檜和田浩昭氏【地政学リスク再び、ここからの株式と為替はこう動く】(3) <相場観特集>

特集
2018年4月16日 20時00分

―シリア空爆でも頑強な日経平均、果たして相場は変わったか―

14日未明に行われた米英仏のシリア空爆は世界に緊張をもたらしたが、週明け16日の東京株式市場ではその地政学リスクを織り込み、日経平均株価がプラス圏で着地する強さを発揮した。一方、主力株の上値も重く現時点で予断を許さない局面にあることは間違いない。今後のマーケットの行方をベテラン市場関係者はどう見ているのか。株式市場と為替の動向について、それぞれ業界のプロの目線からの意見を紹介する。

●「決算発表本格化で企業業績や株主還元策に関心集まる」

檜和田浩昭氏(東洋証券 マーケット支援部長)

足もとでは、外国為替市場での円相場も比較的落ち着いた動きとなっており、来週後半から、18年3月期決算と19年3月期の業績見通しの発表が本格化することから、市場参加者の関心は企業業績の動向に集中することになる。

年明け以降3月下旬までは、外国為替市場で円高・ドル安進行となっていたこともあり、市場関係者のあいだには、「企業側が明らかにする19年3月期の業績見通しは、総じて控えめになるのでは」という共通認識がありそうだ。こうした観点から判断すると、極端なガイダンスリスクに見舞われる銘柄は限定的となりそうだ。業績面だけではなく、増配や自社株買い、株主優待などさまざまな株主還元策を積極的に打ち出している企業へ市場の評価は益々高まることになりそうだ。

需給関係では、新年度入りしたことで、国内機関投資家からの新たな投資資金の流入期待や、4月第1週(2~6日)に、日本の現物株と先物合計の売買金額で13週ぶりに買い越しに転じた海外投資家の姿勢の変化に注目したい。日経平均の今後1ヵ月先までの想定レンジは、上値の目標が2月27日につけた取引時間中の高値2万2502円で、下値は2万1500円程度と想定している。

物色対象としては、スマートフォン5G(第5世代移動通信システム)IoT(モノのインターネット)など幅広い分野に関連した電子部品株の業績向上が期待できそうだ。一方、内需関連では、旅行、交通機関、宿泊施設、テーマパークなどのコト消費関連に注目している。

(聞き手・冨田康夫)

<プロフィール>(ひわだ・ひろあき)

1990年東洋証券入社、府中・横浜・福山支店で個人のリテール営業を経験。2002年情報部を経て11年2月からアジア部ストラテジストとして日本株と中国株を中心に相場分析を担当。その後、投資調査部次長を経て2015年11月から現職。日本FP協会正会員(CFP)。日本テクニカルアナリスト協会検定会員(CFTe)。株式講演会講師、新聞取材など多数。

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