欧米為替見通し:ドル・円は伸び悩みか、米FOMC後は雇用統計見極めムードも

通貨
2018年5月2日 17時25分

2日の欧米外為市場では、ドル・円は伸び悩む展開を予想したい。欧州通貨の弱含みで、ドル選好地合いに振れやすい見通し。ただ、米連邦準備制度理事会(FRB)は金融正常化の方針は堅持するものの、雇用統計を見極めたいとのムードもあり、ドル買いは限定的となりそうだ。

前日の海外市場では、ユーロやポンドなど欧州通貨の軟調地合いが目立った。足元で発表されたユーロ圏の低調な経済指標が蒸し返され、欧州中央銀行(ECB)の出口戦略への思惑が後退し、ユーロ・ドルは1月以来の安値圏に下落。また、英国の4月製造業PMIの予想以上の低下を受け、英中銀の5月利上げ観測はさらに後退し、ポンド・ドルは大幅安となった。今晩は17時半発表の英・4月建設業PMI(反発予想)や18時のユーロ圏・1-3月期GDP速報値(鈍化予想)が材料視される。

一方、FRBは1-2日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)での討議を踏まえ、政策金利の据え置きを決定する公算だが、金融正常化の方針は堅持するとみられる。声明では、インフレ見通しが注目されており、6月利上げ観測や利上げペース加速への思惑などからドル買い安心感が広がる可能性もある。ただ、前週発表された米国の1-3月期国内総生産(GDP)速報値での個人消費の鈍化や、前日の4月ISM製造業景況指数の予想下振れで、4日の4月雇用統計を見極めたいとのムードもみられる。ドル・円は心理的節目の110円を上抜けても、戻り待ちのドル売りに押される可能性がある。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】

・17:00 ユーロ圏・4月製造業PMI改定値(予想:56.0、速報値:56.0)

・17:30 英・4月建設業PMI(予想:50.5、3月:47.0)

・18:00 ユーロ圏・1-3月期GDP速報値(前年比予想:+2.5%、10-12月期:+2.7%)

・18:00 ユーロ圏・3月失業率(予想:8.5%、2月:8.5%)

・20:00 米・MBA住宅ローン申請指数(先週)(前回: -0.2%)

・21:15 米・4月ADP雇用統計(予想:+19.8万人、3月:+24.1万人)

・03:00 米連邦公開市場委員会(FOMC)声明発表(政策金利は1.50-1.75%に据え置き予)

《FA》

提供:フィスコ

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