新年度「ロケットスタート候補」10銘柄、点火直前テーマ株でGO! <株探トップ特集>

特集
2018年4月3日 19時30分

―消えないリスク回避ムード切り裂く“材料株の森の注目株”―

前日(2日)から東京株式市場は名実ともに新年度相場の幕が上がり、新たな買いが期待されるところだったが、現時点で思うような戻り相場には発展していない。日経平均株価は3月に大勢底入れを果たしたかに見えたものの、主力株の上値では戻り売り圧力が顕在化し、目先は米国株が波乱展開をみせ、NYダウが再び年初来安値圏に沈んだこともあってリスク回避ムードは拭えない。

しかし、全体指数に一喜一憂していては今の相場の本質を見失う。米国株市場の変調は主にネット関連株や半導体関連などハイテクセクターへの売り圧力が下げを主導している。外国為替市場でもドル安・円高の是正がなかなか進まないこともあり、東京市場でも主力輸出セクターへの買いが続かず相場のムードを悪くしているが、個別株に目を凝らせば決して売り方が優勢の地合いではないことが分かる。

●“材料株の森”で個人投資家は腕の見せ所に

株式市場では個別株が局地的に人気となる相場つきを称して、「森より木を見る相場」とよく言われるが、まさにそうした風景が眼前に広がっているといってよい。個人投資家の土俵である中小型株を中心に、テーマ株物色の動きが波状的に東京市場に押し寄せている。しかも、これは一本一本の木を見る相場ではない。いくつかの有力テーマを活力として広い範囲の銘柄に買いが波及するようになってきた。例えていうなら今のマーケットは“材料株の森”である。

いったん人気化すれば断続的に買いが流入し、小休止を挟んでも火種が消えることはない。その火種がやがて燎原の火のごとく、他の材料株の枝葉に燃え移っていく、そんな地合いである。投資家はしっかりとその現実を見極めて、慎重かつ大胆に相場と対峙したい。

●相場の流れに沿うテーマ株を一挙エントリー

今回選出した10銘柄は個人投資家のニーズに応えるテーマ株を取り揃えており、新年度相場で早々に急騰習性を開花させそうな材料株の一群としてぜひ注目したい。

【プリメックスはセルフレジ関連で飛躍の可能性】

日本プリメックス <2795> [JQ]はレジやATMの領収書発行を主力とする産業用ミニプリンターを手掛け、今のセルフレジ(無人レジ)関連株人気に乗る。富士通製品の販売を展開するほか、小型プリンターの製造子会社を通じOEM展開も図っている。セルフサービス情報端末「KIOSK」向けプリントソリューションで飛躍の可能性を内包。無人レジ普及局面では関連株として大きく見直される余地がある。<急騰性3・中期的上値余地3>

【ANAPはネット販売好調、キャッシュレス化追い風】

ANAP <3189> [JQ]は新高値圏を走るが、さらなる上昇余地が膨らむ場面。同社は若年女性層向けカジュアル衣料や雑貨の製造販売を手掛けるが、ネット販売比率が高く業績拡大に寄与している。また、最近はキッズ商品も売り上げを伸ばしている状況だ。18年8月期は営業利益24%増の2億5000万円を見込むが増額も視野に入る。店舗における電子決済サービス「WeChat Pay」を導入しているほか、昨年末に「LINE Pay」決済対応も開始しており、キャッシュレス化のテーマにも乗る。<急騰性4・中期的上値余地4>

【ドローンに絡む映像技術が注目のブイキューブ】

ブイキューブ <3681> は遠隔地の相手と映像でつなぐネットサービスを手掛けるが、株式市場を賑わしているドローン関連 の切り口で注目を集めている。2015年に子会社ブイキューブロボティクス・ジャパンを設立しドローン関連事業に展開。パイオニア <6773> やデータセクション <3905> [東証M]などとドローンを活用したビジネス分野で連携している点も注目。出資先を通じクラウド・ロボティクス技術にも踏み込んでいる。<急騰性4・中期的上値余地2>

【フィックスターズは量子コンピューターで再浮上】

フィックスターズ <3687> は世界的に開発競争が先鋭化している量子コンピューター関連として再浮上の機が近い。同社は顧客システムを高速化させるソフトを開発し業務支援を行うが、世界で初めて量子コンピューター商用化に漕ぎつけたカナダのDウェーブ社と提携関係にあることがポイント。3月末に1株を5株にする株式分割を実施、分割後は1600~1700円の水準で調整を入れているが、成長テーマに乗る銘柄であり、このもみ合いは買い場。量子コンピューターでは次世代計算機のソフト開発に取り組む人材の確保が急務となるが、経済産業省は18年度から次世代の計算技術を使って製薬や金融、物流分野で活躍できる人材育成を支援する方向にあり、同社への追い風は強い。<急騰性4・中期的上値余地3>

【レイは急騰性魅力、テレ朝との資本提携が活力に】

レイ <4317> [JQ]はイベントやテレビコマーシャル向けにデジタル映像制作を行っている。株価は600円台での底値鍛錬を経て急浮上をうかがう。テレビ朝日ホールディングス <9409> と資本・業務提携し、テレビ朝日HDの持ち分法適用会社となったことで今後は業容拡大効果も期待される。業績は主力の広告ソリューション事業が好調で18年2月期は営業利益段階で前期比2割強の伸びを見込む。昨年12月と今年1月の2回にわたる急騰劇は記憶に新しく、改めて投資資金の食指を動かす公算がある。<急騰性5・中期的上値余地2>

【ブロックチェーン技術で変貌期待のソルクシーズ】

ソルクシーズ <4284> は金融機関向けを中心にシステム受託開発を手掛け、クラウド事業にも重心を置いている。ブロックチェーン技術に積極的に取り組んでいるが、筆頭株主はSBIホールディングス <8473> であり、SBIグループが注力する仮想通貨サービスで収益機会が確保されそうだ。IoT社会の到来を受け人工知能(AI)分野を絡めビジネスチャンスを拡大していく構え。昨年12月から今年年初にかけて、800円近辺の株価を一気に1900円台まで急騰させた実績がある。<急騰性5・中期的上値余地3>

【構造計画は5G、ドローン、AIすべてに絡む】

構造計画研究所 <4748> [JQ]は製造業向けや建築業界向けを主力とする独立系システムインテグレーター。次世代高速通信規格の「5G」実用化に積極的に取り組むほかドローン関連分野にも経営資源を注いでおり、人気化素地は高い。ドローンについては、政府は規制緩和によって実証実験を後押しする構えをみせている。同社はドローンから得られるセンサーデータを用いたソフトウェアソリューションを提供するなど、早くからその実績が評価されている。また、同社の出資企業がエヌビディアのGPU製品を活用したソリューションを行うなどAI関連としても注目。<急騰性3・中期的上値余地4>

【アイレックスは5G関連で上昇本番へ】

アイレックス <6944> [JQ]はTCSホールディングス傘下のシステム開発会社で通信コア技術に強みを持っており、要注目だ。主要販売先がNECグループということもあり、今後IoT社会をにらんで急速にインフラが進むとみられている次世代通信規格5Gでビジネスチャンスをつかむ可能性が高い。株価は2月27日にマドを開けて上放れ、以降は25日移動平均線に接触することなく下値を切り上げる強い足をみせている。18年3月期業績は大幅減益見通しながら、これは退職給付費用の計上によるもので、19年3月期は急回復が見込めることから、株価は既に来期を見据えた動きに入ったとみられる。<急騰性4・中期的上値余地3>

【日本アイエスケイは低位ならではの暴騰予備軍】

日本アイ・エス・ケイ <7986> [JQ]は目先動意含みだが、株価200円台前半という低位株ならではの魅力が輝きを放つ。耐火金庫製造の大手で2016年にはマイナス金利が金庫需要を喚起するとの思惑から、140円台の株価を数ヵ月で500円台まで暴騰させた実績がある。静脈や指紋など生体認証耐火金庫やデータメディア耐火金庫などの高付加価値製品が好調であり、再び成長トレンド復帰が視野に。今年6月末に単元株100株への移行と合わせ10株を1株に併合する予定にある。これまで株式併合により“値がさ化”する前に動意する低位株が多かったことも思惑を呼びそうだ。<急騰性4・中期的上値余地3>

【アイネットにドローン活用の先進IoTで思惑】

アイネット <9600> は受託システム開発を軸に情報処理サービス・システム運用などにも展開する。時流を捉え業績を順調に拡大させており、18年3月期は3期連続の増収増益を見込む。2016年9月にトライポッドワークス(宮城県仙台市)とドローンを活用した先進IoT事業で提携しており、これからの事業展開に期待がかかる。出来高流動性にやや難があるものの、信用取組をみても売り残・買い残ともに枯れ切っており、上値の軽さが意識される。<急騰性3・中期的上値余地4>

◇新年度「ロケットスタート候補」10銘柄◇

銘柄 <コード>         急騰性   中期的上値余地

プリメックス <2795> [JQ]   ☆☆☆   ◆◆◆

ANAP <3189> [JQ]    ☆☆☆☆  ◆◆◆◆

ブイキューブ <3681>      ☆☆☆☆    ◆◆

フィックスターズ <3687>    ☆☆☆☆   ◆◆◆

レイ <4317> [JQ]     ☆☆☆☆☆    ◆◆

ソルクシーズ <4284>     ☆☆☆☆☆   ◆◆◆

構造計画 <4748> [JQ]     ☆☆☆  ◆◆◆◆

アイレックス <6944> [JQ]  ☆☆☆☆   ◆◆◆

日本アイエスケイ <7986>    ☆☆☆☆   ◆◆◆

アイネット <9600>        ☆☆☆  ◆◆◆◆

※急騰性は☆が多いほど強く、中期的上値余地は◆が多いほど大きい。

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