらずとんでもないことを言い出すし、財務省の文書書き換え問題。あれ、なんですかね。これでは株はやりようがないですよね」――こんな怒りの言葉を聞かされることが多くなっている。確かに、特に文書書換え問題については国民の一人として信じられない愚行という他ない。
しかし、それが投資を抑制したり、見合わせたりするような材料になるだろうか。少なくとも私はならない。
ただ、実際には強く意識している投資家が多いようで、日々の商いが非常に少なくなっている。東証1部のそれは11億株台が続いている。これはもう「閑散」と表現してよいほどの少なさ。前述したように、トランプ発言や国内政局の混迷によるものと見るべきだろうが、一方で新たな芽吹きが感じられるのをお気づきだろうか。
ジャスダックやマザーズ、そして東証2部、東証1部の中小型株が蘇生に向かい始めているのだ。
これらを主に手掛けているのは、積極派の個人投資家たち。その多くが、「株の買い場」をよく知っていると見てよく、ここはそれに歩調を合わせるのが正解だ。
株式市場には大別して2種類の情報がある。グローバルマクロ的な情報と、個別企業に関するそれだ。もちろん、どちらも重要ではあるのだが、私は後者を重視する。そのため、「森よりも木を見よ」とまで主張して、厳しく批判されているほどだが、実際の投資ではわれわれは個別銘柄に頼るしかないのだ。
●木の情報を集め、吟味し、試す時
トランプ大統領による突発的な政策の発動や、国内政治の混迷などを懸念しての投資見合せなどは、機関投資家たちに任せておけばよい。
個人投資家は、彼らが買いを見合わせているなら、その間に有望株を探したり、それに試し買いを入れたりするのが正解になる。
そこで、ここでぜひ紹介しておきたいのが、高浜虚子の名句だ。
春風や
闘志抱きて
丘に立つ(虚子)
である。ということで、ここでの注目銘柄。
まずはMS-Japan <6539> だ。公認会計士、弁護士、一般企業向け管理職スタッフの人材派遣に強い会社だが、株価は2月初めから低迷を続けている。しかし、管理職紹介が拡大を続けているため、株価は再浮上する確率が高いとみる。
すでに高値圏ながら、私の大好きな銘柄の一つであるエムスリー <2413> もまだ続伸力をキープしていると考えられる。医薬品情報の提供から製薬メーカー向けマーケティング支援に業務を拡大、収益を伸ばし続けている点が評価できる。
人事・IRなど企業が対応に苦慮してる分野に特化して経営コンサルタントを行っているリンクアンドモチベーション <2170> も、株価が少しでも押したら拾っておきたい。経営コンサルタント会社だけに、経営は順調であり、株価も堅調高が見込める。
不動産業界は活況状態が続いていることから、積極経営で収益を伸ばし続けている企業の中から、ロードスターキャピタル <3482> [東証M]に注目だ。都内の中規模ビルを取得し、改装など付加価値を加えて売却することで、業績を伸ばし続けている。株価は高値保ち合い状態にあるが、仕込むのに適した状況といえる。
そして、最後にユナイテッド <2497> [東証M]を。ただし、この株には条件がつく。メルカリ <4385> の上場が市場の期待通り6月、もしくはその後であっても、ともかく半年以内に実現することが前提となる。
実際には上場されるのか未定のため、リスクは高い。この点を覚悟の上で、割り切って投資できる人向きの銘柄ということになる。なお、この会社はメルカリに株で2.2億円出資、転換社債8000万円を引き受けている。
2018年3月16日 記
株探ニュース
編集部注:メルカリの上場決定を受け、コード番号を5月14日に追記