29日の中国本土市場概況:上海総合0.5%安で5日続落、薬明康徳は16日連続ストップ高

市況
2018年5月29日 16時46分

29日の中国本土市場は値下がり。主要指標の上海総合指数は、前日比14.62ポイント(0.47%)安の3120.46ポイントと5日続落し、約3週ぶりの安値水準を切り下げている。上海A株指数も下落し、15.36ポイント(0.47%)安の3268.14ポイントで取引を終えた。

模様眺めムードが広がる流れ。31日に公表される5月の中国製造業PMIや、近く再開される米中通商協議の成り行きが気がかり材料として意識された。また、金融リスクもくすぶる状況。社債の違約(デフォルト)が足元で相次ぐなか、今後の社債償還動向が不安視された。

業種別では、金融株がさえない。中国銀河証券(601881/SH)が2.7%安、華泰証券(601688/SH)が2.4%安、上海浦東発展銀行(600000/SH)と新華人寿保険(601336/SH)がそろって1.1%安で引けた。不動産株も安い。インフラ関連株、発電株などが売られた。直近で上昇が続いた医薬株も、急反落している。

半面、浙江省に拠点をおく海運・港湾や建設の銘柄群は急伸。寧波海運(600798/SH)がストップ高し、寧波港(601018/SH)が3.2%高、寧波建工(601789/SH)が2.8%高と買われている。浙江省が世界レベルの沿海開発に乗り出すと公表したことが刺激。同省政府は28日、ビッグベイエリア総合開発に向けた「浙江省大湾区大花園大通道建設」(大湾区)構想を明らかにしている。2022年の大湾区GDPについては、6兆人民元(約102兆円)を超えると想定した。

他の個別株動向では、5月8日に上海上場した薬明康徳(603259/SH)が16日連続でストップ高に張り付いている。同社は28日、上場以来の上昇に関し、「特に公開する重大情報はない」と説明。自主注意を喚起したが、投資家の買い意欲は高まったままだ。同社はバイオ技術と医療機器の大手で米国と中国に事業拠点があり、従業員数は1万人を超す。

一方、外貨建てB株の相場は小じっかり。上海B株指数が0.08ポイント(0.02%)高の316.52ポイント、深センB株指数が1.22ポイント(0.11%)高の1111.45ポイントで終了した。

【亜州IR】

《FA》

提供:フィスコ

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