話題株ピックアップ【夕刊】(1):岩井コスモ、光通信、資生堂
■岩井コスモ <8707> 1,423円 +120 円 (+9.2%) 本日終値 東証1部 上昇率2位
23日、岩井コスモホールディングス <8707> が配当修正を発表。従来未定としていた18年3月期の期末配当は55円(前期は35円)実施する方針としたことが買い材料視された。前日終値ベースの期末配当利回りは4.22%となった。好調な業績を踏まえ、株主への利益配分を増やす。今期業績予想は非開示だが、4-12月期の連結最終利益は前年同期比2.5倍の34.7億円。権利確定日を明日に控え、配当取りを狙う買いなどが向かった。
■光通信 <9435> 16,310円 +980 円 (+6.4%) 本日終値 東証1部 上昇率10位
光通信<9435>は急伸。SMBC日興証券が23日付で同社株の投資評価「1」を継続し、目標株価を1万円~1万9000円に大幅に引き上げており、これが株高を後押しした。SMBC日興証券では、光通信の利益成長が拡大期に入りつつあるとし、営業利益成長率は 17年3月期までの3年間は年率平均9%に対して、20年3月期までの3カ年では13%に高まり、20年3月期の営業利益はコンセンサスの571 億円(3月19日時点のQUICKコンセンサス)を上回る600億円と予想している。
■パークシャ <3993> 11,920円 +670 円 (+6.0%) 本日終値
PKSHA Technology<3993>が8日ぶりに反発。ここ下値を探る展開を続けていたが、目先売り物が枯れ満を持して切り返してきた。ディープラーニングを活用して業務効率化を実現するアルゴリズムモジュールとアルゴリズムソフトウエアを開発している会社で人工知能(AI)関連の象徴株ともいえる。ウーバーテクノロジーズの自動運転車が死亡事故を起こしたことが波紋を呼び、直近トヨタ自動車<7203>が自動運転の公道実験を一時的に中断した。これがトヨタから資本提携関係にあるPKSHAの売り圧力に反映されていた。しかし、これは需給先行の売りであり、時価近辺は値ごろ感からの見直し買いが入りやすい水準にあった。18年9月期は営業利益段階で前期比41.8%増の5億6000万円を見込むが、続く19年9月期について市場では同8~9億円と成長加速を見込む声が強い。AIを活用したネットサービスの企画・開発・運営を手掛けるHEROZが4月20日にマザーズに上場することもあり、AI関連を再び注目する動きもあるようだ。
■石油資源開発 <1662> 2,458円 +108 円 (+4.6%) 本日終値
石油資源開発<1662>や国際石油開発帝石<1605>が高い。23日の米原油先物相場はWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の期近5月物が前日比1.58ドル高の1バレル65.88ドルに上昇。米原油在庫の減少による需給好転期待があるほか、トランプ米大統領が大統領補佐官にジョン・ボルトン元国連大使を起用。ボルトン氏は北朝鮮やイランに対する強硬路線を支持するタカ派として知られており、米国とイランとの緊張が高まることに伴う、原油高思惑も市場に出た様子だ。
■三共生興 <8018> 503円 +20 円 (+4.1%) 本日終値
23日、三共生興 <8018> が18年3月期の連結経常利益を従来予想の16億円→24億円に50.0%上方修正。減益率が35.4%減→3.1%減に縮小する見通しとなったことが買い材料視された。利益重視へ向けた構造改革の進展やコスト削減効果などで、採算が大きく改善する。
■トクヤマ <4043> 3,120円 +110 円 (+3.7%) 本日終値
トクヤマ<4043>が反発。東海東京調査センターが23日付で、投資判断「アウトパフォーム」を継続しつつ、目標株価を3700円から5120円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。太陽電池向け多結晶シリコン事業の売却などの構造改革が18年3期第1四半期に終了し、マイナス影響がなくなることに加えて、化成品事業やセメントにおける原燃料高の価格転嫁の効果が19年3月期に発現すると見られることから、19年3月期営業利益は前年比8.3%増、純利益は同54.4%増と好調な業績を予想している。
■資生堂 <4911> 6,322円 +195 円 (+3.2%) 本日終値
資生堂<4911>が反発。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が23日付で投資判断「ニュートラル」を継続しつつ、目標株価を4150円から6500円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。同証券による業績予想を見直し、18年12月期営業利益予想を737億円から900億円へ、19年12月期を同787億円から950億円へ、20年12月期を同842億円から1300億円へ上方修正したことが要因。ただ、高級化粧品の需要が堅調ななかで、国内生産能力不足が短期業績のアップサイドを阻害することが懸念材料とも指摘している。
■IIJ <3774> 2,224円 +66 円 (+3.1%) 本日終値
インターネットイニシアティブ<3774>が6日ぶりに反発。SMBC日興証券が23日付で、投資評価を「2」から「1」とし、目標株価を1700円から2800円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。同証券では、同社の業績が過去5期間の低迷期を脱し、IoTとフルMVNO、クラウドサービスを軸に再び利益が成長する局面を迎えたと判断。モバイルの回線数の順調な積み上がりや、複合サービスの提供によるクラウド・セキュリティーサービスなどの売上高成長を織り込み、19年3月期までの2年間の売上高成長率予想を年平均7%から10%に引き上げ、17年3~20年3月期の営業利益成長率は年平均21%増、20年3月期の営業利益は90億円(従来予想83億円)と予想している。さらに、デジタル通貨取引・決済サービスも新たなポテンシャルとして注目され、株式市場の期待値が高まる可能性もあると指摘している。
■帝国電機製作所 <6333> 1,560円 +44 円 (+2.9%) 本日終値
帝国電機製作所<6333>が5日ぶりに反発。東海東京調査センターが23日付で、投資判断を新規に「アウトパフォーム」、目標株価2120円でカバレッジを再開したことが好材料視されたようだ。中国での石油化学プラント向けの需要増加が続くうえ、国内プラントの更新投資が出てくると思われることから、同センターでは19年3月期営業利益を30億円(前期比13.2%増)と、18年3月期に続いて過去最高更新を見込んでいる。
■オリンパス <7733> 4,005円 +105 円 (+2.7%) 本日終値
オリンパス<7733>、テルモ<4543>など医療機器メーカーの株価の強さが目立つ。高齢化社会の到来は日本だけではなく世界的な傾向で、新興国では経済成長と合わせて医療インフラ整備が進捗する状況にある。ヘルスケア市場の拡大はワールドワイドに続くことが見込まれ、そのなか技術力に優れる日本の医療機器メーカーは中期的な成長期待が強い。マーケットでは高水準の世界シェアを持つ銘柄に注目が集まり始めており、内視鏡で世界断トツのオリンパスやカテーテル器具で抜群の商品競争力を持つテルモなどに買いが観測されている。
株探ニュース