欧米為替見通し:ドル・円は伸び悩みか、米重要経済指標控え買い戻しは限定的

通貨
2018年5月28日 17時25分

28日の欧米外為市場では、ドル・円は伸び悩む展開を予想する。米朝首脳会談の再調整の動きを好感して、東アジアの安定化を期待した円売りが主導する見通し。また、イタリアの新政権発足に伴う組閣の動向が材料視される。ただ、本日は英米が休場になるほか、週内の米国の雇用統計など重要経済指標の発表を前に、取引は手控え気味になろう。

トランプ米大統領は前週、米朝首脳会談の中止を発表。その後、北朝鮮が米国に対するけん制を弱めたほか、先月に続く南北首脳会談を開催したことなどを考慮し、米朝会談の再調整に前向きな姿勢に転じた。それに関連し、米代表団は朝鮮半島の軍事国境線である板門店で北朝鮮当局者と協議。米国務省は声明で「会談準備を引き続き進めている」と説明している。首脳会談が実現した場合の北朝鮮の非核化に関しては不透明で、今後の調整が注目される。ただ、韓国の文大統領が米朝会談に参加する可能性が報じられており、朝鮮戦争「終戦」により東アジアの安定化に期待が高まろう。こうした情勢を受け、週明けのアジア市場でドル・円は買い先行で寄り付いた。

他方、イタリア政局の行方にも注目が集まる。新政権の発足で財政拡大路線のポピュリスト政党の連立参加が取りざたされていたが、マッタレッラ大統領は欧州連合(EU)懐疑派の入閣に反対の意向を示した。それが好感され、本日はユーロ・ドルが1.16ドル後半から1.17ドル前半に値を切り上げており、目先ユーロの一段の買い戻しが見込まれる。ただ、今晩は英国市場がスプリング・バンクホリデー、米国市場はメモリアルデーで休場となり、週内に予定される米国の1-3月期GDP改定値や5月雇用統計の発表も意識され、ドル・円の値動きは限定的になりそうだ。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】

・特になし

・休場:英国(スプリング・バンクホリデー)、米国(メモリアルデー)

《FA》

提供:フィスコ

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.