前場に注目すべき3つのポイント~ハイテク株の底入れを探る

市況
2018年4月10日 8時46分

10日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■株式見通し:ハイテク株の底入れを探る

■決算チェック:洋缶HDの19年3月期営業利益は13%増の公算、電池部材拡大などで

■前場の注目材料:旭化成、韓国で増産、樹脂・繊維原料、車向けなど堅調、設備改修効率化

■ハイテク株の底入れを探る

10日の日本株市場は、こう着感の強い相場展開になりそうだ。週明け9日の米国市場は米中貿易摩擦を巡る警戒感が和らいだことからNYダウ、ナスダックともに上昇した。また、本格化する決算を前に、ハイテク株を見直す動きがみられた。シカゴ日経225先物清算値は大阪比135円安の21595円だった。

米国株高を好感するもシカゴ先物が小安いほか、米中貿易摩擦が和らいだことも、昨日の段階で織り込まれており、反応は限られそうである。日経平均は足元で25日線を支持線とした底堅さが意識されているが、上値も限られよう。21500-21700円処でのもち合いが続きそうである。

物色については内需・ディフェンシブへのリバランスが続いているが、昨日はインデックスに絡んだ商いながらも東エレク<8035>が午後に上昇に転じるなど、底堅さから見直しの動きも散見された。米国市場でも本格化する決算を前に見直す動きがみられており、ハイテク株の動向が注目される。

ただ、米ハイテク株については、上昇はしたものの、大引けにかけては軒並み上げ幅を縮めており、本格的な底入れからの反転と見るには時期尚早のようである。自律反発狙いでの短期的な値幅取りが中心になろう。小売や医薬品セクターでの証券会社のカバレッジ等が観測されており、今しばらくは内需・ディフェンシブに向かいやすいだろう。

(株式部長・アナリスト 村瀬智一)

■洋缶HDの19年3月期営業利益は13%増の公算、電池部材拡大などで

洋缶HD<5901>の19年3月期営業利益は前期推定比13%増の340億円程度になりそうだ

と報じられている。自動車の電装化でリチウムイオン電池向け部材の販売が拡大す

るもよう。また、前期に北米子会社ののれんを減損処理しており、今期はのれんの

償却負担が減る。スチール缶原料を供給するグループ企業を完全子会社化し、間接

部門の集約などでコスト削減も推進する。製缶材料の価格上昇が懸念材料とされる

が、こうしたコスト削減で吸収する方針だという。ペットボトルへの需要シフトで

国内のスチール缶需要が伸び悩み、売上高は微増の8000億円程度にとどまると予想

されている。なお、会社予想で18年3月期営業利益は前期比17.1%減の300億円とさ

れている。今後の進捗を見極める必要はあるだろうが、営業増益への転換見通しと

リチウムイオン電池向け部材の成長シナリオが見直しのきっかけとなる可能性はあ

りそうだ。

■前場の注目材料

・NYダウは上昇(23979.10、+46.34)

・ナスダックも上昇(6950.34、+35.23)

・NY原油は上昇(63.42、+1.36)

・日経平均は上昇(21678.26、+110.74)

・日銀が大規模緩和維持

・好業績銘柄に押し目買い

・街角景気、4カ月ぶり改善

・半導体装置販売、17年ぶり最高更新

・旭化成<3407>、韓国で増産、樹脂・繊維原料、車向けなど堅調、設備改修効率化

・パナソニック<6752>、車部品アザパと資本提携、設計手法活用

《FA》

提供:フィスコ

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